ハイデルベルク信仰問答による説教その8  2012/02/12
『父、子、聖霊を信じる』

テトス3:5〜6

 今晩は、私たちの信じる神が、父、子、聖霊の三位一体の神であられるという、この信仰の奥義について、信仰問答の言葉に手引きされながら御言葉を通して教えられてまいりたいと思います。

(1)信仰の奥義
 ハイデルベルク信仰問答は先の第21問で、私たちに救いをもたらす「まことの信仰」を、父なる神が御子イエス・キリストを通して与えてくださった福音に対する「確かな認識」と「心からの信頼」だと言いました。そして第23問ではその信じるべき内容の要約として、教会が長い歴史の中で言い表し続けてきた信仰の告白の言葉である「使徒信条」を挙げています。
 私たちはしばしば「何を信じるか」よりも「いかに信じるか」に重きを置いて、信心の深さや帰依の徹底ぶりこそ信仰の根拠としがちですが、繰り返し教えられているように、キリスト教信仰においては、「何を信じるか」がはっきりしなければ、「いかに信じるか」も確かにはならない。知ることと頼ることは切り離せないものなのです。しかし、その一方で信仰の事柄を私たち人間がすべて知り尽くすことができるかと言えば、そういうものでもありません。またすべてを知り尽くすことができなければ信じられないかと言うと、そういうことでもないのです。そのような信仰の奥義に属する事柄、まさに聖霊が恵みの賜物として与えてくださる信仰の事柄が、今日取り上げる、父、子、聖霊の三つにして一つなることを信じる、三位一体の神への信仰の告白なのです。

(2)父、子、聖霊を信じる
 これから信仰問答は、私たちが何を信じなければならないかを使徒信条に基づいて説いていくのですが、その際に三位一体の神の存在とお働きの順序に沿っていこうとします。そこで第24問で次のように言われるのです。「問:これらの箇条はどのように分けられますか。答:三つに分けられます。第一に、父なる神と、わたしたちの創造について、第二に、子なる神と、わたしたちの贖いについて、第三に、聖霊なる神とわたしたちの聖化についてです」。ここには三位一体の神のそれぞれの位格において果たされる主たる御業が記されます。天地万物と神のかたちに似せられた私たち人間の創造の御業は主に父なる神に帰せられ、私たちを神のかたちに回復する贖いの御業は主に御子イエス・キリストに帰せられ、救われた私たちを神の子として聖め、キリストに似た者として完成させてくださる聖化の御業は主に聖霊の神に帰せられるのです。
 こうして信仰問答は三位一体の奥義をそれ以上のところに進んで論証し、証明しようとはしません。第25問で「ただ一人の神がおられるだけなのに、なぜあなたは父、子、聖霊と三通りに呼ぶのですか。答:それは、神が御自身についてそのように、すなわち、これら三つの位格が唯一まことの永遠の神であると、その御言葉において啓示なさったからです」とあるように、人間の理性に訴えて納得させるという道を取ることをせず、ひたすら「御言葉において啓示なさった」というところに私たちを結びつけています。大切なことは、聖書の全体が父、子、聖霊の神がまことに唯一のお方であることを明白に語っているということ、しかもさらに重要なのは、このことを私たちが信じ、受け入れるのは、まさに「私たちの救いのため」というところにおいてであるということです。

(3)私たちのための三一の神
 今晩開かれている聖書の御言葉は、テトスへの手紙3章5節、6節です。「神は、私たちが行った義のわざによってではなく、ご自分のあわれみのゆえに、聖霊による、新生と更新との洗いをもって私たちを救ってくださいました。神は、この聖霊を、私たちの救い主イエス・キリストによって、私たちに豊かに注いでくださったのです」。ここには私たちを罪から救い出すために、父、子、聖霊の三位一体の神様がいわば総出になって働いていてくださることが記されています。父なる神が、御子イエス・キリストによる贖いの御業を、聖霊によって私たちのもとに届け、それによって私たちを罪と滅びの中から、己れに義によってでなく、御子イエス・キリストの十字架によって救い出し、神の子どもとして新しく生まれさせ、さらには聖霊によってますます新しい者へと私たちを作り替え続けていてくださるのです。
 私たちが父、子、聖霊なるお方として信じ告白する神は、思弁の世界、抽象の世界で神をあれこれと論じるということでなく、まさしく私たちを救ってくださる生けるまことの神、私たちのための神として信じ仰ぐところに見えてくる、そのようなお方です。外側から三位一体とはどういう構造、どういう論理であり、どうやってそれが証明できるか、論証できるか。そのようにしていくら考えを凝らしてみても、その角度からでは見えてこない神のお姿。それが父、子、聖霊の神のお姿です。しかしひとたび私たちがこのお方を私たちの救いの神、私の救いの神として信じ仰ぐならば、そこで確かに見えてくるお姿こそが、私の救いのために総出になって総掛かりになって働いてくださる父、子、聖霊の神の慈しみと愛と慰めに満ちたお姿なのです。このお方を私たちは知り、信じ、お頼りし、告白し、そして宣べ伝えていく。その信仰をいよいよ確かにしていくために、私たちはなおこのお方を見つめ続けていくのです。

 



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