『HAPPY BIRTHDAY TO・・・・・』
                              Written by ぽんた   例年、12月26日はグレアムのバースデーパーティだ。  俺がケーキと料理と装飾を担当し、サーニンは手頃なツリーをさがし、  マックスは、サーニンと一緒にツリーの装飾をした後、  パーティのときグレアムの弾くピアノに合わせて唄う。  俺たちにとってはキリストさんの誕生日よりも、グレアムの誕生日の方がずっとずっと大切だ。  一年で一番盛り上がる、年末の大パーティ。  でも、毎年同じではおもしろくない、しかも俺が一人が大変だ。  グレアムは腹の傷がうずくってんで、今、検査入院中だ。25日には帰ってくる。   奴は仕方が無い、一応主役なのだし、ピアノは奴しか弾けない。  大変ではあるが、俺がやる、と最初に宣言しちまったもんだから、  今更パムに手伝ってもらうのも気にいらねぇ。  で、俺様なりに考えた。  今年はちょっと特別だから、趣向も変えたかった。  「来週のパーティはいつもと違う役割分担でいこうぜ」  確かにそう提案したのは俺だった。  サーニンもマックスも大喜びで賛成した。  くじ引きで役割を決めようと言い出したのはあいつらで、賛成したのは確かに俺だ。  サーニンが俺の係り?不安が満載だが、まあいいだろう。これも一興だ。  マックスがサーニンの係り?頼りないが、単純な作業だ。任せた!  でも・・・・・・・・何で俺がマックスの役目なんだ!!!!  聞いてねぇぞ、マックス!教会の聖歌隊だってぇ?  教会で唄ったのをビデオに納めてグレアムに見せる約束だとぉ?  てめぇ、それを先に言えってんだ!  毎日練習があるだとぉ?しかもこの服を着ろってのか?  まっしろのほわほわケープ!真っ白のベレー帽!  なにしろマックス用だから、ケープの裾は短いし、帽子はぶかぶかだ。  勘弁してくれよ。  よーし、俺も男だ。腹を決めてやる。  グレアムが帰ってくるまで毎日特訓して完璧な聖歌隊員になってやる!   俺は毎日練習に通った。  始めはマックスの代わりに俺が来てびびっていたマックスの仲間達だったが、  徐々に俺のペースに巻き込んでやった。  ただ、監視役に毎日パムがついてくるものだから、教会にいる間は煙草も吸えないし、  曲目の変更もさせてもらえなかった。  クリスマスキャロルってのはどうも眠くなっちまうな。   練習、練習の一週間が過ぎた。俺の聖歌隊姿もまぁまぁ、様になってきた。  歌?そんなもん、音程気にせず楽しく歌ってりゃぁいいのさ。あは。  あとは明日、24日の晩にジャックがビデオ撮影すりゃぁ、完璧だ。  グレアムに生で聞かせてやれないのが不満といえば不満だな。   ところで、あの二人の準備はどうなっているんだろう?  おい、サーニン、お前大丈夫なのか?メニュー見せてみろ。え?まだ?  おいおい、材料くらい書き出しておけよ。   マックスはどうなんだ?移動可能な木は見つかったのか?あ、そ。見つけてあるのね。  当日運んでサーニンと一緒に飾るのね。OK、OK。   なんだか不安な胸騒ぎを感じつつも、明日の夜の本番に備えて俺は早く寝ることにした。  窓の外はちらちらと雪が舞っている。ホワイトクリスマスかぁ、演出も満点だな。   24日の夜が来た。パムはしきりに心配している。  大丈夫だって、俺様器用が取り柄だぜ。舞台度胸もばっちりさ。  サーニンとマックスも見に来ていやがる。   サーニン!教会に来るときくらいは縞々やめろって!  そうか、パム、俺のことが気がかりでサーニンの服装まで気が回らなかったんだな。   ジャック、ちゃんと格好良く撮ってくれよ。  マックス、楽しそうに手を振るなって!誰のせいで俺がここにいると思っているんだ!   張り切る俺に隣に立っているラルフがいつにも増しておどおどしながら話し掛けてくる。  なんだと?俺にあまり大きな声で唄うな?どういう意味だこのやろう!  周りがつられてしまうから困る?俺に意見するなんざいい度胸じゃぁねえか。  てめぇ、今度会ったら覚えとけよ。   俺様の舞台(?)は大成功だった。ラルフの意見は無視して俺は楽しく大声で唄った。  周りの皆の表情が心なしかこわばっている様であったが、気分がいいので放っておいた。   それにしても、クリスマスミサってのは随分遅くまでやるものなんだな。  説教聴いていたらねむくなってきた。  あの二人の準備段階が気にはなるが、今日はもう、寝ることにしよう。   25日、さぁ、パーティの当日だ!  一昨日から降った雪のお陰で一面の銀世界!パーティ日和だ!  起きやがれ、子分ども!パーティの準備だ!  え?パーティは明日だから何も準備をしていない?  馬鹿ヤロー!パーティは今日だ!  今年は更紗女王陛下が聖天使城を開城されてから始めてのバースデーだから、  パーティの演出を俺に一任して下さったんだ!  