祈祷会「ウェストミンスター小教理問答」の学び28  2020/02/26

「神は私たちを救い、また、聖なる招きをもって召してくださいましたが、それは私たちの働きによるのではなく、ご自分の計画と恵みによるものでした。この恵みは、キリスト・イエスにおいて、私たちに永遠の昔に与えられ、今、私たちの救い主キリスト・イエスの現れによって明らかにされました。キリストは死を滅ぼし、福音によっていのちと不滅を明らかに示されたのです。」

Uテモテ1章9節、10節

@有効召命とは何か
 第29問、第30問で、主イエス・キリストが成し遂げてくださった贖いの恵みが、私たちに有効に適用されるのは、聖霊の働きであると学びました。これは三位一体の神の第三位格である聖霊なる神の御業に関する教えであり、教理の言葉で言えば「救いについての教え」すなわち「救済論」と呼ばれるものです。そこでキリストの贖いの恵みを私たちにもたらしてくださる聖霊のお働きとして、第31問と第32問を通して「有効召命」という教えについて学びます。  
 第31問を読みましょう。「問:有効召命とは何ですか。答:有効召命とは、神の御霊のわざであって、それによって御霊は、わたしたちに自分の罪と悲惨を自覚させ、わたしたちの知性をキリストを知る知識で照らし、わたしたちの意志を新たにしてくださいます。こうして御霊は、福音においてわたしたちに無償で提供されているイエス・キリストを、受け入れるように説得し、それができるようにしてくださいます」。「有効召命」とはあまり聞き慣れない言葉ですが、その意味するところは私たちが信仰に導かれる経緯を思い起こせば、深く納得できるものです。第29問が教えるように、私たちが自分の罪と悲惨とを自覚し、キリストを知る思いに導かれ、この主イエス・キリストを信じ、従っていこうとする決断に至るすべての道筋が聖霊の神の招きと導き、そして具体的な促しによることであり、しかもそれらが決して無駄に終わることがないという確かな導きであることを指しているのです。
 ヨハネ6章44節、45節で主イエス・キリストはこう言われました。「わたしを遣わされた父が引き寄せてくださらなければ、だれもわたしのもとに来ることはできません。わたしはその人を終わりの日によみがえらせます。預言者たちの書に、『彼らはみな、神によって教えられる』と書かれています。父から聞いて学んだ者はみな、わたしのもとに来ます」。このように、私たちが主イエス・キリストのもとに導かれることができるのは、父なる神が私たちを召し、その召しを聖霊の神が私たちひとりひとりのもとに、確実に、そしてそれぞれに相応しい仕方でもたらしてくださるからにほかならないのです。これに先立つ6章37節で主は言われました。「父がわたしに与えてくださる者はみな、わたしのもとに来ます。そして、わたしのもとに来る者を、わたしは決して外に追い出したりはしません」。この主イエスのお約束の確かさを保証してくださるのが、聖霊の神による有効召命の御業であって、聖霊は私たちの内に働いて、この召しに答える信仰を与えてくださるのです。

A無償で提供されているイエス・キリスト
 この神のみこころは、恵みにあふれたよきみこころです。先の第31問の答えで「福音においてわたしたちに無償で提供されているイエス・キリスト」とあります。他の訳では「一方的に提供されるイエス・キリスト」となっていますが、元々の「free」には「一方的」という意味はなく、「無償で」というのが相応しい訳語でしょう。私たちもしばしば主イエス・キリストの恵みを「一方的」と表現します。しかし実際には救いの恵みは「一方的」ではありません。神の恵みはそれを受け取った者たちのうちに、恩義と感謝の思いを生じさせ、神への応答が生まれるものです。他方、この無償の恵みの価値が分からなければ、私たちの神への服従も奉仕も義務感や重荷となってしまうでしょう。
 主イエス・キリストの救いへの招きは私たちに無償で提供されるのであり、しかもそれが無償で提供されるために、その背後に主イエス・キリストのいのちという多大な代償が払われていたことを忘れてはならないでしょう。

B召される人への恵み
 続く第32問では、救いに召される人たちに与えられる恵みがいかなるものであるかについて教えられます。「問:有効に召される人は、この世において、どのような恩恵にあずかるのですか。答:有効に召される人は、この世において、義認、子とすること、聖化、さらにこの世において、それらに伴い、あるいはそれらから生じるさまざまな恩恵にあずかります」。
 ここで小教理問答が「義認、子とすること、聖化、さらにこの世において、それらに伴い、あるいはそれらから生じるさまざまな恩恵」と教えるように、聖霊が有効に適用してくださるキリストの贖いの御業は、私たちの「救いの全体」と「生の全体」に及ぶものであることが分かります。この「救いの全体」の内容である「義認」、「子とすること」、「聖化」、「それらから生じる恩恵」については、続く第33問で「義認」、第34問で「子とすること」、第35問で「聖化」についての教えが論じられ、「それらから生じる恩恵」ということでいえば、救いにあずかった者がこの世で受ける祝福については第36問で、死の時に受ける祝福については第37問で、そして復活の時に受ける祝福については第38問で教えられていきます。聖霊の有効召命によってキリストの贖いへと召され、キリストと結び合わされた私たちに与えられる祝福がどれほど大きくまた広く、包括的なものであるかが分かってくるのではないでしょうか。主イエス・キリストの救いにあずかるとは、私たちの生と死の全体を貫く、人生丸ごとの祝福なのであって、これほどの確かな恵みはないのです。

 

 



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