使徒信条講解24
『公同の教会を信ず』

「イエスは彼らに言われた。『あなたがたは、わたしをだれだと言いますか。』シモン・ペテロが答えて言った。『あなたは、生ける神の御子キリストです。』するとイエスは、彼に答えて言われた。『バルヨナ・シモン。あなたは幸いです。このことをあなたに明らかに示したのは人間ではなく、天にいますわたしの父です。ではわたしもあなたに言います。あなたはペテロです。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てます。ハデスの門もそれには打ち勝てません。』」マタイ16章15−18節


(1)教会の公同性
 「われは聖なる公同の教会を信ず」と使徒信条が告白する時、そこでの「公同」とはいったい何を意味しているのでしょうか。「公同」という言葉は、「カトリック」の訳語ですが、そもそもは「普遍的」、「一般的」、「世界的」という意味の教会専門の言葉です。この言葉は新約聖書には登場しませんが、使徒たちに続く使徒教父の時代には、すでに教会の用語として用いられ始めていました。たとえばイグナティオスの第六書簡スミルナのキリスト者への手紙には「イエス・キリストがいましたもうところ、そこに公同教会がある」(同書8:2)と記されています。教会を「公同」と呼ぶところに、当時の信仰者たちが、新約の時代から教えられてきた教会についての教えを通して、教会がそれぞれの地域に建て上げられながら、それらが全体として一つであるという教会の公同的な性格についての理解を持ち合わせていたことが現れていると言えるでしょう。自分たちが一地方のローカルチャーチに属し、仕えていることが、同時に一つの普遍的、世界的な教会に属し、仕えていることであると信じていたのです。
教会の公同性とは、教会が「歴史的・時間的」にも「地理的・空間的」にも同一であることを意味しています。教会はいつの時代にあっても父なる神のもとにあって、キリストをかしらし、聖霊によって呼び集められ、建て上げられていく一つの群れであり、またどこにあっても国籍、文化、人種、社会的地位や経済的状況を越えて一つの群れなのです。従って、私たちは今、この21世紀の始まりにして、神の国の到来を待ち望む終わりの時代であるこの時に、日本という東の果ての、東京という一つの場所に身を置きつつ、同時に歴史の中を生き続けてきた代々の教会とともに、そしてまた今、全世界に広がる主の教会とともに「われは聖なる公同の教会を信ず」と告白することが許されており、またそう告白するようにと召されているのであります。

(2)主イエスの公同性、福音の公同性
 ではこの教会の公同性の根拠はいったいどこにあるのでしょうか。それは私たちの信仰告白的共同体としての普遍性にあると言えるでしょう。主イエス・キリストはペテロの「あなたこそ生ける神の子、主キリスト」との信仰告白を指して、「わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる」と言われました。イエスを主とする告白の上に立つ時、教会は時代の変遷や地理的な状況を突き抜けて一つの公同の教会として存在することができるのです。
 このことはしかし、教会が時代の中で懐古趣味に陥り、何の変化も遂げることの出来ないままに時代の遺産のように存在し続けることを意味してはいません。教会はこの地上にあって歴史を越えて進みつつ、神の国の完成を目指して、絶えず御言葉によって改革され続けていく生きた存在です。そしてその場合にも、やはり私たちは代々の教会の信仰の歩みにならい、その戦いから謙虚に学ぶ姿勢を失ってはなりません。伝統は形骸化に進む危険をいつもはらんでいますが、しかし伝統なき形成は、教会を時代の孤児にしてしまう恐れがあるのです。私たちは信仰の先達たちの歩んだ足跡に学びつつ、今、ここでの信仰の告白に責任を持って主体的に生きる者でありたいと願うのです。
 そもそも本質的には教会の公同性は福音信仰の持つ公同性、そして何よりも主イエス・キリストご自身の変わることのない確かさによってもたらされるものでありました。古代の教父の一人、レランのヴィンケンティウスは、福音信仰を「いつでも、どこでも、誰によっても信じられる信仰」と表現しました。ここに公同の教会の信じる福音の公同性が証しされているとも言えるのです。そして何よりも私たちが覚えたいのは、この福音の中核にある主イエス・キリストです。ヘブル書13章8節には次のようにあります。「イエス・キリストは、きのうもきょうも、いつまでも、同じです」。このいつまでも変わることのない主イエス・キリストが教会の頭でいます限り、そして教会がこの主イエス・キリストの福音に堅く立ち続け、この福音をいつでも、どこでも、誰によっても信じられる信仰として宣べ伝え続け、この福音の告白に生き続ける時、私たちは神の国を待ち望む神の民の集まりとして、この地に、今、この時代に生かされながら、公同の教会の一員として世界の中で、世界と共に、そして世界に向かって立っているのであります。この確信に堅く立って、「聖なる公同の教会を信ず」との告白をささげさせていただきたいと願います。




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