テモテへの手紙一講解その10   2019/01/06
『執事の務め』

Iテモテ3:8-13

 新しい年がスタートして最初の主日がここまで守られていることを感謝します。今年も朝に夕に主を礼拝する歩みを続けてまいりましょう。今晩もテモテへの手紙第一に記された御言葉にご一緒に聴いてまいります。

(1)執事の務め
 3章に入って、教会に与えられている職務についての教えが語られます。前回の1節から7節で「監督の務め」について教えられたのに続いて、今日の8節からは「執事の職」についての教えが語られます。8節から10節。「同じように執事たちも、品位があり、二枚舌を使わず、大酒飲みでなく、不正な利を求めず、きよい良心をもって、信仰の奥義を保っている人でなければなりません。この人たちも、まず審査を受けさせなさい。そして、非難される点がなければ、執事として仕えさせなさい」。
 教会における「執事」の務めの始まりは、使徒の働き6章にある、食卓のことに仕える務めに見ることができます。「執事」と訳される「ディアコノス」という言葉は、「仕えること」、「奉仕」を意味する「ディアコニア」から生まれた言葉で、「しもべ」、「奉仕者」、「仕え人」を指しています。ピリピ書1章1節に「ピリピにいる、キリスト・イエスにあるすべての聖徒たち、ならびに監督と執事へ」とあるように、初代教会のかなり早い段階で、監督や長老の務めとともに教会の職務として確立し、定着していたと思われます。その主な働きは教会を支えるための献金の管理や食事の世話、貧しい者への配慮などを含む、教会の具体的な奉仕に関するものでした。執事の務めに就く人に求められる資質として挙げられているのは、「品位があること」、「二枚舌を使わないこと」、「大酒飲みでないこと」、「不正な利を求めないこと」、「きよい良心をもって、信仰の奥義を保っていること」です。中でも執事の職は献金の管理に関わる奉仕ゆえに「不正な利を求めない」ことに言及されている点が特徴と言えるでしょう。
 また「この人たちも、まず審査を受けさせなさい。そして、非難される点がなければ、執事として仕えさせなさい」と言われる点にも目が留まります。使徒6章に記される最初の執事選出の際に、「あなたがたの中から、御霊と知恵とに満ちた、評判の良い人たちを七人選びなさい」との審査基準に基づく選出がなされたように、教会は神の務めに召された人を「審査する」というプロセスを大切にしました。今日でも教会の仕え人が立てられるためには客観的な審査の基準が尊重されます。私たちの教会でも今年2月の教会総会では役員改選が行われますが、そこでも教会規則23条2にある「役員は、健全な信仰を持ち、生活に恥じるところなく、健全な判断力と謙遜な姿勢を持ち、言葉と行いとにおいて群れんの模範とならなければならない」という点が重んじられなければならないでしょう。

(2)女性の執事
 続く11節では女性の執事について教えられます。「この奉仕に就く女の人も同じように、品位があり、人を中傷する者でなく、自分を制し、すべてに忠実な人でなければなりません」。「この奉仕に就く女の人」と訳される言葉は、原語では「女性、婦人、妻」を意味する言葉があるだけで「女性の執事」のことか、あるいは「執事の妻」のことか解釈が分かれる箇所です。私自身は当時の初代教会の姿から見るに、当然、女性の執事たちがいたと考える方が自然であり、ここも「執事の妻」よりも「女性の執事」を指していると考えるのが相応しいと思います。
 とにかく、当時の社会や教会における女性の地位は低く、パウロ自身の女性観も当時の女性理解の影響を免れなかったと言えますが、それでも初代教会における女性の存在とその担っていた務めは決定的に重要でした。使徒の働きに登場する紫布商人リディアやプリスキラなどの姿がそれらを物語っています。彼女たちの貢献なしには、初代教会の形成はあり得なかったと言っても過言ではないでしょう。
 
(3)神の家の形成と成長
 最後に12節、13節。「執事は一人の妻の夫であって、子どもと家庭をよく治める人でなければなりません。執事として立派に仕えた人は、良い地歩を占め、また、キリスト・イエスを信じる信仰について、強い確信を持つことができるのです」。パウロはもう一度執事の資質について二つの点を確認します。一つは「一人の妻の夫であること」、いま一つは「子どもと家庭をよく治めること」です。家庭の形成が教会の形成と本質において結びついていることがよく現れた書き方です。神の家族、神の家としての教会の姿がここに示されているのです。
 そしてこれらの務めに就く者たちに与えられる祝福が「良い地歩を占め、また、キリスト・イエスを信じる信仰について、強い確信を持つことができるのです」と教えられています。教会の役員の皆さんが担ってくださる奉仕は重く、大きなものです。今も2月の総会のための準備が続けられています。主と教会のためにこれらの重荷を担ってくださる兄弟姉妹たちに感謝し、主からの労いと報いが豊かにあるようにと祈らないではおれません。しかもその報いは、人間的なものではまったく無に等しいものです。しかし主が与えてくださる祝福はそれ以上のものだとパウロは言っているのでしょう。「良い地歩を占める」とは社会的な地位や名誉とは無縁であっても、しかし神の教会においては大切な信仰の存在感であり、また信仰の強い確信だというのです。教会に仕えるしもべとしての奉仕が、神の家の形成と成長に繋がり、しかもそれが自らの信仰の糧となっていく。そのような恵みを覚えつつ歩むお互いでありたいと願います。

 

 



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