使徒信条講解01
『われ信ず』                               

「なぜなら、もしあなたの口でイエスを主と告白し、あなたの心で神はイエスを死者の中からよみがえらせてくださったと信じるなら、あなたは救われるからです。人は心に信じて義と認められ、口で告白して救われるのです。」ローマ10:9-10


 キリスト教信仰とは優れて告白的な信仰ですが、これは神が御言葉をもって御自身を私たちに示したもうこと(これを神の自己啓示と言います)と対応しています。すなわち神が言葉をもって御自身の人格と御業について語り聞かせてくださるので、私たちもこの神への信仰を言葉をもって言い表すことができるのです。神が御子イエス・キリストを通し、聖霊においてご自身を啓示してくださる御業と、私たちが聖霊において、御子イエス・キリストを通しての父なる神への信仰を告白するという、この相互の愛の交わりに基づいた豊かな営みを通して、私たちの信仰をますます生きたものとしていきたいと願っています。

(1)使徒信条の成り立ち
 私たちが主日の礼拝ごとに告白する使徒信条ですが、これは教会が長い歴史の中で自らの信仰を告白するために用いてきた数多くの信条の中でも最も中心的なものです。現在私たちが唱えているような形で出来上がったのは紀元六世紀から八世紀頃と言われていますが、その原型となる信仰告白文、古ローマ信条と呼ばれるものはさらにさかのぼって二世紀から三世紀、さらにそのまた原型となる「イエスは主である」という告白に至ってはすでに一世紀の後半には教会において洗礼の際に告白されていたと言われています。そのような歴史の中で、使徒信条の成立についても様々な言い伝えが残されているのですが、古い時代に最も有力な説明とされていたのが、使徒信条は十二使徒たちによって作られたという説でした。四世紀の教父ルフィヌスという人物は次のような説明をしました。かつて十二使徒たちがペンテコステによって聖霊を受けて世界宣教に派遣されるにあたり、福音宣教をする際の共通の理解となる「信仰の基準」(regula fidei)を定めることにしました。そこで十二人がおのおの聖霊の導きの中で信仰の言葉を持ち寄ってつづり合わせてみたところ、それが見事な信仰告白の言葉になったというものです。
 ルフィヌスは次のように記しています。「ペテロが『私は全能の父、天地の造り主なる神を信ずる』と言った。アンデレは『父の御子であり、唯一の主なるイエス・キリストを信ずる』と言った。ヤコブは『主は聖霊によって身ごもり、処女マリヤより産まれた』と言った。ヨハネは『ポンテオ・ピラトのもとで苦しみを受け、十字架にかけられ、葬られた』と言った。トマスは『陰府に下り三日目に死から甦り』と言った。ヤコブは『天に昇られ全能の父なる神の右に座し給う』と言った。ピリポは『かしこより来たりて生ける者と死する者とを正しく裁き給う』と言った。バルトロマイは『私は聖霊を信ずる』と言った。マタイは『聖なる公同の教会、聖徒の交わり』と言った。マッテヤは『永遠の生命』と言った」。
 このような言い伝えが教会の中で語られてきた背景には、私たちの信仰が何か思いつきの人間的な思惑ではなく、聖書が証しし、使徒たちによって告白された公同的な信仰であるという古代の信仰者たちの堅い確信がありました。私たちはその信仰の先達たちの心をしっかりと受け取りながら、この信仰の言葉を「今、ここ」において言い表していきたいと思うのです。

(2)われ信ず
 この古い古い信仰告白の言葉を、では今日の私たちがこの口をもって告白することの意味はいったいどこにあるのでしょうか。私たちがこの公同的で使徒的な信仰告白の言葉を口にすることの第一の意味は、私たちが聖書の教えるように心で信じた事柄を「口で告白する」ことを通して公にすることを意味しており、それをもって自らが主イエス・キリストのものであることの事実を、その存在そのものをもって証ししているということです。信仰は心の奥底に隠しておく秘め事ではなく、至る所で口にされ、言い表され、公にされるべき事柄です。ここに神の啓示と信仰の告白の対応関係があるのです。
 第二の意味は、使徒信条を告白することで私たちが世界中の教会に連なっていることを証ししていると言うことです。今日、教会は数多くのグループに分かたれていますが、本来教会が一つとなるためには信仰告白的な一致がなければなりません。その意味で、私たちを一つに集めるもっとも力強い信仰の絆がこの使徒信条であると言えるのです。
 第三の意味は、このような同時代の空間的に広がる教会の一致のみならず、私たちが歴史の中で歩み続けてきた代々の教会ともその信仰において一致していることを証ししているということです。
 教会は真空状態の中に突如として生まれたものではなく、二千年という時の刻みの中で、具体的な時間と場所の中で、生きたひとり一人の信仰者たちによって形作られてきた有機的で歴史的な存在です。そのことをわきまえ知る時に、私たちは使徒信条を告白することを通して代々の教会の信仰に連なり、代々の聖徒達の信仰の言葉に自らの言葉を重ねあわせることができるのです。
 私たちが今ここでこの信仰告白を口にする時、私たちは世界中の主の民と御霊によって結ばれてあり、また代々の教会の歩みに自らの歩みを寄り添わせているのであり、そこから聖霊によって導かれ、この終末の時代を生きていく生きた教会の歩みは始まっていくのです。このことの恵みを覚えつつ、大いなる主の民の拡がりの中で、私たちの信仰を堅く建て上げて行きたいと切に願うものであります。




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