降誕節記念主日夕拝説教 2012/12/23
『信仰、愛、希望』

Iテサロニケ1:2-3
 
 祝福にあふれた2012年のクリスマス礼拝の締めくくりに、もう一度心を静めて、主の恵みを深く味わいたいと願います。

(1)「信・望・愛」と「信・愛・望」
 聖書の世界がパッと開かれて見える瞬間というものがあります。一人で御言葉を味わっている時には、自分だけの聖書の読み方の枠組みの中に入り込んでしまって、なかなかそこから自由になることが難しいのですが、他の方の聖書の読み方、味わい方に触れる時にその枠組みが広げられ、もっと広くて豊かな御言葉の世界の地平に立つことができる。そういう経験を皆さんもなさったことがあるでしょうか。今、役員会で来年度の教会の計画について時間をかけて話し合っていますが、その中でぜひ来年取り組みたいと願っている新しいものに、礼拝後の御言葉の分かち合いの時を定期的に持つというものがあります。「シェアリングタイム」と名付けて、本当は毎週できればよいのですが、せめて月に一回、その日の礼拝で聞いた御言葉について互いに短い時間でよいので教えられたこと、示されたことを分かち合う時間を持ちたいと願っています。
 今日開かれているIテサロニケ1章の御言葉も、私自身のそんな御言葉体験の中で与えられたものです。「私たちは、いつもあなたがたすべてのために神に感謝し、祈りのときにあなたがたを覚え、絶えず、私たちの父なる神の御前に、あなたがたの信仰の働き、愛の労苦、主イエス・キリストへの望みの忍耐を思い起こしています」。先月の終わり、ある同労の友人と一緒に語り合っていた時のことです。今年のアドベントの説教箇所のことが話題に上り、今年の私たちの教会のアドベントは「信仰・希望・愛」だと話したところ、今日の御言葉であるIテサロニケ1章の御言葉を示してくれました。以前に聞いた説教を分かち合ってくださったのですが、パウロがコリント書では「信仰・希望・愛」を語ったのに対して、テサロニケ書では「信仰・愛・希望」の順序で語った。その意味の違いを説く説教だったというのです。そこで示されたこの三つのキーワードの順序の違いから、目の前が開かれるような思いになりました。先週、そして今朝の礼拝でも教えられたように、Iコリント書で、一番すぐれているものは「愛」だと語ったパウロが、しかしIテサロニケ書ではその愛よりも後に「希望」を置く。その意味を私たちも思い巡らしたいのです。

(2)テサロニケの教会
 テサロニケ人への手紙は、新約聖書に収められているパウロの十三通の手紙の中で最も初期に書かれたもので、紀元51年頃のものと言われます。コリント人への手紙はこれに次いで初期のものでおよそ紀元55年頃と考えられています。使徒の働き17章によると、パウロは第二次伝道旅行の際にテサロニケの町に来て、そこで救われた人々によって教会が建てられました。その後パウロはユダヤ人の迫害を逃れてベレヤ地方に移り、さらにギリシャのアテネに赴いて伝道に励みますが、その間もテサロニケ教会のことを心に掛けて交わりを続けていたようです。
 そのようにアテネに滞在していたパウロの耳に、テサロニケ教会の人々が、ユダヤ人たちからの激しい迫害にさらされているという知らせが届きます。本来ならすぐにでも駆けつけたいと、一度ならず二度までも切に願ったパウロですが、彼もまた迫害によってテサロニケを追われた身であり、道を閉ざされてその願いも叶わず、弟子のテモテを遣わしました。その間にパウロはコリントに移り、その地でテサロニケから戻ったテモテの報告を受けるのですが、テサロニケの兄弟姉妹たちが迫害の中にあっても信仰に堅く立っている彼らになお励ましを与えるために書き送ったのがこの手紙なのです。

(3)働き、労苦、忍耐
 パウロはここでテサロニケの信徒たちに対して、あなたたちのことを感謝し、祈りの中に覚え、そして絶えず思い起こしていると言います。たとえ距離は離れていても、パウロが彼らに対してどれほどの思いをもっていたかが伝わってきます。しかもとりわけパウロが思い起こしているのは「あなたがたの信仰の働き、愛の労苦、主イエス・キリストへの望みの忍耐」と言われます。ここで私たちが目を留めたいのはパウロが見ているのがテサロニケの人々の「働き」であり、その「労苦」であり、また「忍耐」であるという事実です。こういう所に目が留まるというのを決して当然といってはならないでしょう。近くにいても見えないこともあり、遠くにいてもちゃんと見えることがある、パウロは今、テサロニケからは遠く離れていますが、しかし彼にはちゃんと見えているのです。迫害と困難の中で、それでもひたすらに信仰のために働き、主イエスへの愛ゆえに労苦を重ね、再臨の主イエスを待ち望みながら迫害の中で忍耐し続けている彼らの姿が。
 だからこそパウロもまたそんな彼らに対して、信仰、愛、そして希望を語る。迫害と困難の中に生きている彼らは、それでも信仰を揺るがせることはない。愛に生きることをやめることもない。彼らはそれらのためになら進んで、喜んで働きもするし、労苦も厭わない。そういう彼らに対してパウロはやはり一番大切なこととして希望を語りたかったのではないでしょうか。今のあなたがたの働きが必ず実を結ぶ時が来る。今のあなたがたの労苦は決して無駄でないと分かる時が来る。今はこれほどの迫害と困難の中にあるけれども、イエス・キリストには望みがある。だから今の時を忍耐をもって進め、というのです。
 私たちは今日クリスマスを祝い、そしてここから主イエスに従う歩みを始めます。朝の礼拝でも学んだように、ここから始まる歩みはクリスマスからイースターに向かう歩みです。十字架の苦難を経て、復活の栄光に進む道です。だから私たちも信仰の働きを懸命に働き、愛の労苦を厭うことなく、主イエス・キリストへの望みの忍耐に生きるものとさせていただきたいのです。希望があるから耐え忍ぶことができる。希望がなければ進むことができない。この2012年を残る一週間でしっかりとしめくくり、迎える2013年へと私たちの信仰の姿勢を整え、希望によって目線を上へと高く挙げていただき、忍耐を与えられて、主イエスが再び来られるその日まで、希望に導かれての歩みを続けてまいりましょう。



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