シリーズ福音に生きる11 2009/05/24
『神の愛、愛の神』
I ヨハネ4:7-10

 今晩は、聖書が示す生ける神についての学びの区切りとして、愛であられる神の御存在とその御性質について考えておきたいと思います。

(1)神の属性
 神学の学びでは、聖書が証しする神について、その存在の在り様とその御性質とに分けてこれを考えるという方法をとります。そのうち、後者の神の御性質についての学びは通常、「神の属性」論と言われますが、これについて簡潔に教えてくれているのが、祈祷会で学び続けているウェストミンスター小教理問答の第4問です。そこにはこう教えられています。「問:神とは、どんなかたですか。答:神は霊であられ、その存在、知恵、力、聖、義、善、真実において、無限、永遠、不変の方です」。ここには挙げられていないのですが、しかし神の御性質、属性として私たちに極めて重要な意味を持つのは、神が愛なるお方であられるということでしょう。今日開かれているIヨハネ4章7節、8節でもこう言われている通りです。「愛する者たち。私たちは互いに愛し合いましょう。愛は神から出ているのです。愛のある者はみな神から生まれ、神を知っています。愛のない者に、神はわかりません。なぜなら神は愛だからです」。
 しかしここで私たちが考えておかなければならないのは、愛を神の属性としてだけ捉えることでよいのか、ということです。神学の営みは創造者なる生ける神を、被造物である人間が、聖書に教えられたことを人間の言葉で書き綴るということですから、そこには当然限界があるのですが、神の属性論というのも、神がいかなるお方で在られるのかを御言葉に沿って少しでも正しく把握するためには有益なものですが、しかし時に神御自身をあまりに機能的に捉えてしまい、生ける神の御存在の全体を見えなくさせてしまわないようによくよく注意を払うことが必要でもあるのです。ですから私たちは、「神の愛」と愛を神の属性、御性質として受け取るとともに、それ以上に生ける神御自身を「愛の神」として知ることがとても大切なことなのです。

(2)神の愛、愛の神
 このように私たちが、聖書が証しする神を「愛の神」として知ることは、何にも増して重要なことです。そもそも父・子・聖霊の三位一体の神の存在の在り様そのものが、その各位格において愛し、愛される完全な交わり、愛の絆で結ばれる関係であり、その神が私たちに交わりを開き、言葉をもって語りかけてくださること、その名をもって御自身を明らかにしてくださること、この世界を良き世界して創造されたこと、そして今もこの世界を摂理のうちに守り、治めていてくださること、私たちの父として愛と慈しみを注いでいてくださること、これらここまで学んできた神御自身とそのお働きのすべてが、神が愛なるお方であられることを表しているのです。
 神が私たちに示され、注いでくださり、今私たちに働きかけていてくださる愛とは、神の多くの多様な属性、御性質のうちの一つ、ということではなく、神御自身の愛であられる存在の在り様のゆえであり、神が私たちを愛してくださるのは、神御自身がまさしく愛そのもののお方であられるからなのです。このように私たちは、神について考えるとき、存在と御業の関係をよく踏まえることが重要です。私たちは神の御業を通して神の御性質やその属性を知るのですが、しかしそれによって私たちはその御業をもって働かれる神御自身を知ることが一番大切なことなのです。神の御業から、その御業をなさる神御自身へ。この道筋をいつも覚えておきたいと思います。

(3)御子イエス・キリストにあらわされた神の愛
 以上のことを踏まえた上で、この愛の神が私たちに示してくださった神の愛の最も中心的なお姿に触れておきたいと思います。御言葉は言います。「神はそのひとり子を世に遣わし、その方によって私たちに、いのちを得させてくださいました。ここに、神の愛が私たちに示されたのです。私たちが神を愛したのではなく、神が私たちを愛し、私たちの罪のために、なだめの供え物としての御子を遣わされました。ここに愛があるのです」。神の愛は大いなる愛であり、主権的な愛であり、自由な愛であり、しかも犠牲を伴う愛であり、それでいて見返りを求めない無償の愛であり、しかしその愛を受けた者が、この愛に応えずにはおれなくなるような相手の愛を呼び起こす応答を求める愛です。そしてその神の愛の究極のあらわれが、ひとり子イエス・キリストをたまわるほどの愛であったのです。
 神の愛とはいかなる愛か、愛の神とはいかなるお方なのか。この問いへの答えを求めようとするならば、必要なことはただ一つ、この愛の神が注がれた愛の結晶であるイエス・キリストのもとに来ることです。その時に私たちは観念でもなく抽象でもない、これ以上ないほどのリアルな神の愛に触れ、その愛をもって愛してくださる愛の神御自身と出会うことができるのです。今晩、ここに集われたお一人一人が、この御子イエス・キリストにあらわれた神の愛をぜひ受けとっていただきたいと願いますし、何よりも、御子イエス・キリストを通して今も私たちを愛し続けていてくださる愛の神との出会いを、ぜひ果たして行っていただきたいと切に願います。愛の神は、この神の愛の中へと私たちを招いていてくださるのです。

 



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