シリーズ福音に生きる12 2009/06/07
『神のことば、キリスト』

ヨハネ1:14-18

 今晩は、神の愛のあらわれであられる御子イエス・キリストについて、特にヨハネ福音書が語る「神のことば」としてのキリストのお姿に注目して、神の愛をご自身のお姿をもって語っていてくださる主イエス・キリストの恵みにあずかってまいりたいと思います。

(1)神の愛、キリスト
 私たちの主なる神は、私たちを愛してくださる愛の神であられます。その愛とは神の数多くある御性質の中の一つということではなく、まさに愛こそが神ご自身そのものでありました。それではこの神の愛、私たちに対して注がれる愛は、いったいどのような姿形をとっているのでしょうか。確かに私たちの周りを見渡してみても、「愛」という言葉は至る所に氾濫しています。しかし多くの場合、それらの愛とは時に自己中心であったり、利己的であったり、殆ど肉の欲望と置き換えられるものであったり、すぐさま憎しみへと転じてしまうものであったり、時には口先だけの薄っぺらで軽いものであったり、そしてついには満たされることのないままに終わるものであったりします。このように人間の愛とは終始一貫して求める愛であり、満たされることのない愛であり、愛することよりも愛されることを求める受け身の愛といわなければなりません。
 では私たちを愛してやまないと言われる主なる神の愛とは、いったいどのようなものなのでしょうか。それもまた口先だけの空虚な愛、求めるだけで満たされることのない愛なのでしょうか。先週開かれたIヨハネ4章9節、10節にはこう記されていました。「神はそのひとり子を世に遣わし、その方によって私たちに、いのちを得させてくださいました。ここに、神の愛が私たちに示されたのです。私たちが神を愛したのではなく、神が私たちを愛し、私たちの罪のために、なだめの供え物としての御子を遣わされました。ここに愛があるのです」。このように、神は私たちを愛してその愛をはっきりとした具体的なこととして示してくださいました。まさに神の愛とはひとり子イエス・キリストをたまわるほどの愛であったのです。

(2)神のことば、キリスト
 今晩開かれているヨハネ福音書1章は、神の御子イエス・キリストを「ことば」として言い表す大変印象深いところであり、クリスマスにおいてしばしば説かれる御言葉です。その中で特に今晩は14節から18節を読んでいただきましたが、まず注目したいのは14節の御言葉です。「ことばは人となって、私たちの間に住まわれた。私たちはこの方の栄光を見た。父のみもとから来られたひとり子としての栄光である。この方は恵みとまことに満ちておられた」。主なる神は愛の神として私たちに向かってこう語りかけておられます。「わたしはあなたを愛している」。しかも神のことばはそのまま虚しく消え去っていくような泡沫のようなことばではない。そのことばは人となって私たちのもとにもたらされ、私たちの間にとどまり、しかもそこに神の恵みと御真実とを満ち溢れさせていてくださるというのです。
 私たちは今日、なかなかことばを信頼することができなくなっています。むしろことばに対する根本的な疑いが生じてしまっているのが今の時代の有り様です。ことばが軽んじられ、簡単に覆され、しかもそのことばに対する責任を引き受けようとしない。ことばを語るということ自体への責任感が軽んじられる時代です。しかしそのような時代の真っ直中に響き渡る確かな一つの声、神の語りかけることばがある。そしてそのことばは私たちの間にとどまり続ける。それが神の愛の語りかけのことばそのものであられる神の御子イエス・キリストなのです。

(3)神を説き明かすキリスト
 さらに18節には次のように記されます。「いまだかつて神を見た者はいない。父のふところにおられるひとり子の神が、神を説き明かされたのである」。この18節を14節とともに読むと、ここにはある対応の関係があるのが分かります。神の愛の語りかけることばが人となって地上に来られた。そのことばなるイエス・キリストが、神の愛のなんたるかを説き明かしてくださるというのです。先のIヨハネの手紙4章では「愛のない者に神は分かりません。なぜなら神は愛だからです」とありました。愛のない者に愛なる神を分からせる。そのために神を説き明かされることばなるイエス・キリスト。まさに神の愛の表れが、この愛を説き明かすことばなるイエス・キリストご自身こそが、神の愛そのものであるということなのです。
 神は旧約の時代から一貫して、「わたしを愛している」と何度も何度も語り続けてくださいました。しかし人間はその度毎に神に背き、裏切り、反逆を重ねてきたのです。にもかかわらず、神は私たちを見捨てることをせず、諦めることなく、愛を注ぎ続けてくださり、しかも神の愛に気づくことのないほどに罪の中に頑なになってしまっている私たちに向けて、愛のことばをもって語りかけてくださっている。まさにその神のことばが御子イエス・キリストご自身であり、そしてこの御子イエス・キリストがその存在と御業、地上の御生涯の全体と、とりわけ十字架と復活の御業によって神の愛をその身をもって説き明かしていてくださるのです。だからこそ私たちにとってイエス・キリストこそが決定的な存在であられ、この方を通してのみ私たちは父なる神を知り、その愛の中に憩い、この神にあって生き、そして神の子として、歩んでいくことができるのです。「わたしを通ってでなければ誰一人父の御許にいくことはできない」と語られる主イエス・キリストのお姿を見つめつつ、その愛の語りかけのことばによって生かされていく私たちでありたいと願います

 



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