ハイデルベルク信仰問答による説教その19  2012/06/17
『再臨の希望』

ピリピ3:20

 今晩は、天の父なる神の右の座に着いておられる御子イエス・キリストが、やがて再び私たちのもとに来てくださる「再臨」の希望について、御言葉から教えられていきたいと思います。

(1)再臨の慰め
 今日の第19主日は、教理の言葉ではキリストの「着座」と「再臨」について教えているところです。今晩はその中でも特に第52問、使徒信条では「かしこより来たりて、生ける者と死ねる者とを審きたまわん」と告白される再臨と最後の審判について考えたいと思います。第50問から第52問を読みましょう。第50問。「問:なぜ『神の右に座したまえり』と付け加えるのですか。答:なぜなら、キリストが天に昇られたのは、そこにおいて御自身がキリスト教会の頭であることをお示しになるためであり、この方によって御父は万物を統治なさるからです」。第51問。「問:わたしたちの頭であるキリストのこの栄光は、わたしたちにどのような益をもたらしますか。答:第一に、この方が御自身の聖霊を通して、御自身の部分であるわたしたちのうちに天からの賜物を注ぎ込んでくださる、ということ。そうして次に、わたしたちをその御力によってすべての敵から守り支えてくださる、ということです」。第52問。「問:『生ける者と死ねる者とを裁』かれるためのキリストの再臨は、あなたをどのように慰めるのですか。答:わたしがあらゆる悲しみや迫害の中でも頭を上げて、かつてわたしのために神の裁さに自らを差し出しすべての呪いをわたしから取り去ってくださった、まさにその裁き主が天から来られることを待ち望むように、です。この方は、御自分とわたしの敵をことごとく永遠の刑罰に投げ込まれる一方、わたしを、すべての選ばれた者たちと共にその御許へ、すなわち天の喜びと栄光の中へと迎え入れてくださるのです」。
 ここでまず注目したいのは第51問の「どのような益をもたらしますか」という問いに続いて、第52問では「キリストの再臨は、あなたをどのように慰めるのですか」として、「慰め」が問われていることです。ちょうどハイデルベルク信仰問答の第1問で「生きるにも、死ぬにも、あなたのただ一つの慰めは何ですか」と問われたあの「慰め」です。そしてさらに注目すべきは、「慰め」が問われるのは第1問以来ではこの第52問と、後はこの後に出てくる第57、第58問なのです。このことを考えるだけでも、この信仰問答が説く「慰め」が如何なるものであるかを知ることができるのではないでしょうか。「再臨」や「審判」というと、私たちは恐ろしい滅亡の物語を連想しがちですが、聖書の語る再臨は「慰め」と解説します。確かに私たちの地上の歩みの中には悲しみや迫害がある。主イエス御自身も「あなたがたは世にあっては患難があります」と言われました。しかしそのような患難の中にあっても私たちが「頭を上げ」ることができるのはなぜでしょうか。

(2)国籍は天に
 今日与えられている御言葉は、ピリピ人への手紙3章20節です。「けれども、私たちの国籍は天にあります。そこから主イエス・キリストが救い主としておいでになるのを、私たちは待ち望んでいます」。この御言葉にあるように、十字架と復活をもって私たちの贖いを成し遂げて、最後の敵である死に勝利し、すでに世に打ち勝たれた栄光の主イエス・キリストが再び来られて私たちを天の御国へと迎え入れてくださるからなのです。信仰問答は、この再臨の主イエスを「天からの裁き主」と語ります。私たちはやがての時に、神の御前に立って最後の審きを受けなければなりません。それは私たちにとって慰めよりも恐れおののく出来事です。しかし「かつてわたしのために神の裁きに自らを差し出し、すべての呪いをわたしから取り去ってくださった、まさにその裁き主」とあるように、裁き主は同時に、私たちへの裁きをすでに御自身に引き受けてくださった贖い主であられるのです。それで私たちは罪赦されて、今は神の子とされた者、御子の血によって浄められて、義の衣を着せられた者として御前に立つことが許されるのです。
 
(3)再臨の希望
 こうしてハイデルベルク信仰問答は、再臨の希望をこう言い表します。「この方は御自身と私の敵をことごとく永遠の刑罰に投げ込まれる一方、わたしを、すべての選ばれた者たちと共にその御許へ、すなわち天の喜びと栄光の中へと、迎え入れてくださるのです」。私たちに与えられている再臨の希望は「天の喜びと栄光の中へと、迎え入れて」いただくという約束です。それは私たちにとってやがて迎え入れられる未知なる場所ですが、しかし御言葉の約束によれば、すでに与えられている私たちの故郷、本来の国籍の在処なのです。それゆえに、この御言葉の約束の確かさの中で、私たちは再臨の希望をもって頭を天へと上げ、与えられた地上の生を全うすることができるのです。
 私たちの地上の歩みにおいては日々様々な試練があり、艱難があり、苦しみが耐えることはありません。それでも私たちがそのような人生に絶望し、これを投げ出してしまうことがなく、天を仰いで背筋をまっすぐに伸ばし、頭を上げて、やがて来られる主イエス・キリストを待ち望んで生きることができる。これが主イエスの再臨のもたらす希望であり慰めです。足もとを見ずに天ばかりを見上げていては躓くことがあるかもしれませんが、しかし足もとばかりを見て天を見上げることを忘れては、どこに行くかを知ることができません。天を仰いで私たちの目指すべき真の国籍の在処、天の故郷を仰ぎ見つつ、しっかりと足もとを見つめ、確かな足取りで今日からの日々をまた歩み行くものでありたい。それが天に国籍を持つ天国人の生き様であることを証ししながら、希望において生きる者でありたいと願います。

 



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