グレアムの退院も25日だし、ちょうど良いから奴のバースデーも一日早くやっちまおうぜって・・・・  え?うそ?俺、言ってない?うそだろ?ほんとに?  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わかったよ・・・・・・・・・・・・・・・  俺がやればいいんだろ?今から城に行って、ケーキとチキン焼いている間に飾り付けをすればいいんだろ。   はぁ〜・・・・。  マックス、目をつけていた木は?バスで半日かかる?もういいよ。庭の木、一本頂戴するよ。  てめぇら、一緒に行って手伝えよな。  グレアムも帰ってきたらとっつかまえて協力させてやる。  パーティの主役だぁ?んなこたぁ、関係ないね。  俺が仕切る、女王陛下のパーティだ。  ジャック!せめてもの演出用に、昨日のビデオテープ貸してくれよ。  え?テープが入ってなかった?うそだろ?そんな大昔の古典的な失敗すんなよ。  あんた一応、医者なんだしさぁ。もう少し慎重に行動してくれよ。  わかったよ。生で唄うよ。グレアムのピアノで・・・・・  病み上がりのあいつにピアノ弾かせるのかって?関係ないね。  どうせ検査入院だ。オペして帰ってくるわけじゃあるまいし。  俺は完璧なパーティを演出するんだ!  え?冒頭の言い分と違う?うるせー!  こんなことならグレアムが入院する前に綿密なスケジュールを立てて欲しかった?  だまれだまれ!!!!!  どんな計画であろうと、俺様が仕切ることに意味があるんだ。   あ。お帰り、グレアム。おつかれさん。  見舞いに行ったとき話した計画とちょっと違っちゃったけど、とりあえず聖天使城に行こうぜ。  え?この木?そうそう、庭の木。いいのかって?いいんだよ。もう、切っちゃったし。  気にすんなって。   いいな、野郎ども。城に入ったら、なんの準備もしてこなかったことを陛下に悟られないようにな。  余裕の笑顔で、にっこり微笑むんだぞ。  サーニン、今から引きつっててどうする!  グレアム、何のことかわからない?いいんだよ、とりあえず。  マックス、逃げるな!   あ。やばい。サリーが切り株見つけやがった。  逃げるぞ!聖天使城に向かって出発だ!   城の扉が開く。  待ちかねていた更紗女王陛下の微笑が俺たちの姿をみて、満面の笑みに変わり・・・・・大爆笑の渦。  陛下、どうなされたのですか?  マックスとサーニンも一緒に笑っている。  待てよ。なんだよ?  グレアム。傷口押さえて座り込んでまで笑うこと無いだろう!え?なに?俺の格好?  俺様は今日一日女王陛下をエスコートする為に真っ白のタキシードで・・・・・  な!?なんだ、俺のこの格好は!  そうだ。昨日、教会で疲れて、そのままベッドに倒れこんで・・・・・ま、まずい。  聖歌隊の衣装のままだ!ぶかぶかのベレー帽もしっかりピンで固定したままだ・・・・・  お、落ち着け、アンジー。俺様は陛下のお気に入りだ。  最近忙しくてヘアーカットもしていない。ちょうどいい具合に陛下好みの長髪だ。  よし。これから先のパーティの準備のことはひとまず忘れよう。  「ケ・セラ・セラ」は陛下の座右の銘ではないか!  まず、陛下の前に歩み寄って跪く。 陛下の御手をとり軽くキス。  そして陛下の瞳を見つめて笑顔で「陛下、お誕生日、おめでとうございます」。  これで、一件落着。   さぁ、パーティの準備を始めよう!
〜 FIN 〜 この物語は昨年のXmasに、三原 順さんの不朽の名作『はみだしっ子』の アンジーが大好きな私にお誕生日のプレゼントとしてぽんた様が書き下ろして下さいました。 ここからは、私のぽんた様への私信です。反転してください。 ぽんちゃん、スンゲー遅くなってゴメンね!! それと、タイトル、本当は『HAPPY BIRTHDAY TO・・・・・』というんですが、 フラッシュバナーの都合で『HAPPY BIRTHDAY』になってしまいましたことを この場をお借りしてお詫び申し上げます。ごめんなさい m(_ _)m それにしても、はみの4人組がオイラのBirthdayを祝ってくれるなんて望外の喜びです! しかも!!アンジーが仕切ってくれるなんて!!!Xmasに生まれて本当に良かったわ♪ 年が明けたら早々にUPするはずが、皇太后の妨害にあい遅々として作業が進まず、 なら、「3月のアンジーのBirthdayに…」と余裕こいてたら、思っても見なかった腰痛の襲撃!! そして気が付けばもう3月も終わり・・・。本当に遅くなりました! みんなももっと早く読みたかったと思います。ご期待通りの面白いストーリーでしたでしょ? ぽんちゃん、本当に蟻が10匹!!(*^o^*) 更紗 拝
ぽんたさま、ありがとうございました。 Tue.30th,Mar.'04 SARASA