アウトライナーとの出会い

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アウトライナーとの出会い

著者:
原文:
原文公開:
1998-02
日本語訳:
日本語訳公開:
2009-02-24
日本語訳更新:
2009-09-26
コメント:
デイブ・ワイナー(Dave Winer)が当時運営していたユーザーランド・ソフトウェア(Userland Software)社の掲示板への投稿を元にしたもので、ワイナーの文章というよりも、投稿者のデビッド・ドラムヘラー(Davil Drumheller)氏の発言をそのまま引用している部分がほとんど。でも、とても面白いです。
書かれたのは1998年の2月。10年以上前のものですが、アウトライナーについて書かれていることは(固有の製品名や環境は別として)、ほとんどそのまま今日に通用するように思えます。文中に登場するThinkTank、GrandView、MOREはいずれもワイナーが80年代に興したリビング・ビデオテキスト(Living Videotext)社の製品で、古典的名作アウトライナーです。

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ここ数週間の間、私はアウトライナー使いの人々について書いている(より詳しく背景を知りたい人は「Scripters & Outliners, 2/2/98」の記事を参照してほしい)。そのうちの1人がデビッド・ドラムヘラー(David Drumheller)だ。これは、アウトライナーが彼の心を捉えて放さなくなったときの話だ。

デビッド・ドラムヘラー:

多くの人は、アウトライナーが彼らにとってどれほど役立つものか、理解していない。ワープロが役に立つというという事実に比べて、それははるかに理解しにくいことなのだ。

あるとき同僚がThinkTank(初期のアウトライナー)について私に教えてくれた。ぜひ使うべきだとその同僚は言った。彼は私のことをよく知っているので、私がThinkTankを重宝するだろうことを確信していたのだ。

私自身はアウトラインに関して、これ以上の助けは必要ないと思っていた。どちらかといえば、私はアウトライン作りが得意なのだ(もちろん「手動の」アウトラインだ)。だから、機会があったにも関わらず、ThinkTankを試してみることはなかった。デモを見てみることさえしなかったのだ。

それから1、2年たったある日、私はある会議に出席していた。会議場では、プロジェクターを使って、ブリーフケースほどのサイズのポータブルコンピューターの画面がスクリーンに映し出されていた。ポータブルコンピューターで動いていたのは、GrandViewというアウトライナーだった。

冒頭、スクリーンに会議のアジェンダが映し出された。私たちはそれに若干の修正を加え、参加者のリストも追加された。一人一人の名前がアウトラインに追加され、私たちはそれぞれの名前のスペルを、入力担当の秘書に伝えた。

会議が進行するにつれて、アウトラインに議事録が追加されていった。参加者は、この道具の有用性をすぐに理解した。アウトラインの修正について、たびたび意見が出た。私たちは、アウトラインラベルのセクションを移動し、トピックの組み立てを修正した。アウトラインのうち、現在進行中の議題の部分だけが開かれ、その他の部分は折りたたまれていたので、私たちは常にアウトライン全体の構成と流れを把握することができた。

主催者は、ホテルからレーザープリンターをレンタルしていた。休憩に入るたびに、アウトラインはプリントアウトされ、ホテルのコピーサービスに持ち込まれた。休憩時間中に目を通すことができるように、アウトライン全体を展開した状態のコピーが全員に配布された。これで、議事進行中には折りたたまれていた部分も確認することができる。休憩時間が終わるたびに、私たちは数分間かけてアウトラインを修正した。

自動的に更新されるアウトラインラベル(番号)は印象的だった。会議が終わると、プリントアウトしたアウトラインを全員が持ち帰った。私たちの全員が参加し、貢献したひとときの成果は、既に形になっていた。

これだ、と私は思った。自分のオフィスに戻ると、私はマッキントッシュの台数分だけMOREを購入するよう手配した(同時に、プロジェクターも手配した)。そのとき以来、公私を問わずMOREは私にとって最も重要なアプリケーションになっている。

つまり、こういうことだ——私がアウトライナーの有益性を理解するためには、実際に体験してみる必要があったということだ。

体験してみる機会さえあれば、より多くの人がアウトライナーを使うようになると私は思う。もちろん、ある種の人々がよりユーザーになりやすい傾向はあるかもしれない。とはいえ、アウトライナーから最大の恩恵を受けるはずの人々が、アウトライナーがどれほど役に立つか理解していない可能性が高い。

もしアウトライナーに市場があるのなら、ターゲットとなるユーザーはアウトライナーの使い方を目にする機会を与えられるべきだ。彼らは多分デモを見には来ない。