祈祷会
ウエストミンスター小教理問答講解9

「ああ、神の知恵と知識との富は、何と底知れず深いことでしょう。そのさばきは、何と知り尽くしがたく、その道は、何と測り知りがたいことでしょう。」(ローマ11:33)

(1)聖定の実行
 第8問を読みます。「問8:神はその聖定を、どのように実行されますか。答:神が聖定を実行されるのは、創造と摂理の御業においてです」。前回は神のこの世界と私たちに対する確かな働きかけとしての聖定ということについて学びました。今日の第8問では、この神の聖定が私たちの世界においてどのように実行されていくのかを教えています。その際に小教理問答は「創造と摂理」ということを挙げています。神がこの世界を創造され、それを今も保ち、統べ治めておられる。このことの中に三位一体の神の熟慮による永遠の決意に基づいた確かな御心が実現しているというのです。ここで前回学んだ聖定ということについてもう少し説明しておきたいと思います。聖定とは、神が私たちに対して持っていてくださる永遠の御意志であると第7問は言いました。神と世界との間に、この神の御意志が働いていると信じるところに私たちの信仰の大切な確信があります。神を信じる私たちにとって、この世界に起こることは時に神の御心への疑いを生んだり、躓きを引き起こすことがあり得るでしょう。神がおられるのになぜこんなことが起こるのか。いったい神はどんなおつもりでこのようなことが起こることを黙認されるのか。そのような思いを抱くことがあるのです。その場合に、神と世界との関わりをどのように捕らえたらよいのかということが問題となるでしょう。神と世界を直結させると分からなくなってしまうことがたくさんあるのであって、そのような時に神の聖定を信じる信仰が、私たちにとって大きな慰めとなり、励ましとなるのです。ここで神御自身の御意志と聖定との関係、聖定と世界におけるその実行ということを考えることが有益です。ここは極めて微妙な信仰のバランス感覚が求められるところですが、それだけに私たちの日々の現実において切なる問題でもあるのです。
 このことをまとめると次のように言うことができるでしょう。「神と聖定との関係は自由であり、聖定と世界との関係は必然である」。神がお考えになり、お決めになることは、神がそうしなければならない必然があるのでそうされるということではなく、あくまでも神の主権的な自由に基づくことです。聖定のほうから神を「こうしなければならない」と縛ることはあり得ません。罪や悪の問題を考えるならばこのことがよく分かるでしょう。この世界に現実に罪や悪があるからといって、神がそれらを定められたということはできないことです。その一方で、聖定と世界との関係は必然的です。この地上におこる現実は神の聖定に基づくのであって、その外にあることはあり得ないことです。この二つの相矛盾するような神と世界との関わりの微妙なバランスを取る役目を果たすのが聖定の教えということです。私たちが日々この世界において経験する事柄、そこにある不合理に思えること、悪や悲惨の問題などをすぐに神と直結させるのではなく、そこに私たちには測り知れない神の深い御心があり、今は知らずとも後に明らかになる神の最善があるのだと信じることに、聖定の教えの大切なこころがあるのです。 

(2)聖定、創造、摂理
 以上のことを踏まえて神の聖定の実行の手段である「創造と摂理」ということについて考えておきたいと思います。神の聖定とその実行である創造と摂理の関係を、ある人が次のようなたとえを使って説明しています。それはある人が家を建てる時の設計図を書く段階、次にその設計図に基づいて実際に家を建てる段階、さらに出来上がった家を保つために掃除をしたり、草取りをしたり、修理をしたりという維持管理の段階のようなものだというのです。私たちが家の設計をしようと思うなら、そこでは自由な発想のもとで様々なアイデアが練られ、その一つ一つが慎重に吟味され、熟慮され、事細かな一つ一つに至るまで気を遣いながら設計図を記していきます。次に出来上がった設計図に基づいて、今度は実際に家を建てていくことになる訳ですが、その段階では設計図に従って忠実に工事が進められなければなりません。設計図通りでなければ、途中で間尺が合わなくなったり、基礎が歪んだり、様々な欠陥が生じてしまって、せっかく素晴らしい設計図が描かれても、実際の完成した家は当初に願ったものとはほど遠いものとなってしまうでしょう。設計図に記された計画がその通りに実現することによって家は最初の願ったかたちに完成するのです。こうして完成した家ですが、今度はその家で生活をしながら必要に応じてその家のメンテナンスが必要になるでしょう。掃除をしたり、庭先の手入れをしたり、ペンキを塗ったり、そういう手入れを日常的に行うことによって家は快適に長持ちして、私たちにとって過ごしやすい場所となっていくのです。
 このたとえで言い表されているように、神がこの世界と私たちに対する最も確かで、最も良い設計図を書いてくださり、その設計に従って実際に世界が創造され、そしてその世界に対して今も神が生ける御手をもって保持と統治の業をおこない続けていてくださる。これが第8問が聖定は創造と摂理によって実行されると記すところの意味であると言えるでしょう。このように造られた世界の現実からさかのぼって、この世界で起こるあらゆる事柄が決して偶然の産物ではなく、すべてが神の御手の中にあること、しかもそれが神の永遠の熟慮に基づいた最善のご計画であり、それを通して神は御自身の栄光をあらわしてくださること、その確かな御手に支えられて今日の私たちの生があること。このことの恵みを深く心に刻んでおきたいと思います。

 



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