テモテへの手紙一講解その5   2018/10/07
『立派に戦い抜くため』

Iテモテ1:18-20

 しばらく間が空きましたが、8月から学び始めたテモテへの手紙一の1章を今晩で読み終えることになります。今晩も主がお語りくださる御言葉を受け取って、新たな一週へと歩み出してまいりましょう。

(1)召命・信仰・良心
 18節。「私の子テモテよ。以前あなたについてなされた預言にしたがって、私はあなたにこの命令を委ねます。それは、あなたがあの預言によって、信仰と健全な良心を保ち、立派に戦い抜くためです」。パウロは先の12節から17節で、自分自身の救いと召命に関する証しを語ったのに続いて、再び「私の子テモテよ」と呼びかけると、3節から11節で取り上げていたこの手紙の当初の主題に戻って行きます「以前あなたについいてなされた預言に従って」というのは、おそらくテモテがエペソ教会の牧師として任じられた時の、テモテ自身の召命と、その召命のゆえに与えられた任職のことを指しているのだろうと思われます。その務めのゆえにパウロは「あなたにこの命令を委ねます」と語るのです。「この命令」とは、具体的には先の1節から4で語られていた課題、すなわち偽教師との戦いを立派に戦い抜くようにとの励ましの勧めでした。
 テモテがこの問題と正面から向き合い、勇気を持って立派に抜くために必要な事柄、それが自分自身の召命に立ち返り、それを確認すること、また信仰と健全な良心を保つということでした。「信仰と健全な良心」とは、1章5節の「きよい心と健全な良心」、3章9節の「きよい良心をもって信仰の奥義を保っている人」などでも使われる言葉ですが、それは、教会によって受け継がれてきた使徒的な信仰に裏付けられた信仰の現実、生き方を決めるもの、生活の原理のようなものと言ってよいでしょう。
 パウロは、テモテに戦いへの励ましを与えるにあたって、このような教会による召命、教会による信仰、教会による生活原理を示し、それによって勇敢に戦うことを教えているのです。聖書はクリスチャンがキリストの兵士であり、信仰生活が戦いの生活であることを語っています。しかも、この「立派に戦い抜く」という言葉は、直訳では「良き戦いを戦え」という意味です。「良き戦いを」です。つまりそこでは戦い方・戦いの質が問われているのです。ことは勝敗のみならず、どのように戦うか、なのです。

(2)立派に戦い抜くため
 19節、20節 「ある人たちは健全な良心を捨てて、信仰の破船にあいました。その中には、ヒメナイとアレクサンドロがいます。私は、神を冒?してはならないことを学ばせるため、彼らをサタンに引き渡しました」。この信仰の戦いの重要性を明らかにするため、ここにひとつの厳粛な出来事が報告されます。ヒメナイとアレクサンドロという二人の人物に対して、教会からの除名の戒規が執行されたことの報告です。この二人の人物についての詳細は不明ですが、いずれにせよ正統的な信仰から離れて偽りの教えについてしまった人物であったことに間違いありません。例えばヒメナイについては二テモテ2章16節から18節でも扱われています。
 パウロはそのような彼らを「信仰の破船にあった」、別の訳では「暗礁に乗り上げた」と表現し、目的地に辿り着く前にトラブルを起こして沈んでしまった船にたとえています。ここでの言葉は非常に厳しいものです。中でも「サタンに引き渡す」とは、教会からの除名を指していますが、それは救われる以前の状態にその魂を戻すことを意味しています。これは教会に委ねられた戒規の中でも最も重い意味を持つものです。しかしパウロが教会を通して敢えてこの戒規に踏み切ったのは、「神を汚してはならないことを、彼らに学ばせる」ためでありました。

(3)キリストの兵士として
 これまで、信仰者の戦い、教会の戦いは教会による召命、教会による信仰、教会による生活原理の規準に基づいたものであることを見てきました。そこから生み出されてくる信仰者の根本原理は「神を汚さない戦い」であり、すなわち「神の栄光のため」の戦いです。キリストの兵士が良き戦いを戦うとは、実に神の栄光を汚さないための戦いであり、かえって神の栄光をあらわすために戦いなのです。
 そうであるならば、キリストの兵士である私たちが、このような教会の信仰、教会の規準に立ち続けることは必要不可欠であるでしょう。実に、これらがなければ教会は戦うことができないのです。教会の戦い方は派手な立ち回りを演じることではありません。地道に御言葉が語られ続け、聞かれ続けていくこと、神であるお方が礼拝され、第一のことが第一とされていくこと、信仰者の歴史に聞き続け、日々信仰を告白し続けること、教会を御言葉と法によって秩序立てていくこと、そのような、実に当たり前の作業の繰り返しです。しかし私たちの確信はそこにこそキリストの兵士の、そしてキリストの教会の良き戦いを戦う戦い方があるということなのです。

 

 



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