私的「真のアウトライナー」

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私的「真のアウトライナー」

アウトライナー、アウトライン・プロセッサー、アイデアプロセッサーと呼ばれるソフトにはいろいろありますが、個人的に使うソフトを選ぶ際には、いくつか条件があります。「真のアウトライナー」は、この条件を満たすべきだと思っているからです。

私的「真のアウトライナー」の条件。

  • 条件1 アウトライナーの基本機能を満たしていること
  • 条件2 1ペイン方式であること
  • 条件3 「本文」と「見出し」を区別しないこと
  • 条件4 ホイスト機能がついていること

もちろん、「アウトライナーとは」、「アウトライナーの機能」で書いた内容は、全てこの条件を満たすものを前提としています。

条件1 アウトライナーの基本機能を満たしていること

アウトライナーの機能」で説明した3つの機能、

  • アウトライン表示の機能
  • アウトラインを折りたたむ機能
  • アウトラインを入れ替える機能

の3機能を持っていることです。当たり前のような気もしますが、世の中にはそうでないソフトに「アウトライナー」とか「アウトライン」という名前をつけてしまうケースもあります(どれとは言いませんが、そのものずばりの商品名のソフトがあります)。

条件2 1ペイン方式であること

アウトライナーの画面は、大きく分けて1ペイン方式と2ペイン方式に分けられます。

1ペイン方式は、アウトラインのトピックも、本文テキストも全て1つのウィンドウの中に表示する方式です。文書を折りたたんで、アウトラインのトピックだけを表示させればアウトライン表示になるし、展開すれば文書全体が表示されます。1ペイン方式は初期のアウトライナーに多くみられた伝統的な形式で、どちらかというとマック用に多くみられます。

pageoutline5.png 1ペイン方式のアウトライナー(マックのOPAL)

2ペイン方式は、ウィンドウを2つに分割し、片方にアウトラインを、もう一方に本文を表示する方式です。多くはウィンドウを縦に分割して、左側のペイン(区画)にアウトラインを、右側のペインに本文を表示します。アウトライン上で項目を選択すると、右側にその項目に含まれるテキストが表示されます。ウィンドウズ用のアウトライナーには2ペイン方式が多いようです。

nami2000.png2ペイン方式のアウトライナー(WindowsのNami2000)

個人的なおすすめは、明白に1ペイン方式です。単純に好みもありますが、アウトライナーの性質を考えると、「本来のアウトライナー」と呼べるのは1ペイン方式だと思うからです(その証拠に、ワイナーによって生み出された最初のアウトライナーは1ペイン方式です)。

最大の理由は、2ペイン方式は「アウトラインと本文は別のもの」という発想でつくられているからです。まずアウトラインを先に作ってから、中身の埋めていくという考え方ならそれでもいいんですが、それはアウトライナーの使い方のごく一部です。ぼくにとってのアウトライナーは、言葉とか気持ちとか考えとか単に思いついたフレーズとか、そういう断片を片っ端からぶち込んで、後からカタチを与えていくものです。そういう使い方では、どこが本文でどこが見出しなのか、ギリギリまで分からないものです。

さらに、2ペイン方式では、本文テキストがどのトピックの下に属しているのか、直感的に把握することができません。一見アウトラインと本文を同時に目にできるようでいながら、「アウトラインはアウトライン」、「本文は本文」として表示しているのが2ペイン方式です。1ペイン方式であれば、あるトピックに属する子トピックは、常に親トピックの下にぶら下がった状態で表示されているので、その関係は一目でわかります。

条件3 「本文」と「見出し」を区別しないこと

1ペイン方式アウトライナーの中には、文書をアウトライン表示に使われる「見出し」と、「本文」に区別しているタイプのものがあります。

これも、2ペイン型と同じ理由で、本当の意味でアウトライナーの自由度を活かしているとは言えません。繰り返すように、そのトピックが最終的に本文になるのか見出しになるのか、あるいは単なるメモ書きなのかは、ぎりぎりまでわからないのです。

Wordのアウトライン機能が、アウトライナーの基本機能をきちんと満たしているにもかかわらず、本当の意味でのアウトライナーとして使えないのは、この理由によります(ただし、完成品のドキュメントとアウトラインを行き来できるという意味で、Wordの思想には独自のメリットがあります)。

理想は全てが「トピック」として扱われ、トピックがそのときどきにつくられる階層関係によって、結果的にときには見出しになり、ときには本文になる、という方式です。見出しになるか本文になるかは、あくまで結果なのです。

条件4 ホイスト(フォーカス)機能がついていること

アウトライナーの生みの親、ワイナーによる初期の名作アウトライナー(ThinkTank、MORE、GrandViewなど)には「ホイスト」と称する機能がついていました。ホイストとは「巻き上げる」という意味で、アウトラインの中のある特定のトピック(と、そのトピックの下位トピック)のみを画面に残して、後は隠してしまうという機能です。同じ機能を、「フォーカス」という名前でよんでいるプログラムもあります(OPAL、Inspirationなど)。

これ、一見何の役に立つかと思うかもしれませんが、長い文章の中の、ある一部分に集中したいとき、この機能は非常に有効です。今、書こうとしている部分と無関係なところを隠してしまうだけで、集中できます。特に複雑で長い文章を書くときには威力を発揮します。この機能は必ずしも絶対条件ではありませんが、あるのとないのとでは大きな違いになります。

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以上、あくまでも偏見なので、「自分はそうは思わない」という人がいても不思議はないし、全くかまわないのですが、少なくとも「文章を書く」ためのアウトライナーは以上の条件を満たすべきだと思います。