case2:報告書のサマリーをつくる

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case2:報告書のサマリーをつくる

アウトライナー私的ケーススタディその2。ある程度以上の長さのレポートや報告書を作成する場合、そのサマリー(要約)を作成することが必要になる場合があります。たとえば「case1:ヒアリング結果を報告書にする」で作成した報告書の、サマリーを作成しなければならないとします。

よくやる方法は、プリントアウトした紙に蛍光ペンとかでポイントをマークして、マトリクスを作って整理する、というものです。でも文書全体をアウトライナーで作成してあるなら、アウトライナーの機能を使うことができます。サマリー作成に必要な様々な視点から見る作業が簡単にできるからです。

(1)「対象別」のアウトライン

例として、「case1」で作成したレポートのサマリー作成の作業をみてみます。同じようなヒアリングのまとめが、A社からI社までの9社分あるとします。全てをつなげたアウトラインは以下のようになっています(A、B、C社のみ第2階層までアウトラインを開いています)。A社の部分が「case1」で作成した部分に相当します。

summary1.png「対象別視点」によるアウトライン

これは、最上位の項目が取材先の会社名、つまり「取材先別」=「対象別」に組み立てられたアウトラインといえます。この状態で、個別の見出しを開いていくだけでも、サマリー作成の役に立ちますが、より全体をまとめやすいようにアウトラインを組み換えてしまうことにしました。

(2)「調査項目別」のアウトラインに組み替える

まず、まとめ作成用にファイルのコピーをつくります。それから、アウトラインの構成を以下のように組み替えました。もちろん、繰り返すようですが組み換え作業はアウトライナーを使えば簡単です。

summary2.png「調査項目別視点」のアウトライン

組み変えたアウトラインでは、最上位の項目が調査項目になっています。つまり、「調査項目別」のアウトラインです。これは、構成を替えただけでなく、文書全体を見る視点が、「対象」から「調査項目」に変わったことになります

(3)項目ごとにアウトラインを展開する

その上で、「システムの現状」のパートの下位項目を表示させます。すると、「システムの現状」に関する各社の状況を、ひとつながりのドキュメントとして読むことができます。これを参照しながらサマリーをつくっていきます。

summary3.png項目ごとにひとつながりのドキュメントとして参照できる

実際には、上のように第3階層に内容を要約した見出しを立てていたので、ほとんど本文を読まなくても概要を見渡すことができるのがわかると思います。「現状としては、導入が順調に進んでいる企業は例外的な事例で、ほとんどの対象企業では導入に際してなんらかのトラブルを生じており、未だ本格導入に至っていない企業がほとんど。導入失敗のパターンとしては大きく2つ。1つは既に導入されている既存のシステムとの相性。もう1つは、担当者が同システムの必要性を感じていないか、もしくは熱意を持っていないケース……」という感じです。

アウトラインの組み替え=視点の組み替え

アウトラインを組み替えるということは、同じ元テキストを目的に応じたさまざまな視点から眺めるということです。アウトラインの組み替えは視点の組み替えでもあるのです。

当たり前のようですが、アウトライナーという道具がなければ、こうした不定形のデータの視点の組み替えは簡単にはできません。ここでも、組み替える段階では単に見出しの内容に沿って並び替えるだけなので、ほとんどアタマを使う必要がありません(=気力も使わないしストレスもかからない)。内容の検討は並び替えてからゆっくりと行なえばいいのです。内容を検討しながらマトリクスで整理したりする方法と比べると、消耗度は確実に少なくなります。こんなことも、アウトライナーで文書を作ることのメリットといえます。

追記:
ここで見てきたような「視点の組み替え」を、アウトラインの組み替えなしでやってしまう機能が、MOREやThink Tankなどにあった「クローン」という機能です。これは、アウトライン項目を複製して、一方を修正すると片方も同じように修正されるというものです。アウトラインのクローンを作って、一方は対象別のアウトライン、もう一方は項目別に並び替えておけば、二つの視点によるアウトラインを同時に参照しつつ、一方に加えた修正は常にもう一方にも反映されます。

今日入手できて、日本語が使えるアウトライナーで、この「クローン」の機能を持っているものにTAO及びその後継ソフトNeOがあります。