テモテへの手紙一講解その2     2018/08/12
『愛が目標』

Iテモテ1:3-5

 平和主日の一日を過ごし、夕べにもう一度主の御前に集って、御言葉を聴き、礼拝をささげる恵みの時を感謝します。今晩もテモテへの御言葉から教えられてまいりましょう。

(1)テモテに託されたこと
 パウロから「信仰による真実のわが子」と呼ばれた伝道者テモテが奉仕するエペソ教会は、かつてパウロの伝道によって産み出された群れです。使徒20章には、彼がミレトの港でエペソ教会の長老たちに語った訣別説教が記されていますが、特に29節から32節ではこう語られています。「私が出発したあと、狂暴な狼があなたがたの中に入り込んで、群れを荒らし回ることを、私は知っています。あなたがた自身の中からも、いろいろな曲がったことを語って、弟子たちを自分たちのほうに引き込もうとする者たちが起こるでしょう。ですから、目をさましていなさい。私が三年の間、夜も昼も、涙とともにあなたがたひとりひとりを訓戒し続けて来たことを、思い出してください」。
 テモテがこの教会に赴任した事情は、まさにこのパウロの言葉の通りのことが教会内に起こっていたからでした。その事情と、この手紙の執筆目的が挨拶に続いて記されていきます。3節から4節前半。「私がマケドニヤに出発するとき、あなたにお願いしたように、あなたは、エペソにずっととどまっていて、ある人たちが違った教えを説いたり、果てしのない空想話と系図とに心を奪われたりしないように命じてください」。
 このように、パウロがテモテをエペソ教会の奉仕にとどまるようにと命じたのは、当時エペソ教会内で問題になっていた偽教師への対策を講じるためでした。テモテに託されたのは教会が信仰による神の救いのご計画の実現をもたらすものとなるということだったのです。ここで「ある人たち」と暗に示されている偽教師たちは、教会の中で公然と「違った教え」を説いていました。「違った教え」。それは「果てしのない空想話と系図」と言い換えられています。その具体的な中身については様々な推測がなされますが、恐らく旧約聖書に出てくる族長物語や古い系図についての様々な興味関心を引き立てる寓話や思弁的解釈を意味しており、しかもこれとの対比で、続く10節には「健全な教え」とありますから、人々の信仰の養いどころか、それとはまったく無縁な詮索やおしゃべりに没頭するようなことになっていたようです。

(2)違った教えに心奪われずに
 しかしパウロは言います。4節後半。「そのようなものは、議論を引き起こすだけで、信仰による神の救いのご計画の実現をもたらすものではありません」。また続く6節では「わき道にそれて無益な議論に走り」とも言っています。要するに「ある人たち」が説く「違った教え」は、確かに人々の興味関心を駆り立て、様々な議論を引き起こしているものの、その本質は「無益な議論」、「無駄な詮索」に過ぎないと一刀両断にしているのです。
 いつの時代にも人々の関心は、ともすると聖書に記されている明らかな真理にもの足らず、聖書に記されていない事柄への探求につながります。信仰とは無縁の議論は、実にむなしい作業です。しかし「神の救いの計画の実現」はエペソ1章にあるように、旧約から新約の時代の中で「ついに時が満ちて」すでに明らかにされています。私たちは聖書が語っていないところで立ち止まるわきまえと、聖書が語っている真理に満足し、それを知る努力とを怠ってはならないのです。 
 
(3)愛が目標
 そこでパウロは、この命令に込められた目標を次のように語ります。5節。「この命令は、きよい心と正しい良心と偽りのない信仰とから出て来る愛を、目標としています。」つまり一言で言うならば、健全な教えの目標とするところは「愛」であるということです。しかもその愛は「きよい心・正しい良心・偽りのない信仰」を根拠としています。ここで「重要な真理が示されます。その教えが「違った教え」か「健全な教え」であるかは、そこから主イエスに対する「愛」が生み出されてくるかによって判断されると言うことなのです。
 詰まるところ、彼らの目標は主イエスに対する愛ではなく、自分の名誉に過ぎませんでした。そして無益な議論に走り、聖書がわかったつもりで人々に教えはするものの、パウロに言わせてみれば「自分の言っていることも、また強く主張していることについても理解していません」、彼らは聖書読みの聖書知らずだというのです。
 キリストへの愛のないところに、聖書の真理は明らかになりません。なぜならそれは聖書自身が証言していることだからです。ヨハネ福音書20章31節がこう言っている通りです。「しかし、これらのことが書かれたのは、イエスが神の子キリストであることを、あなたがたが信じるため、また、あなたがたが信じて、イエスの御名によっていのちを得るためである」。
 今日も多くの異なる福音が教会を揺さぶっています。しかし私たちは、それらがキリストへの愛を目標としているかによって、その真偽を見分けなければなりません。聖書の目的は、神を知り、神を愛し、神をあがめる、キリストにあるいのちを得るためなのです。

 

 



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