使徒信条講解22
『聖霊を信ず』

「こういうわけで、今は、キリスト・イエスにある者が罪に定められることは決してありません。なぜなら、キリスト・イエスにある、いのちの御霊の原理が、罪と死の原理から、あなたを解放したからです。」ローマ8:1-2


(1)聖霊の神の存在
 今回から使徒信条の第三項である聖霊なる神についての告白の部分に進みます。父なる神、子なるイエス・キリスト、そして聖霊なる神という、私たちの信じる三位一体の神への信仰を正しく言い表すことができるために、この三位一体の第三位格としての神なる聖霊について共に教えられたいと願います。
私たちの信仰生活において、父なる神を信じること、子なるイエス・キリストを信じることに比べて、聖霊なる神を信じることの理解はあまり意識されてはいないと言えるでしょう。しかし聖霊なる神を信じることは、私たちが父なる神、子なる神を信じ告白する上で実に重要な意味を持つ事柄です。そのようなわけで私たちはまず第一に、この方が御父や御子と同様に永遠の神であられる、ということを堅く信じなければならないのです。聖霊も御父や御子と同様に永遠の神であられるということ。この信仰は、実は教会の歴史を見てくるといつの時代にも自明のこととは言えず、むしろ聖霊は非人格的な神の霊的な力と理解されていたのです。しかしすでに新約聖書が明らかにしているように、また主イエスご自身が「約束された助け主」(ヨハネ14:16)と語られたように、聖霊は三位一体の第三位格としての神であられることは確かなことです。
 この点は、実は今日の私たちの信仰生活においても繰り返し確認しておきたい大切なポイントです。今日でも聖霊の信仰は、単なる「霊」に置き換えられて人間の霊やこの世の霊的力、時には悪しき霊とさえ混同されてしまうおそれがあります。言い換えれば定冠詞付きの大文字の「霊」から定冠詞のとれた小文字の「霊」に置き換えられてしまう危険性を孕んでいます。ですからヨハネも「愛する者たち。霊だからといって、みな信じてはいけません。それらの霊が神からのものかどうかを、ためしなさい。なぜなら、にせ預言者がたくさん世に出て来たからです」(Iヨハネ4:1)と警告しているのです。そしてその結果としてそこには多くの混乱が生じ、教会がその渦に巻き込まれることさえ起こっているのです。だからこそ私たちとしては、聖書が教え、教会が信じ続けてきた正しい道筋で、聖霊なる神を信じ告白することが求められていると言えるでしょう。この点で使徒信条と並んで代々の教会が告白してきたニカイア・コンスタンティノポリス信条は聖霊なる神について次のように言い表しています。「我らは主にして命を与える聖霊を信ず。聖霊は御父と御子とより出で、御父と御子とともに礼拝せられ、ともに栄光を帰せられ、預言者たちによりて語りたまえり」。ここでは一貫して聖霊を御父、御子と同等のものとして信じ、そして聖霊を主と告白しているのです。私たちもまた、このニカイアの線に沿って、聖霊を「主にして命を与える」お方と信じるものでありたいと思います。

(2)聖霊の神の働き
 さて、では聖霊なる神のお働きとはいったいどのようなものでしょうか。宗教改革者カルヴァンの記したジュネーヴ教会信仰問答には次のように言い表されています。「問89:この条項は私たちにどのような益をもたらしますか。答:神は御子において私たちを贖い、救われたように、聖霊によって私たちをこの贖いと救いにあずかる者としてくださることを知らせるのです。問90:それはどのようにしてですか。答:私たちがキリストの血によってきよめられるように、この血が聖霊によって私たちの心に注がれて、私たちの心が洗いきよめられることが必要なのです。問91:もっと明確な説明が必要です。答:私たちの心の中にいます聖霊は、キリストの御力をわれわれに感じさせます。なぜなら聖霊は私たちを照らして、キリストの恵みを知らせ、これを私たちの心に封印し、刻み続けて、これらを私たちの内に住まわせるからです。聖霊は私たちを再生させ、新たな被造物にし、かくして私たちはキリストにおいて私たちに贈られているすべての宝と賜物とを、聖霊によって受け取るのです」。
冒頭に記したローマ書8章においては、聖霊は「いのちの御霊」と呼ばれます。そして6章から7章にかけて論じられてきた罪と死の原理を打ち破る者としてこの御霊が私たちに新しいいのちを与えて、私たちをこの罪と死の原理から解放したというのです。さらに8章9節以下を見ると、このいのちの御霊は私たちの内に住んで働かれる「内住の御霊」であることがわかります。キリストが私たちの外にあって贖いの御業を成し遂げられたのに対応して、私たちの内に住みたもう御霊が、その贖いを私自身のものとさせてくださる。これが聖霊なる神の大いなる働きです。またこの聖霊は「真理の御霊」とも呼ばれ、御言葉と共に働いて、私たちに父なる神の救いのご計画とその御心を教え、御子を通して示されたその救いの真理を受け取らせてくださるのです。さらに聖霊は「慰め主」、「助け主」とも言われ、私たちをキリストにあるすべての恵みに与らせて、苦難の中にあっては慰め、危険の中にあっては助け主として絶えずともにいて下さるのです。このような聖霊の働きの密やかさ、絶えず前面に立つのでなく、助け手として働く在り方に注目しておきたいと思います。
 古くから教会は「来てください。造り主なる御霊よ」との賛美を捧げて来ました。創造の時、神の霊が人とこの被造世界を生かしたように、終末において、神の霊は人とこの世界を新たに神のものとして再創造してくださる。この希望に溢れて私たちもまた「我、聖霊なる神を信ず」との告白を御前にささげさせていただきたいと願います。




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