祈祷会
ハイデルベルク信仰問答講解65

「わたしがこれらのことをあなたがたに話したのは、あなたがたがわたしにあって平安を持つためです。あなたがたは、世にあっては艱難があります。しかし、勇敢でありなさい。わたしはすでに世に勝ったのです。」(ヨハネ16:33)

(1)戦いの現実
ハイデルベルク信仰問答は一年52回の主日で全129問答を学ぶように割り当てられていますが、今日の第52主日では主の祈りの第六祈願と結びの頌栄の部分が扱われます。そこで今回は主の祈りの第六の祈願である悪からの救い出しについて考えておきたいと思います。まず127問を見ましょう。「問:第六の願いは何ですか。答:『我らを試みに会わせず、悪より救い出したまえ』です。すなわち、私たちは自分自身あまりに弱く、ほんの一時立っていることさえできません。その上、私たちの恐ろしい敵である悪魔やこの世、また自分自身の肉が、絶え間なく攻撃を仕掛けてまいります。ですから、どうかあなたの聖霊の力によって、私たちを保ち、強めて下さり、私たちがそれらに激しく抵抗し、この霊の戦いに敗れることなく、ついには完全な勝利を収められるようにしてください、ということです」。
先の第126問で罪の赦しを求める祈りが捧げられたのに続いて、悪との戦いと、そこからの救い出し、そして完全な勝利を求める祈りがささげられています。私たちはキリストの贖いによって今や義と認められ、神の子とされ、神への感謝の表れとして神を愛し、人を愛する律法の規準に生きており、御名の栄光を崇めつつ、御国の来たることを求めながら、その神の御心がこの地上に実現していくことを祈り、そのために働いているのですが、しかしそのようにして聖化の歩みを始めた私たちの現実は「この世にある間は、この服従をわずかに始めたばかりに過ぎず」(第114問)、「今なお私たちについてまわる悪」(第126問)との戦いの中に置かれているゆえに「自分自身あまりに弱く、ほんの一時立っていることさえできません」。

(2)私たちの敵
ハイデルベルクが指摘する「私たちの恐ろしい敵」とは、「悪魔」、「この世」、そして「自分自身の肉」であると言われます。まず悪魔との戦いについては、エペソ書6章10節から13節で「終わりに言います。主にあって、その大能の力によって強められなさい。悪魔の策略に対して立ち向かうことができるために、神のすべての武具を身に着けなさい。私たちの格闘は血肉に対するものではなく、主権、力、この暗やみの世界の支配者たち、また、天にいるもろもろの悪霊に対するものです。ですから、邪悪な日に際して対抗できるように、また、いっさいを成し遂げて、堅く立つことができるように、神のすべての武具をとりなさい」、またIペテロ5章8節、9節で「身を慎み、目をさましていなさい。あなたがたの敵である悪魔が、ほえたけるししのように、食い尽くすべきものを捜し求めながら、歩き回っています。堅く信仰に立って、この悪魔に立ち向かいなさい」と教えられています。また、この世との戦いについてはヨハネ15章18節から19節で「もし世があなたがたを憎むなら、世はあなたがたよりもわたしを先に憎んだことを知っておきなさい。もしあなたがたがこの世のものであったなら、世は自分のものを愛したでしょう。しかし、あなたがたは世のものではなく、かえってわたしが世からあなたがたを選び出したのです。それで世はあなたがたを憎むのです」と教えられています。そして自分自身の肉との戦いについては、ローマ書7章19節から23節で「私は、自分でしたいと思う善を行なわないで、かえって、したくない悪を行なっています。もし私が自分でしたくないことをしているのであれば、それを行なっているのは、もはや私ではなくて、私のうちに住む罪です。そういうわけで、私は、善をしたいと願っているのですが、その私に悪が宿っているという原理を見いだすのです。すなわち、私は、内なる人としては、神の律法を喜んでいるのに、私のからだの中には異なった律法があって、それが私の心の律法に対して戦いをいどみ、私を、からだの中にある罪の律法のとりこにしているのを見いだすのです」。またガラテヤ書5章16節、17節でも「私は言います。御霊によって歩みなさい。そうすれば、決して肉の欲望を満足させるようなことはありません。なぜなら、肉の願うことは御霊に逆らい、御霊は肉に逆らうからです。この二つは互いに対立していて、そのためあなたがたは、自分のしたいと思うことをすることができないのです」。

(3)聖霊による勝利
しかしこのような深刻な敵に対する戦いの現実の中にあるからこそ、私たちは次のように祈らなければならないのであり、また完全な勝利を確信しつつ祈ることができるのです。すなわち「どうかあなたの聖霊の力によって、私たちを保ち、強めて下さり、私たちがそれらに激しく抵抗し、この霊の戦いに敗れることなく、ついには完全な勝利を収められるようにしてください」との祈りです。私たちの霊的な戦いは、聖霊の力による戦いであり、しかもその勝敗は、すでに御子イエス・キリストの十字架の贖いによって完全な勝利が約束されています。だからこそ私たちは目覚めて、真剣に、この地上にあっては霊的な戦いを続けていくのであり、この霊的な戦いが来たるべき御国の支配へと繋がっていくのです。ここで私たちはこの第六の祈願を第二の祈願とあわせて理解すべきです。第123問では次のように教えられていました。「問:第二の祈願は何ですか。答:『御国を来たらせたまえ』です。すなわち、あなたがすべてのすべてとなられる御国の完成に至るまで、私たちがいよいよあなたにお従いできますよう、あなたの御言葉と聖霊とによって私たちを治めて下さい。あなたの教会を保ち、進展させて下さい。あなたに逆らい立つ悪魔の業やあらゆる力、あなたの聖なる御言葉に反して考え出されるすべての邪悪な企てを滅ぼして下さい、ということです」。
私たちの霊的な戦いを戦い抜くための備えについて、パウロは先のエペソ書6章13節に続く14節から18節で次のように記しています。「では、しっかりと立ちなさい。腰には真理の帯を締め、胸には正義の胸当てを着け、足には平和の福音の備えをはきなさい。これらすべてのものの上に、信仰の大盾を取りなさい。それによって、悪い者が放つ火矢を、みな消すことができます。救いのかぶとをかぶり、また御霊の与える剣である、神のことばを受け取りなさい。すべての祈りと願いを用いて、どんなときにも御霊によって祈りなさい。そのためには絶えず目をさましていて、すべての聖徒のために、忍耐の限りを尽くし、また祈りなさい」。このように私たちも主の聖霊の力によって、この地上における霊の戦いに勝利していきたいと願います。「あなたがたは、世にあっては艱難があります。しかし、勇敢でありなさい。わたしはすでに世に勝ったのです」との主の約束に励まされつつ。

 



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