祈祷会「ウェストミンスター小教理問答」の学び30 2020/03/25

 「私たちが神の子どもと呼ばれるために、御父がどんなにすばらしい愛を与えてくださったかを、考えなさい。事実、私たちは神の子どもです。世が私たちを知らないのは、御父を知らないからです。愛する者たち、私たちは今すでに神の子どもです。」

Iヨハネ3章1?2節

(1)子とすること
 第33問で、聖霊によって有効に召された人たちがあずかる「義認」の恵みが教えられたのに続いて、今日の第34問では「子とすること」が教えられます。「問:子とすることとは何ですか。答:子とすることとは、神の無償の恵みの行為であり、それによってわたしたちは、神の子たちの数に入れられ、神の子のあらゆる特権にあずかる権利を持つ者となります」。
 「子とすること」の教えは、ウェストミンスター小教理問答を含めて、信仰告白、大教理の三部作ならなるウェストミンスター信仰基準の一番の特色と数えられるものです。学んでみればそれが聖書の中でどれほど大切な教えであるかが分かってくるのですが、教会の長い歴史の中で培われてきた救いの教え(救済論)の伝統を振り返ってみると、義認の教えとこの後に続く聖化の教えは絶えず強調され続けてきましたが、「子とすること」の教えはそれほど重視されてきたわけではありませんでした。そのような中で小教理を含むウェストミンスター信仰基準がこの教えを重視していることはとても大切なことと思われます。
 「子とすること」と訳されている言葉は、もともとは「養子縁組をする」という意味の言葉です。そこでは本来は神の子でなかった者が、今や神の子どもとされているということが意味されています。では私たちはどのようにして神の子とされることができるのでしょうか。そのためには何が必要なのでしょうか。Iヨハネ3章1節に「私たちが神の子どもと呼ばれるために、御父がどんなにすばらしい愛を与えてくださったかを、考えなさい」と記されていました。ここで注意したいのは、神の子どもとされるために私たちが何かをした、というのでなく、「御父がすばらしい愛を与えてくださった」と記されていることです。これは先に学んだ第33問でも、そして今日の第34問、続く第35問でも出てくる「神の無償の恵みの行為」のもとになる御言葉ですが、私たちを義と認めることも、私たちを神の子とするのも、それらはいずれも父なる神の主権と自由に基づく無償の愛の御業なのです。

(2)子とされる恵み
 「子とする」とは父なる神の側からは無償の恵みの行為であり、それは私たちの側からすれば「子とされる」という受け身のことです。それは私たちが父なる神の気に入られるように努力し、振る舞ってそのような立場や身分を獲得するというようなことではありません。私たちが神の子とされるために必要なことはただ一つのことです。ヨハネはすでに福音書の中でこう記していました。ヨハネ福音書1章12節。「しかし、この方を受け入れた人々、すなわち、その名を信じた人々には、神の子どもとなる特権をお与えになった」。またパウロもガラテヤ3章26節でこう言っています。「あなたがたはみな、信仰により、キリスト・イエスにあって神の子どもです」。
 このように、本来は神から遠く離れて罪の奴隷であった私たちを、父なる神が無償の愛の中に救いへと選んでくださり、御子イエス・キリストが十字架によってその救いを成し遂げ、聖霊の神がその救いを私たち一人ひとりに当てはめて、主イエスへの信仰を与えてくださることによって、今や私たちを神の子として迎え入れてくださり、「それによってわたしたちは、神の子たちの数に入れられ、神の子のあらゆる特権にあずかる権利を持つ者」としてくださっているのです。
 
(3)恵みの相続人となる
「子とすること」とは「神の子らのあらゆる特権にあずかる権利を持つ者となる」ことが含まれています。ローマ書8章17節に「子どもであるなら、相続人でもあります。私たちはキリストと、栄光をともに受けるために苦難をともにしているのですから、神の相続人であり、キリストとともに共同相続人なのです」と言われるとおりです。では私たちが父なる神から相続することの許される特権とはどのようなものなのでしょうか。この点について小教理問答よりもさらに詳しく、内容豊かに記すウェストミンスター信仰告白第12章を最後に読んでおきたいと思います。この一つ一つの言葉をよく味わうことで、私たちが今、確かに神の子とされていることの恵みをますます覚えて、その特権を感謝し、喜ぶものでありたいと思います。
 「義とされるすべての者を、神はそのひとり子イエス・キリストにあって、また彼のゆえに、子とする恵みにもあずかるものとされる。それによって、彼らは神の子らの数に入れられ、その自由と特権を受け、神の御名をその上に記され、子たる身分を授ける霊を受け、大胆に恵みの御座に近づき、アバ父と呼ぶことができるようにされ、あわれみをこうむり、守られ、備えられ、親から受けるように神から懲らしめられ、しかし決して捨てられず、それどころか、あがないの日のために証印され、永遠の救いの相続人として、いろいろな約束を受け継ぐ」。
 このように、「子とされること」がもたらす恵みがいかに大きく、豊かで、確かなものであるかを教えられます。不安や恐れ、憂いの多い日々ですが、それでも神の子とされたことのゆえに与えられる平安の中で、主に祈り求めてまいりましょう。「あなたがたは、人を再び恐怖に陥れる、奴隷の霊を受けたのではなく、子とする御霊を受けたのです。この御霊によって、私たちは『アバ、父』と叫びます」(ローマ8章15節)。

 

 



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