祈祷会
ハイデルベルク信仰問答講解35

「あなたがたの中のある人たちは以前はそのような者でした。しかし、主イエス・キリストの御名と私たちの神の御霊によって、あなたがたは洗われ、聖なる者とされ、義と認められたのです。」(Iコリント6:11)

(1)洗礼の聖書的根拠
前回に続いてハイデルベルクの洗礼論を学びますが、まず最初に第71問の洗礼の礼典が定められたことの聖書的根拠についての部分を見ておきましょう。洗礼の制定における中心的な聖書の箇所としてハイデルベルクが示すのは、あの主イエス・キリストの大宣教命令の箇所でした。「問:わたしたちが洗礼の水によるのと同じく、この方の血と霊とによって確実に洗っていただけるということを、キリストはどこで約束なさいましたか。答:洗礼の制定の箇所に、次のように記されています。『あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授けなさい」、(「信じて洗礼を受ける者は救われるが、信じない者は滅びの宣告を受ける」。)この約束は、聖書が洗礼を「新たに造りかえる洗い」とか「罪の洗い清め」と呼んでいる箇所でも、繰り返されています』。
 そもそも聖礼典とは主イエス・キリストの制定によるものですが、初代教会以来、時代の中で諸教会はこの主の宣教の命令に従って洗礼の礼典を実施し続けてきたのです。また洗礼の恵みを表す他の箇所として「神は、私たちが行った義のわざによってではなく、ご自分のあわれみのゆえに、聖霊による、新生と更新との洗いをもって私たちを救って下さいました」(テトス3:5)、「さあ、なぜためらっているのですか。立ちなさい。その御名を呼んでバプテスマを受け、自分の罪を洗い流しなさい」(使徒22:16)等も御言葉も挙げられています。

(2)しるしとしての洗礼
続く第72問から第73問では、「外的な水の洗い」である洗礼が持つ「内的な意味」について説明されます。これはすでに第69問で語られたことの繰り返しですが、それだけ洗礼の持つ意味の大切さが強調されていると言えるでしょう。以前に聖礼典そのものの意義を学んだ際に、それが「しるし、封印」であることを見ました(第66問)。この「しるし」には、目に見えない霊的真理の目に見えるしるしとしての意義があります。すなわち天的な事柄を地上の事柄によってしるしするということです。聖礼典が担うのはまさにそのような天的な事柄であって、続いて学ぶ主の晩餐においても、天にある復活と昇天のキリストの臨在が、地上的にはパンと葡萄酒において担われるのと同様に、洗礼においても御子イエス・キリストの贖いによる義認と聖霊による聖化の恵みという天的事柄が、水による洗いという地上的な事柄によって担われているのです。
 このことをハイデルベルクは独特の言い回しで表現しているのです。すなわち「ちょうど〜のように、〜である」という表現です。この表現に注意しながらもう一度第73問を読んでおきましょう。「問:それではなぜ、聖霊は洗礼を『新たに造りかえる洗い』とか「罪の洗い清め」と呼んでおられるのですか。答:神は何の理由もなくそう語っておられるのではありません。すなわち、ちょうど体の汚れが水によって除き去られるように、わたしたちの罪がキリストの血と霊とによって除さ去られるということを、この方はわたしたちに教えようとしておられるのです。そればかりか、わたしたちが現実の水で洗われるように、わたしたちの罪から霊的に洗われることもまた現実であるということを、神はこの神聖な保証としるしとを通して、わたしたちに確信させようとしておられるのです」。この「あたかも〜のように」は、神がご自身の持っておられる真理を私たち人間に理解できるようにと示してくださったへり下りの態度を示しています。これは「神の適合」(accomodatio Dei)と呼ばれるもので、全知全能のなる無限の神が、私たち人間にご自身の真理を知らしめるために、あえて霊的真理を私たちの地上的な事柄によってあらわしていて下さるのです。

(3)幼児の洗礼
最後の第74問は幼児洗礼に関する教えです。これについては次回詳しく学ぶことにしますので、今日は本文だけを読むことにしたいと思います。「問:幼児にも洗礼を授けるべきですか。答:そうです。なぜなら、彼らも大人と同様に神の契約とその民に属しており、キリストの血による罪の購いと信仰を生み出される聖霊とが、大人に劣らず彼らにも確約されているからです。それゆえ、彼らもまた、契約のしるしとしての洗礼を通してキリスト教会に接ぎ木され、未信者の子供たちとは区別されるべきです。そのことは、旧約においては割礼を通してなされましたが、新約では洗礼がそれに代わって制定されているのです」。
 私たちの教会は幼児洗礼を実施していませんが、その精神は十分に受け継いでいると言ってよいでしょう。子供たちに対する礼拝の教育や、神の契約に対する信頼、契約のしるしとしての洗礼論などを包括的に理解していけば、幼児洗礼の教えは私たちにとってそう遠くない教えであることに気付いていただけると思います。ただこのことの取り扱いは、教会の在り方に大きく関わることですので、慎重に学んでいきたいと思っています。

 



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