仕事の禅

仕事の禅

著者:
Leo Babauta
原文:
原文公開:
2012-9-13
日本語訳:
日本語訳公開:
2012-9-16
日本語訳更新:
何かをするときには、良くできたたき火のように自分の全てを燃やし尽くし、痕跡を消し去らなければならない。
(鈴木俊隆老師)

仕事の中で、私たちはしばしばストレスに満ちた状況、誰も関わりたくないプロジェクト、腹の立つ同僚、仕事の邪魔をする上司、処理しようのない量のタスクとメール、楽しめない退屈な仕事などの問題に直面する。

これらの問題には、1つのシンプルな原因がある。それは、私たちのこだわりだ。

仕事そのものがストレスを引き起こすわけではない。仕事は単に実行された、あるいは実行する必要のあるアクションにすぎない。ストレスを起こしているのは、仕事に対する私たちの反応だ。物ごとがこうでなければいいのにと願い、それにこだわることがストレスを起こしているのだ。

フラストレーションを引き起こすのは、絶え間ない中断ではない——それらは単に周囲で起こっている出来事にすぎない。葉が落ちたり、鳥が飛んだりするのと同じだ。フラストレーションにつながるのは、中断されるまで行っていたタスクに対する私たちのこだわりだ。タスクが中断されなければいいのにと私たちは願い、中断を引き起こしたあらゆるものに対して憤慨する。その上、私たちの頭はまだ半分やりかけのタスクに向けられている。

同僚や上司の問題でもない。彼らもまた、この世界においてなんとかベストを尽くそうとする人間にすぎない。怒りや苛々を引き起こすのは、彼らがある特定の振る舞いをするべきだ、自分を喜ばせるために彼らが全力を尽くすべきだという考えに対する私たちのこだわりだ。

ストレスの元は処理能力を超えたタスクとメールでもない。その量を前にした私たちの自身の反応だ。それらは単なるリストであり、電話のベルであり、件名の並んだ受信箱にすぎない。それ自体は無害だ。しかし、その全てを処理できるという考えに、それもいっぺんにやらなければならないという考えにこだわるとき、私たちはストレスを受ける。そんなことができるはずはないからだ。全てを意識していたとしても、一度にできることはひとつだけなのだ。

では、どうしたらいいのだろう? それは、手放すことだ。

これこそが「仕事の禅(The Zen of Work)」だ。

手放すことを学ぶ

物ごとはこうあるべきだ。人々は自分のためにこうしてくれるべきだ。全てを同時にできる。こうした考えに対するこだわりを捨てるとき、問題そのものが消えてしまう。単に存在しなくなるのだ。

もちろん、依然として問題はある——仕事はまだそこにあるのだから。しかし欲求不満、ストレス、怒り、苛立ち、押しつぶされるような感覚……こうしたものは、何かにこだわることから来ているのであり、私たちが頭の中で作りだしているにすぎない。私たちは過去に起きたことにもこだわる——誰かがろくでもないことをした。ミーティングで間違った発言をして恥をかいた、プロジェクトが失敗した、といったことだ。もちろんそうしたことにこだわることは痛みの増幅と無限ループをもたらすだけだ。

手放せば、問題そのものが消え去ってしまう。

そのくらいシンプルなのだ。にも関わらず手放すことは簡単なこととは限らない。

それは学びのプロセスだ。まずは心を込めて何かをすることを学ばなければならない。それが全ての鍵だ。そうすることで、痛みを作り出す思考プロセスに気づけるようになる。自分が何にこだわっているのか、見つけ出せるようになる。

心を込めて何かをすることは、今この瞬間に自分を引き戻す助けにもなる。私たちの頭の中で渦巻いているものごとはフェイドアウトしていき、今現在実際に起こっていることの中で生きられるようなる。

他のタスクにも他人による妨害にもこだわることなく、1つのタスクを行う。1つを終え、手放し、次のタスクへと移る。

これには訓練が必要だ。簡単な練習から始めることをすすめたい。たとえば5分間瞑想してから仕事を始めるというような。このシンプルな習慣がうまくできるようになったら、他のタスクにも広げていこう。うまくできるようになったとき、問題は自ら溶けてなくなっていくだろう。

原文では、この後にレオによる「仕事の禅」オンライン学習コース「The Zen of Work Course」の参加案内がありますが、日本語訳では割愛しています。興味ある方は、原文を参照してください。

この記事は、Leo Babauta(レオ・バボータ) さんがUncopyrighted(コピーライトなし)として公開されている記事の日本語訳です。原文同様、この日本語訳もUncopyrighted(コピーライトなし)とします。当サイトの翻訳文書に関するその他の注意事項については、翻訳文書についてをごらんください。