聖霊降臨節記念朝拝    2019/06/09
『神のことばに生きる教会』

使徒の働き6:7、9:31

 聖霊降臨節、ペンテコステの主の日を迎えました。この日、助け主、慰め主そして何よりも、教会を福音の宣教に生かすいのちの主なる聖霊の神が天から降った喜びの日です。ペンテコステの日、聖霊に満たされた弟子たちが大胆に福音を語り、それを聴いた人々は心刺され、悔い改めて、御言葉を受け入れます。そして実に三千人ほどの人々が主の弟子に加えられ、ここに地上で最初のキリストの教会が誕生しました。
 この礼拝において、主の教会に新しいメンバーが加えられようとしています。昨年のクリスマス、今年のイースターに続き、このペンテコステにおいても洗礼式を執り行うことができるのは教会にとっての何よりの喜びです。この朝、主にある喜びの中で、ともに神のことばに生きる教会の姿を、御言葉から教えられてまいりましょう。お一人一人の上に主の豊かな祝福がありますように。

(1)みことばの拡大、教会の前進
 この朝、使徒の働きに記された二つの御言葉が開かれています。一つ目は6章7節。「こうして、神のことばはますます広まっていき、エルサレムで弟子の数が非常に増えていった。また、祭司たちが大勢、次々と信仰に入った」。いま一つは9章31節です。「こうして、教会はユダヤ、ガリラヤ、サマリアの全地にわたり築き上げられて平安を得た。主を恐れ、聖霊に励まされて前進し続け、信者の数が増えていった」。
 聖書を読んでいきますと、伝道は神の主権によってなされ、魂の救いはイエス・キリストが成し遂げ、聖霊が起こしてくださる恵みのわざだということをひしひしと感じます。今日もこのあと洗礼式が執り行われますが、まさに父、子、聖霊の三位一体の神さまが人をお救いになるのだということを実感するのです。そしてそこで御言葉とともに働かれる聖霊が、今も教会を生かし、教会を用いて、神の救いのご計画を前進させ、神の国を進展させていてくださるという事実を覚えさせられるのです。
 今日、与えられている御言葉は、まさにこの恵みの事実を私たちにハッキリと教えています。そこで注目したいのが6章7節の「こうして、神のことばは」と、9章31節の「こうして、教会は」という表現です。これは使徒の働きの中で大きな玉がごろりごろりと転がるように使徒たちの宣教の進展を描く言葉です。「こうして〜は」という表現は五カ所出てきます。一つ目が6章7節の「こうして神のことばは」、二つ目が9章31節の「こうして教会は」、三つ目は12章24節で「神のことばはますます盛んになり、広まっていった」、四つ目は16章5節で「こうして諸教会は信仰を強められ、人数も日ごとに増えていった」、そして五つ目が19章20節で「こうして、主のことばは力強く広まり、勢いを得ていった」、つまりここでは「神のことば」と「教会」と言う言葉が互い違いに出て来るのです。こうして使徒の働きの著者ルカは、神のことばの進展が教会の進展であり、教会の進展とは神のことばの進展なのだということを私たちに繰り返し教えているのです。

