case6:未完成の文書は一本のアウトラインに

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case6:未完成の文書は一本のアウトラインに

アウトライナーは一般的に長文の作成に使うものというイメージが強いと思います。

自分自身、昔からのアウトライナーフリークではありますが、わりに最近まで一定以上の長文を書くための(さもなければリスト的なものを編集するためのもの)だという固定観念を捨てられずにいたと思います。でも、考えてみればアウトライナーはひとつの長い文章を作らなきゃならないという決まりはないわけです。

長年アウトライナーを使ってきて、もっとも有効だった使い方のひとつは、実は長文作成ではなく、たくさんの短文を継続的に書き続けることでした。

「たくさんの短文を継続的に書き続ける」ってなんだと思うかもしれませんが、要するにブログです。

ブログを本気で更新するようになったのは2008年頃からでしたが(それ以前にもブログを書いていましたが、自分の中では単なるお楽しみ日記程度の位置づけでした)大量の書きかけ記事の収集がつかなくなって、その整理にOPALを使うようにしました。その使い方があまりにも自然でしっくりきたので、そしてあまりにも有効だったので、今ではブログ以外のあらゆることに同じやり方を応用するようになり、結果的にマックの中に「文書ファイル」というものをほとんど作らなくなってしまいました。

何か書きかけ、作りかけのものは(ブログ記事に限らず)すべて一本の巨大なアウトラインの中に入っていて、完成品の文章は、ブログなりこのサイトなりにアップしてしまうので、結果的に個別の文書ファイルを作るということがなくなってしまうのです(もちろん写真やグラフィック系のファイルは別ですが)。

アウトラインのファイルは、バックアップの意味も含めて、一週間に一度アウトラインのファイル名を変えて、iDisk(別にDropboxでも何でもいいんですが)に保存します。



使い方はとてもシンプルです。

タイトル部分を親項目、内容部分を子項目にした、単純な2階層のアウトラインを創ります。この中に、ブログのネタも年賀状の文面もサイトについての思いつきも、内容も順番も関係なく放り込んでしまいます(思いついた断片をキャッチする過程ではiPhoneがかなり役に立っていますが、これはまた別の機会に)。

blogoutline未完成のブログ記事のアウトライン。「あなたはセクシーではないのか」って何でしょうか(笑)。

時間があるときにタイトル部分だけを表示して、全体を見渡していて、続きを書けそうなものを見つけたら、下の階層を開いて、加筆します。

もちろんアウトライナーなので、眺めているうちに、関係のありそうな断片が見つかったら、アウトラインを入れ替えて、ひとまとめにしておきます。

なんとなくまとまりそうな感じがするものが出てきたら、そのトピックだけ「フォーカス」して、他のトビックを画面から隠してしまいます。新しく思いついたことを書き加えたり前後を入れ替えたり足りない部分を書き足したりします。

このときパラグラフをきちんとつくるのではなくパーツごとにどんどん改行しながら入力していくと、楽です。このパーツごとにアウトライン上で入れ替えられるからです。

8割方出来上がったら、トピックのタイトル部分をつまんでJeditのウィンドウに放り込みます。シンプルなテキスト状態で張り付くので箇条書き状態の文面を、流れのある文章の形に整えていきます(ちなみに、アウトラインをテキストエディタにペーストしたときに、タブ記号が入っていない、単なるべた書きのテキストとして貼り付いてくれる、というのはOPALの隠れた美点です)。

できあがったら、ブログであればブログの投稿画面に、サイトであればBiNDのウィンドウに、紙の文書であればPagesなりなんなりに貼り付けます。

こうやって書くとあまりにもシンプルですが、もっとも劇的に効果があったアウトライナーの使い方のひとつです。



個人的に、長い間、ファイルの管理というのが悩みの種でした。

最大の問題は、いろんなことをランダムに次々に思いついて、しかも今やっていることとは関係ないことを次々に思いついて、注意が拡散してしまうことです。

片っ端から書き留めたとしても、それがどこにあってどんなつながりがあるのかがわからくなくなって、たぶんそんな風にしてカオスの中に飲み込まれて消えてしまったものがたくさんあるわけです。

未完成のものはすべて一本のアウトラインの中に入れるようにしてから、そういうことはほとんどなくなりました。

仕事でも同じ方法が使えれば、例えば覚えておくべきこと例えば誰かに言わなきゃならないこと書かなきゃならないメールすべて一本のアウトラインに入れておくことができれば、状況はずいぶんよくなると感じるけど、残念ながら職場で使えるまともなアウトライナーはなく、職場のパソコンは、相変わらず混乱状態のままです。

ちなみに、この用途に向いているのは、私的「真のアウトライナー」で書いた条件に当てはまるOPAL、Omni Outliner、TAO(以上マック)、Sol(Windows)などのシングルペイン型、かつ見出しと本文を分けないタイプのアウトライナーです。

経験的に、なぜかWordのアウトラインモード(Pagesでも同じです)を使ってみても、それぞれを独立した断片としてうまく扱えないのです。

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