黄金時代以後

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黄金時代以後

アウトライナーというジャンルの消滅

残念ながら、アウトライナーの黄金時代は長くは続きませんでした。90年代半ば、Windowsがパソコンの世界を席巻し、アウトライン機能を備えたWordがワードプロセッサーのシェアを支配していくのとは裏腹に、アウトライナーに関する話題は、次第にメインストリームから取り残され、やがてアウトライナーというジャンル自体が衰退していくことになります。

黄金時代を支えた名作ソフトが次々と消滅し、かわりに話題を独占したのは、メーラーやウェブブラウザーなどのインターネット関連ソフト。80年代の名作アウトライナーで、現在まで生き残っているのはInspirationくらいでしょうか。

ワイナーは書いています。「そして、カテゴリー自体が消滅してしまった。何が起こったのか、正確には誰も説明できない」 。ワイナー自身は、アウトライナーのアイデアがあまりに素晴らしかったために、その機能があらゆるジャンルのソフトに組み込まれていったのが原因ではないかとしています。

確かに、アウトラインの折りたたみ・展開の機能は、多くのワープロやエディタに組み込まれ、アウトライン表示の概念を利用したユーザーインターフェイスは、今日いたるところに見られます(Windowsのエクスプローラのツリー表示などがそうです)。

でも、アウトライナー自体がニッチな存在であることは否めません。せいぜい「知っている人は知っているし、知らない人は知らない」という感じです。関連の書籍が刊行されることもまずありません。当時、ぼくが「やられて」しまったような情報(そこにはソフト紹介や活用方法から、アウトライン・プロセッシングの哲学的な意味までが論じられていました)に、興味のない人が触れることがほとんどできないのです。WordやPowerPointの普及率の高さと、その内部に組み込まれたアウトライン機能を実際に使いこなしている人の少なさがそのことを示しています。

今でもアウトライナーがなければ何も始まらない、アウトライナーの中に人生全てが入っているようなカルト的・熱狂的フリークが少なからず存在します。MOREのような80年代後半に開発され、90年代前半には開発が放棄されたソフトを未だに使い続けている人もいます。

生きているアウトライナー

もちろん、今でもアウトライナーは生きています。特にMac OS Xが普及して以降、マックの世界で再びアウトライナーが活性化してきています。これをきっかけに、アウトライナーが復権してくれるといいと思います。

今、使えるアウトライナーをざっとあげてみます(もちろん、他にもたくさんあります)。日本語版が存在する専用アウトライナーとして、Windows用ではNami2000、StoryEditor、Sol、Idea Tree、マック用ではOmni Outliner、iLiner、TAO、OPAL、Windowsとマック両方に対応しているものとしてInspirationなどがあります。

個人的なおすすめは、マックではOPAL、WindowsではSolです。OPALとSolについては、私的おすすめアウトライナーをどうぞ。