(2)「こうして、神のことばは」
 そこでまず考えたいのは、「こうして」とは一体どうしてなのか。どういう経緯で、どういう理由で今日の御言葉にあるような祝福が教会にもたらされたのでしょうか。「こうして」というぐらいですから、その理由はその前の記述の中にあると考えるのが自然ですが、6章の前の3章から5章で起こったことと言えば、「美しの門」での癒やしの出来事を発端に起こったペテロとヨハネの逮捕と尋問、またアナニアとサッピラ夫妻の財産隠しとそれへの裁きという事件でした。また6章の後、9章までの間に起こったことは、7章でのステパノの殉教、8章でのエルサレム教会への迫害、ピリポのサマリア宣教に代表される散らされた人々による宣教、そして9章に記される教会最大の迫害者サウロの回心物語でした。そこには個別の教会の姿を見つめれば、「こうして」に繋がるようなプラスな理由は見当たりません。むしろ困難なこと、つらいこと、痛みを伴うような出来事が続いています。
 しかしそのような個別の教会の状況を踏まえつつも、それを超えて神のご計画が前進しているということを聖書は語るのです。そしてそのように教会を動かす原動力にあるのが「こうして、神のことばは」ということなのです。すなわちイスラエルの選びから始まって主イエス・キリストの来臨、十字架と復活、昇天と聖霊の派遣、教会の誕生と教会による異邦人を含めた全世界への福音宣教へと続く神の国の進展という大きな視野の中での「こうして、神のことばは」、「こうして、教会は」ということなのです。そこでこの二つの御言葉から、祝福された教会の姿を学んでおきたいと思います。まず6章7節。「こうして、神のことばはますます広まっていき、エルサレムで弟子の数が非常に増えていった。また、祭司たちが大勢、次々と信仰に入った」。ここには私たちの福音宣教に対する励ましと約束が示されています。「神のことばはますます広まっていき」と、主語は「神のことば」なのです。教会は神のことばを語り続け、神のことばを聴き続ける。牧師は「神のことばの仕え人」として、皆さんに神のことばを説き明かすために建てられています。先ほど7節の「こうして」の前にあったエルサレム教会の様子を見ましたが、ペテロ、ヨハネの逮捕、アナニア、サッピラの事件だけでない、もう一つの出来事が6章1節から6節に記されています。すなわちエルサレム教会に「御霊と知恵に満ちた評判の良い人たち七人」が選ばれて、役員の務めに任じられるという出来事です。これによって使徒たちは「祈りとみことばの奉仕に専念」することになるのです。
 今日の午後に新会堂のための臨時総会が開かれますが、先月の懇談会の時に、今回の一階部分増床プランのポイントの一つが、事務室・会計室を設けることだと説明されました。その時にきちんとお話できなかったのですが、教会が今後前進していくためには、牧師がみことばと祈りの奉仕に専念できる態勢を作ることが必要だということです。教会の事務的な働きを担う奉仕者が建てられ、牧師は極力、事務的な働きから手を離して、本来のみことばの奉仕、祈りの奉仕、牧会の奉仕に専念できる態勢を整えていく。そのことを見据えたプランなのです。また、皆さんお一人一人は神のことばを生活の中で響かせるアンプのようにして遣わされたところで生きていく。その時に神のことばはますます広がっていくでしょう。教会に託されたいのちのことば、救いのことば、この神のことばに仕えていく私たちでありたいと願います。
(3)こうして、教会は
 次に9章31節。「こうして、教会はユダヤ、ガリラヤ、サマリアの全地にわたって築き上げられて平安を得た」。ここにある三つの地名は、意味なく並べられているわけではありません。ユダヤ、ガリラヤ、サマリヤで一つの教会であり、この教会は平安を得たと言われる。そこでは、歴史的、地理的な経緯が生み出してきた様々な経済的格差や民族的対立などが乗り越えられていたことが示唆されています。時に「ナザレから何の良きものが出るか」と蔑まれ、「彼はガリラヤ人ではないか」と軽んじられるような「ガリラヤ」も、ユダヤ人から長年にわたって蔑視され続け、それによって抜き差しならぬ確執との中に敵対関係の中にあった「サマリヤ」も、自分たちこそ本家本元というプライドや優越感が絶えず付きまとっていた「ユダヤ」も、そういった様々な敵意、差別、格差の壁や違いを超えてキリストにあって平安を得た。これからの教会のあり方を先取りするような姿に、教会の祝福の姿を見ることができるでしょう。
 昨年のこの時期、私たち夫婦はケンタッキー州ルイヴィルでの日本人集会のリトリートで奉仕する機会を与えられました。そこで奉仕する佐藤牧師と様々に語り合う中で教えられたのは、アメリカでも日本でも、生き生きと成長している教会の特徴は、多国籍、多文化であるということでした。世界の中に分断が進み、隔ての壁が見える仕方で、見えない仕方で様々に張り巡らされつつある今日、このことは私たちの教会にとっても大きなチャレンジであると思います。パウロはエペソ2章19節以下でこう言います。「あなたがたは、もはや他国人でも寄留者でもなく、今は聖徒たちと同じ国民であり、神の家族なのです。あなたがたは使徒と預言者という土台の上に建てられており、キリスト・イエスご自身がその礎石です。この方にあって、組み合わされた建物の全体が成長し、主にある聖なる宮となるのであり、このキリストにあって、あなたがたもともに建てられ、御霊によって神の御住まいとなるのです」。神の家族としての共同体の姿を証ししていく、それが教会の祝福につながっていくと信じます。
 
(3)主を恐れ、聖霊に励まされて前進し続け
 このように教会が歩み続ける時に、その結果として記されるのが「信者の数が増えていった」という御言葉です。そこでのポイントは、教会が「主を恐れ、聖霊に励まされて前進し続け」ていった結果としてもたらされた祝福であるという事実です。忠実に御言葉に聴き従い、主を恐れて礼拝し、御言葉を宣べ伝え、聖霊によって励まされ、自由と喜びに溢れて前進し続けていくならば、そこに主の祝福があふれていくことを私たちは信じ、期待することができるでしょう。新会堂、確かに大事業です。しかし120名の礼拝堂は決して大きくはない。主の祝福にあずかっていくならば、すぐに席が足らなくなるということもあるでしょう。恐れや不安よりも、期待と楽しみをもって進んで行きたいと思います。
 「我らは唯一にして聖なる公同の使徒的教会を信ず」。これが私たちの信仰、私たちの教会の信仰です。この告白に固く立って、平安を保ち、愛のうちに築き上げられ、主を恐れ、聖霊によって励まされつつ、一歩一歩前進し続ける教会でありたいと願います。



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