ハイデルベルク信仰問答による説教その48 2013/03/31
『天を見上げて生きる』

コロサイ3:1-4

 幸いなイースターの主日を過ごし、昨夜を迎えました。主イエスも復活の日曜日の夕べに、愛する弟子たちにご自身の姿をあらわしてくださいました。今晩もこの礼拝においてよみがえられた主イエスと相まみえる幸いにあずかりましょう。
 今晩は、主の祈りの第二の祈願である「御国を来たらせたまえ」御名をあがめさせたまえ」との祈りの言葉を通して、父なる神をほめたたえて生きる賛美の人生の幸いを、御言葉からともに教えられてまいりましょう。

(1)御国を願う祈り
 主の祈りの第二の祈願である「御国を来たらせたまえ」についての信仰問答の説き明かしは、第123問です。「問:第二の願いは何ですか。答:『御国を来たらせたまえ』です。すなわちあなたがすべてのすべてとなられる御国の完成に至るまで、私たちがいよいよあなたにお従いできますよう、あなたの御言葉と聖霊とによって私たちを治めてください。あなたの教会を保ち、進展させてください。あなたに逆らい立つ悪魔の業やあらゆる力、あなたの聖なる御言葉に反して考え出されるすべての邪悪な企てを滅ぼしてください、ということです」。
 「御国が来るように」との祈りは、言い換えれば主イエス・キリストの御支配がこの世界のすべてに及びますようにとの祈りです。主イエス・キリストが宣べ伝えられたのは「神の国」の福音でした。この神の国は主イエスがこの地上にお出でになったことによってすでに始められ、十字架と復活によって成就しました。そしてさらには、御子イエス・キリストが再びお出でになる再臨と終末において完成するものです。主の祈りの第二の祈願は、この神の国の完成を願い求める祈りなのです。信仰問答はこの祈りを、個人・教会・世界という三つの面でとらえています。個人の祈りとしては「私たちがいよいよあなたにお従いできますよう、あなたの御言葉と聖霊とによって私たちを治めてください」と言われます。神の国の進展は、神の民とされた私たちが御言葉と御霊に導かれながら、この地上にあって神の国の価値観に生きることによって成し遂げられていくのです。教会の祈りとしては「あなたの教会を保ち、進展させてください」と教えられます。神の国の進展を担う中心的な役割は、神の民の集いである教会に委ねられています。それは一個の地域教会の進展ということにとどまらず、むしろ公同教会の全体に関わります。私たちが教会としての成長を祈り求めるのは、単に自分たちの群れが大きくなるためではありません。むしろ具体的な時と場に建てられた私たちの教会を通して、公同の教会全体が成長し、成熟し、そうして神の国が進展するためです。これはすでに第54問で言われていたことです。「問:『聖なる公同の教会』について、あなたは何を信じていますか。答:神の御子が、全人類の中から、御自身のために永遠の命へと選ばれた一つの群れを、ご自分の御霊と御言葉とにより、まことの信仰の一致において、世の始めから終わりまで集め、守り、保たれる、ということです」。このように神の国の進展は御言葉と御霊により、まことの信仰の一致において立つ教会の進展と切り離すことのできない事柄なのです。

(2)天を見上げて生きる
 世界の祈りとしては、「あなたに逆らい立つ悪魔の業やあらゆる力、あなたの聖なる御言葉に反して考え出されるすべての邪悪な企てを滅ぼしてください、ということです」と教えられます。神の国の進展は決して一直線の事柄ではありません。個人の領域、教会の領域も同様に、そこには絶えずサタンとの熾烈な闘いがあり、私たちは様々な困難と向き合わなければなりません.時にはその闘いのあまりの困難さに意気消沈し、絶望的になることすらあるでしょう。受難週を過ごす中で、私たちはあらためて死の力の圧倒的な威力を目の当たりにし、墓の中での主イエスのお姿を思って、死の虚無の恐ろしさをも味わいました。
 けれども三日目に主イエスは死人の中から起き上がり、よみがえられた。ここに私たちの希望があります。たとえ私たちの目の前にある現実、私たちを取り巻く世界が暗闇の力をもって私たちを覆い尽くそうとしても、なお私たちには闇と死の打ち勝つ勝利が約束されていることを覚えましょう。私たちはどこにあってもそこで天を見上げて祈ることができる。神の救いを、神の支配を、神の勝利を信じ待ち望んで祈ることができる。そういう祈りを主イエスは私たちに教えてくださり、父に向かって子どもとして祈れと教えていてくださるのです。
 今晩開かれているコロサイ3章1節から4節を読みます。「こういうわけで、もしあなたがたが、キリストとともによみがえらされたのなら、上にあるものを求めなさい。そこにはキリストが、神の右に座を占めておられます。あなたがたは、地上のものを思わず、天にあるものを思いなさい。あなたがたはすでに死んでおり、あなたがたのいのちは、キリストとともに、神のうちに隠されてあるからです。私たちのいのちであるキリストが現れると、そのときあなたがたも、キリストとともに、栄光のうちに現れます」。私たちの御国を求める祈り。それは天を見上げて来たるべきお方、栄光の主イエス・キリストを信じて仰ぐ希望の祈りです。確かに私たちの目の前には困難がある。明日からも様々な闘いが待ち受けている。けれどもこの戦いは果てしなく続くことはありません。「御国を来たらせたまえ」との祈りは、「あなたがすべてのすべてとなられる御国の完成に至るまで」の祈りであり、その時には今の時の様々な苦しみは過ぎ去り、救いの御業は成し遂げられて、ついに神の国は完成に至るのです。
 それゆえに御国の到来を願う祈りは、私たちがただこれを「待つ」という受け身の祈りに終わることなく、むしろ積極的に神の国が「来るように」と、その到来を引き寄せるような祈りであり、希望を持って勇敢にサタンとの戦いに挑んでいく戦いの祈りでもあるのです。天を見上げて祈る人は、地上の現実を見据える人です。けれども地上の事柄を見据えながらも、その現実に一喜一憂することなく、勝利を確信して一歩一歩確実に前に向かって進んでいく人です。そのような祈り人としてこのイースターからの歩み、4月に向かう新しい歩みを始めさせていただきましょう。



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