祈祷会
ハイデルベルク信仰問答講解61

「神は、私たちを暗やみの圧制から救い出して、愛する御子の御支配の中に移して下さいました。この御子のうちにあって、私たちは、贖い、すなわち罪の赦しを得ています。」(コロサイ1:13,14)

(1)御国を願う三つの祈り
今日取り上げる第48主日では、主の祈りの第二の祈願である「御国を来たらせたまえ」との祈りが扱われます。まず第123問を見ましょう。「問:第二の願いは何ですか。答:『御国を来たらせたまえ』です。すなわちあなたがすべてのすべてとなられる御国の完成に至るまで、私たちがいよいよあなたにお従いできますよう、あなたの御言葉と聖霊とによって私たちを治めてください。あなたの教会を保ち、進展させてください。あなたに逆らい立つ悪魔の業やあらゆる力、あなたの聖なる御言葉に反して考え出されるすべての邪悪な企てを滅ぼしてください、ということです」。新約聖書によれば、主イエス・キリストが宣べ伝えられた宣教の中心は「神の国」でした。それは言い換えれば神御自身による支配を指しています。神の国は御子イエス・キリストの来臨によってもたらされ、その十字架と復活による贖いの御業によって成就し、さらには、御子イエス・キリストが再びお出でになる再臨と終末において完成するものです。主の祈りの第二の祈願は、この神の国の完成を願い求める祈りなのです。
ハイデルベルク信仰問答は、この御国の完成を願う祈りを、三つの領域に分けて教えています。第一は個人の聖化の領域、第二は教会の進展の領域、そして第三が終末における勝利の領域です。第一に、個人の聖化の領域に関しては「私たちがいよいよあなたにお従いできますよう、あなたの御言葉と聖霊とによって私たちを治めてください」と言われます。ここでのキーワードは「御言葉と聖霊とによって」という言葉です。贖い主であられるイエス・キリストの御業は主として預言者、祭司、王としての三重の職務において担われますが、とりわけ神の国を治められる王としてのキリストは、その統治の業を「御言葉と聖霊」によって遂行されます。私たちは主の日毎に礼拝に集い、御言葉と聖礼典、祈りを通して主の恵みにあずかりながら、「私たちがこの生涯の後に、完成という目標に達する時まで、次第次第に、いよいよ神のかたちへと新しくされていく」(第115問)という聖化の途を辿ることになるのです。第二に、教会の進展の領域に関しては「あなたの教会を保ち、進展させてください」と教えられます。神の国の進展は、神の民の集いである教会によって担われるもので、それは一個の地域教会の進展ということにとどまらず、むしろ公同教会の全体に関わります。この点についてハイデルベルクは第54問で次のように言いました。「問:『聖なる公同の教会』について、あなたは何を信じていますか。答:神の御子が、全人類の中から、御自身のために永遠の命へと選ばれた一つの群れを、ご自分の御霊と御言葉とにより、まことの信仰の一致において、世の始めから終わりまで集め、守り、保たれる、ということです」。このように神の国の進展は御言葉と御霊により、まことの信仰の一致において立つ教会の進展と切り離すことのできない事柄なのです。

(2)御国の進展と完成
第三に、終末における勝利の領域に関しては「あなたに逆らい立つ悪魔の業やあらゆる力、あなたの聖なる御言葉に反して考え出されるすべての邪悪な企てを滅ぼしてください、ということです」と教えられます。新約聖書が明らかにしている通り、終末に至る道筋においてはサタンの力との戦いを避けて通ることができません。今のこの時代、世界の様相はまさしくサタンの悪しき力がその威力を奮う邪悪な企てが横行しています。確かに主なる神は人間の堕落の時にすでに女の子孫が蛇の頭を踏み砕く(創世記3:15)という救いの約束を立て、そしてこの約束を主イエスの十字架と復活によって成就させて下さり、今や主イエスすでにサタンに打ち勝って下さっていますが、一方、この約束の確かさの中にあってなお私たちは日々戦いの中に置かれ、サタンとの熾烈な戦いを続けていることも事実です。
では、この戦いは果てしなく続くのかと言えば決してそうではありません。「御国を来たらせたまえ」との祈りは、「あなたがすべてのすべてとなられる御国の完成に至るまで」の祈りなのであって、その時には今の時の様々な苦しみは過ぎ去り、救いの御業は成し遂げられて、神の国は完成に至るのです。このことをハイデルベルクは同じ主の祈りの第六の祈願について教える第127問で次のように言っています。「問:第六の願いは何ですか。答:『我らを試みに会わせず、悪より救い出したまえ』です。すなわち、私たちは自分自身あまりに弱く、ほんの一時立っていることさえできません。その上私たちの恐ろしい敵である悪魔やこの世、また自分自身の肉が、絶え間なく攻撃を仕掛けてまいります。ですから、どうかあなたの聖霊の力によって、私たちを保ち、強めて下さり、私たちがそれらに激しく抵抗し、この霊の戦いに敗れることなく、ついには完全な勝利を収められるようにして下さい、ということです」。
このように、御国の到来を願う祈りは、私たちがただこれを「待つ」という受け身の祈りに終わることなく、むしろ積極的に神の国の到来を引き寄せる祈り、そしてそれに抗うサタンとの戦いに果敢に挑んでいく戦いの祈りでもあるのです。そうしてやがて終わりの日、救いの完成においてもたらされる神の国の祝福は、「人が自らの造り主なる神を正しく知り、心から愛し、永遠の幸いのうちを神と共に生き、そうして神をほめ歌い賛美する」(第6問)という、創造の祝福の回復、更新、成就の姿なのです。

 



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