テモテへの手紙一講解その6   2018/10/14
『願い、祈り、とりなし、感謝』

Iテモテ2:1-3

 今晩からテモテへの手紙一の2章に入ります。今晩も主がお語りくださる御言葉を受け取って、新たな一週へと歩み出してまいりましょう。

(1)とりなしの祈り
 今、私たちの教会の中に、クリスマス礼拝での洗礼式を目指して、受洗準備会を重ねている方々がおられます。受洗準備会は、洗礼とは意味と目的、教団の信仰告白による信仰の確認、そして実際の信仰の生活について個人の生活、教会の生活の両面から学び、その後、洗礼に際しての誓約事項、私たちの教会のこころざしを学ぶ、という内容になっています。ちょうど先週、ある方との準備会で信仰の営みにおける「祈りの生活」の大切さを学びました。祈りとは何か、何を祈るのか、どのようにして祈るのか。様々に学ぶときとなりました。その中で特に、教会の祈りの重要な要素に「とりなし」があるということを学びました。自分以外の他者のためにとりなし祈ること。大切なことです。
 パウロはテモテに対して祈りの勧めを与えています。1節。「そこで、私は何よりもまず勧めます。すべての人のために、王たちと高い地位にあるすべての人のために願い、祈り、とりなし、感謝をささげなさい」。「何よりもまず」とは、朝のローマ書でも学んだ「第一に」ということです。第一の祈り。それが「すべての人のために、王たちと高い地位にあるすべて人のために」祈るということでした。しかもただ単に「祈る」というだけでない。「願い、祈り、とりなし、感謝をささげなさい」と言葉が重ねられています。それだけ重要な祈りだということでしょう。教会の祭司としての役割を自覚させられる勧めです。当時のエペソ教会。内側には偽教師との戦いがあり、外側にはローマ帝国の圧迫がある。その中でともすれば現実逃避の祈り、彼岸の世界に逃げ込んでいきたくなるような祈りになりやすいところに、むしろこの世のためのとりなし手としての使命が自覚させられるのです。教会の祈りの射程の広さを思い知らされます。
 また、「すべての人」のための祈りの中で、とりわけ「王たちと高い地位にあるすべての人のために」と言われている点に注目しなければなりません。これは直接的には当時のローマ皇帝を頂点とし、当時のローマが統治する各地の属州にいる王や、そこに派遣されていた地方総督たちを指していると言われます。つまりこの時代、教会にとってはある意味で脅威であり、時には迫害者でさえあった俗権の支配者のために祈れというのです。私たちも週報に、この国のため、為政者のためと祈りの課題を上げて祈っています。それは教会に託された大事な祈りの使命なのです。
 3節には、このような祈りをささげることの理由が次のように記されています。「そのような祈りは、私たちの救い主である神の御前において良いことであり、喜ばれることです」。上に立つ権威のために祈り、願い、取りなし、感謝の祈りをささげる。それは彼らが神さまによって立てられた者であり、彼らの世俗の統治によって私たちの生活が保たれている、その中に神さまの恵みが十分に注がれていることを覚える祈りなのです。
 
(2)平安で落ち着いた生活を送るため
 王や為政者たちのための願い、祈り、としなし、感謝の祈りの理由を、さらに考えます。2節。「それは、私たちがいつも敬虔で品位を保ち、平安で落ち着いた生活を送るためです」。
この御言葉を一読すると、何かしら静寂主義の響きがします。この世とあまり摩擦を生まず、面倒なことに巻き込まれず、関わり合わず、ことさらに波風立てず、ただひっそりと信仰を守りながら生きていく姿を勧めているように感じる方があるかもしれません。
 しかし本当にそうなのでしょうか。この御言葉が言う「敬虔で品位を保ち、平安で落ち着いた生活」とは、そのような事なかれ主義の信仰生活を教えているのでしょうか。そうではないでしょう。「敬虔で品位を保ち、平安で落ち着いた生活」とは、その人にとっての一生が信仰の生涯として神さまの御前に全うされていくことでしょう。神さまに対する愛と恐れと信頼、そしてそのような生き様が、他の何ものによっても侵されない尊厳によって裏付けられている、そのような人生です。ですから教会が上に立つ権威のために祈るのは、敬虔と品位が積極的に保証されるためであるのです。
 しかし、ひとたびそこが侵害され始めるならば、教会は主の御名によって抵抗しなければなりません。そのような戦いを回避しての平安、そのような戦いを無視する静けさであってはならないのです。では、教会はどのように戦えばよいのでしょうか。それが3節が教える姿。「敬虔」、「品位」、「平安」「落ち着き」なのです。
 平和の時代にも迫害の中でも、浮き足立つことなく、当たり前のように主を賛美し、礼拝をささげ、神を神とすることを悠然と成し遂げていくことのできる、そこにこそ教会の姿は映し出されます。それは十字架に向かう苦しみの中で、しかし沈黙を守られ続けた主イエスの姿、獄中にあっても泰然として、天を仰いで祈り続けたパウロの姿、そして二千年の教会の歴史の中で、賛美し、祈りをささげつつ殉教の死を遂げていった多くの聖徒たちの姿を思い起こさせます。
 すべての人のために、とりわけ上に立つ者のためにとりなし祈る祭司でありつつ、また
どこまでも敬虔と品位をもって己が信仰生活を貫き通す、そのような骨太の信仰生活を全うさせていただきたいと願うものです。

 

 



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