祈祷会
ウエストミンスター小教理問答講解20

 「いまだかつて神を見た者はいない。父のふところにおられるひとり子の神が、神を説き明かされたのである。」(ヨハネ1:18)

(1)あがない主キリストの預言者職
 先の第23問で、あがない主キリストの果たされる職務が、預言者、祭司、王の三重の職務であることを学びました。そこで今回からはその職務の一つ一つについて考えることにします。まず第24問を読みましょう。「問:キリストは、どのようにして預言者職を果たされますか。答:キリストが預言者職を果たされるのは、御自身の御言葉と御霊において、私たちの救いのために神の御意志を私たちに啓示してくださることにおいてです」。聖書が語る「預言」とは、ふだん人々が考えるような「予言」のことではありません。「予言」というと、もっぱらまだ起こっていない未来のことを予め言い当てる言葉を意味することが多いのですが、聖書の言う「預言」とは、その字が表すごとく、主なる神から預かった言葉を神に代わって人々に伝える言葉をあらわしています。そこではもちろん未来の言葉も含まれますが、多くの場合には同時代に対する神の御心を伝えることが多いのです。聖書における預言の意味をよく表す御言葉として、旧約聖書のアモス3章7節、8節には次のように記されています。「まことに、神である主は、そのはかりごとを、ご自分のしもべ、預言者たちに示さないでは、何事もなさらない。獅子がほえる。だれが恐れないだろう。神である主が語られる。だれが預言しないでいられよう」。このように、神の御心を民に伝えるために立てられたのが預言者の職務なのです。
 このようにして預言者を通して主なる神が御自身の御心を明らかに示されることを、小教理問答は「啓示」と言っています。「啓示」とは隠されたものがあらわにされることを意味する言葉で、同じ言葉がヨハネ黙示録では「黙示」と訳されて用いられています。いずれにしてもこの言葉の意味するところは、神は御自身の御心を私たちに明らかにしてくださり、預言者を通して私たちに示してくださるお方であり、まさしく主なる神は「啓示の神」であられるということです。そしてさらにこの神の御心を私たちに余すところなく、完全に明らかにしてくださるまことの預言者、それがあがない主なるイエス・キリストであられるのです。

(2)御言葉と御霊において
 さらに小教理問答は、主イエス・キリストの預言者職は「御自身の御言葉と御霊において」果たされると教えています。これを今日の教会の営みに重ねて言えば、聖書とその説き明かしとしての説教、これらを用いて働いてくださる聖霊の神の御業ということができるでしょう。御言葉と聖霊の神のお働きについて、いくつかの聖書の御言葉で確認しておきたいと思います。まずマタイ10章20節。「というのは、話すのはあなたがたではなく、あなたがたのうちにあって話されるあなたがたの父の御霊だからです」。次にヨハネ14章26節。「しかし、助け主、すなわち父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊は、あなたがたにすべてのことを教え、また、わたしがあなたに話したすべてのことを思い起こさせてくださいます」。このように主は御自身の御心を聖霊の助けによって私たちのうちにに明らかにしてくださるお方です。主日礼拝で、聖書朗読と説教の前に司会者による祈りがささげられますが、この祈りは伝統的に「聖霊の照明を求める祈り」と呼ばれます。聖霊が私たちの心を照らして御心を明らかに示してくださるように、との祈りは、まさに御言葉が語られるときに、聖霊がともに働いてくださって、私たちに主なる神の御心を教えてくださいと切に求める祈りなのです。
 このように神の語りかけは今日も聖霊の働きによって続いているのですが、それは聖書がこれを説き明かす務めに召された人々、すなわち神の言葉の説教者によって説き明かされる説教によってなのです。パウロがIテサロニケ2章13節で次のように語っているとおりです。「こういうわけで、私たちとしてもまた、絶えず神に感謝しています。あなたがたは、私たちから神の使信のことばを受けたとき、それを人間のことばとしてではなく、事実どおりに神のことばとして受け入れてくれたからです。この神のことばは、信じているあなたがたのうちに働いているのです」。

(3)神の救いの御心を
 それでは最後に、父なる神が御子イエス・キリストの預言者職を通し、聖霊によって私たちに啓示してくださる御自身の御心とは何でしょうか。小教理問答は「キリストが預言者職を果たされるのは、御自身の御言葉と御霊において、私たちの救いのために神の御意志を私たちに啓示してくださることにおいてです」と述べて、「私たちの救いのため」の「神の御意志」と言っています。預言者なるイエス・キリストが主なる神の御意志として私たちに語り、聖霊がそれを明らかに示していてくださる啓示の御言葉の中心、それは「私たちの救い」であるというのです。この大切な真理を明らかにする重要な御言葉がヨハネ福音書20章31節です。「しかし、これらのことが書かれたのは、イエスが神の子キリストであることを、あなたがたが信じるため、また、あなたがたが信じて、イエスの御名によっていのちを得るためである」。
 ここには、預言者なる主イエス・キリストが私たちに伝えたいと願っておられる最も大切なメッセージは何か、私たちが聖霊の助けをいただいて聖書から聴き取るべき最も大切なメッセージは何かが明らかにされています。私たちはしばしば聖書が明らかにしていない事柄に心を奪われ、あれこれと詮索し、興味を膨らませたり、不安を駆り立てたりしてしまいがちですが、むしろ私たちは聖書がはっきりと語っている神の御心に聴くべきであり、御子イエス・キリストが預言者として、聖霊を通し、説教者を用いてお語りくださる神の救いの御心を受け取り、それに従うべきなのです。そこにおいてあがない主イエス・キリストの預言者の務めは十分に果たされたと言うことができるのです。

 

 



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