ハイデルベルク信仰問答による説教その20                 2012/06/24
『ともにおられる聖霊』
Iペテロ4:14

 今晩の第20主日からは、使徒信条の第三項、「我は聖霊を信ず」との告白に進みます。ペンテコステを経て、聖霊は今、私たちのうちに住み、私たちとともにいてくださると御言葉は約束しています。この聖霊の神の与えてくださる励まし、慰めにともにあずかってまいりたいと思います。

(1)聖霊を信じるということ
 私たちの信仰は、唯一まことの生ける神を「父・子・聖霊」の三位一体の神として信じ告白する信仰です。ですから古来から教会は、使徒信条に代表されるさまざまな信仰告白の言葉において、この三位一体を言い表し続けてきたのです。そこで今日の第20主日、第53問を読みましょう。「問:『聖霊』について、あなたは何を信じていますか。答:第一に、この方が御父や御子と同様に永遠の神であられる、ということ。第二に、この方はわたしに与えられたお方でもあり、まことの信仰によってキリストとそのすべての恵みにわたしをあずからせ、わたしを慰め、永遠にわたしと共にいてくださる、ということです」。
 少しおさらいになりますが、ハイデルベルク信仰問答の第24問では、父、子、聖霊の神の存在と御業について次にように言われていました。「問:これらの箇条はどのように分けられますか。答:三つに分けられます。第一に、父なる神と、私たちの創造について、第二に、子なる神と、私たちの贖いについて、第三に、聖霊なる神と、私たちの聖化についてです」。このように、父なる神の主たるお働きは「創造の業」、御子イエス・キリストの主たるお働きは「贖いの業」、そして聖霊なる神の主たるお働きは「聖化の業」すなわち私たちの救いの完成に関するお働きだというのです。ここにすでに聖霊なる神への信仰の内容が言い表されているのですが、そのことが具体的に展開されるのが今日からの箇所となるのです。
 そこで今日の第53問によって、聖化の業を果たされる聖霊の神のお働きをまとめておきましょう。「第一に、この方が御父や御子と同様に永遠の神であられる、ということ。」と記されます。先程から「三位一体」という言葉を用いていますが、これはしばしば指摘されるように聖書の中には「三位一体」という用語はありません。後の時代の教父たちが聖書を丹念に調べる中で、イエス・キリストが神であることを告白し、この御子と御父との関係を整理し、そして御子と聖霊の関係を整理してきたのです。そこには実は御子が神であることを否定する様々な異端、そして聖霊が神であることを否定する様々な異端との戦いがあったのです。ですから教会はいつでも御言葉に教えられながら、聖霊が御父や御子と同様に永遠の神であられると信じ、告白してきたのでした。今日、近代的な啓蒙主義、合理主義が行き詰まりを見せて、人々は目に見えない霊的な世界に惹かれていくポスト・モダンと呼ばれる時代を迎えていますが、そこでは様々な「霊」への関心が高まっています。そのような中で、私たちは悪しき諸霊と聖霊を混同することなく、聖書が教え、教会が信じ続けてきた正しい道筋で、聖霊なる神を信じ告白することが求められているのです。

(2)ともにおられる聖霊
 続いて信仰問答は聖霊の神の存在と御業について次にように述べます。「第二に、この方はわたしに与えられたお方でもあり、まことの信仰によってキリストとそのすべての恵みにわたしをあずからせ、わたしを慰め、永遠にわたしと共にいてくださる、ということです」。ちょうど今、私たちはヨハネ福音書14章を朝の礼拝で読み進めながら、慰め主、助け主なる聖霊が、私たちと共にいてくださるお方であることを深く教えられているところですが、今晩あらためてこのことを考えておきたいと思います。
 今日開かれている御言葉は、Iペテロ4章14節です。「もしキリストの名のために非難を受けるなら、あなたがたは幸いです。なぜなら、栄光の御霊、すなわち神の御霊が、あなたがたの上にとどまってくださるからです」。この御言葉がペテロによって書かれたというのは実に感慨深いものがあります。前半はあのマタイ福音書の山上の説教で主イエスがお語りくださった「義のために迫害されている者は幸いです」を思い起こさせます。実際に主イエスの教えを間近で聞いていたペテロならではの、主イエスの語り口を彷彿とさせる言葉でしょう。また主イエスの十字架の時、迫害を恐れて主イエスを否んだペテロが、晩年を迎えて手紙においてこのように初代教会の信徒たちを励ましているというのも、実に心に深く留まるものです。かつてのあのペテロが、今このように語っている。それを可能にしているものは何なのか。いったい何がペテロをこのように語る者へと作り替えてくださったのか。その答えが、この御言葉の後半にあるのです。「なぜなら、栄光の御霊、すなわち神の御霊が、あなたがたの上にとどまってくださるからです」。これは決して、単なる知識や理屈、論理の話しではなく、まさにペテロという一人の人間、一人の信仰者において起こった父なる神の御業、御子イエス・キリストの御業、そして聖霊なる神の御業に他ならない。まさにペテロ自身が聖化の御業を果たされる聖霊を、あのペンテコステの時に天から下った聖霊の力を受け取ったがゆえに、今こうして、「もしキリストの名のために非難を受けるなら、あなたがたは幸いです。なぜなら、栄光の御霊、すなわち神の御霊が、あなたがたの上にとどまってくださるからです」と語ることのできる者へと作り替えられていったのです。
 聖霊が私たちのうちにともにいてくださる。これは繰り返しますが、信仰の理屈や論理でなく、それを超えた真の現実です。まさに聖霊は私たちの上にとどまり、私たちのうちに住み、そして私たちとともにいてくださることによって、どんな困難の中にあってもなお聖霊の力によって生きることができるようにと今日も私たちを力づけ、励まし、慰め、キリストの聖さにあずからせ、キリストご自身と私たちを結び合わせ続けていてくださるのです。

 



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