子どもたちが身につけるべき9つのスキル

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子どもたちが身につけるべき9つのスキル

著者:
Leo Babauta
原文:
原文公開:
2012-2-14
日本語訳:
日本語訳公開:
2012-7-22
日本語訳更新:

今日の学校制度の中で学ぶ子どもたちは、明日の世界に生きるための準備が充分にできてはいない。

私は企業の世界から行政の世界へ、そして絶えず変わり続けるオンラインの世界へと移ってきた人間だ。だから昨日までの世界のあり方がいかに急速に時代に合わなくなってきているか知っている。私は新聞業界で修行したのだが、そこでは誰もが自分たちは永久に時代遅れになることはないと信じていた。しかし今、新聞は馬車と同じ運命を辿るだろうと私は考えている。

残念なことに、私が教育を受けた学校制度は、はやりすたりによる些細な変化を除けば、世界は本質的に普遍であるという前提に立っていた。私たちは、2000年代に何が起こり得るかではなく、1980年代に最も必要とされる仕事を前提にした技能の訓練を受けたのだ。

20年後の生活がどんなふうになっているかなど、誰も本当には知り得ないということを考えれば、それもわからないではない。1980年代のことを考えてみよう。パーソナル・コンピューターはまだ生まれたばかり、ファクスが最先端のコミュニケーション・テクノロジーで、今日私たちが知るようなインターネットは、ウィリアム・ギブソンのような空想科学小説作家の夢でしかなかった時代だ。

世界が自分に何をもたらそうとしているかなど、私たちには知りようがなかったのだ。

そして、ここにひとつの事実がある。今も私たちは知らないままなのだ。永久にそうなのだ。私たちが未来をうまく予測できた試しはない。だから、将来についてわかっているかのように子どもたちを育て、教育することは、賢明とは言えない。

では、予測できない未知の世界に子どもたちを備えさせるには、どうしたらいいのだろう。それは、適応することと変化に対応することだ。特定の何かを想定しないことによって、どんなことにも備えられるようにすることだ。この考え方は、子育てと教育に関して全く異なるアプローチを要求する。古い考え方を捨て、全てを再発明することを意味するからだ。

目を見張るむほど美しい妻のエヴァ(そう、私は非常にラッキーな男なのだ)と私は、既にこれを実行している。私たちは子どもたちをホームスクーリング(家庭での教育)している。より正確にはアンスクーリング(学校に行かせない)しているのだ。上から知識を与えて身についたか試験するのではなく、子どもたちが自ら学ぶことを教えているのだ。

それは未開の荒野を開拓するようなものだと認めよう。そしてアンスクールを試みている誰もが認めるように、私たちは全ての答えを持っているわけではないし、こうすればいいという「ベストプラクティス」もない。しかしもう一つわかっていることは、私たち自身が子どもたちと共に学んでいるということ、そしてわからないことが悪いこととは限らないということだ——確立されてはいるが必ずしも最適ではないかもしれない方法に頼ることなく、新たに見つけ出していく機会でもあるからだ。

ここでは方法論には深く立ち入らないことにしよう。方法はアイデアほどには重要でないからだ。方法なら、何か興味深いアイデアを試みる中で無限に浮かんでくる。だからここで方法論について語ることは、制約になってしまう。

代わりに、子どもたちが学ぶべき必須のスキルだと私が信じているものを紹介しよう。将来世界がどのようになっても、可能なかぎり対応できるようにさせてくれるスキルだ。これらのスキルは、三つの異なる業界で私が学んだことがベースになっている。特にオンライン起業、オンライン出版、そしてオンライン生活……そしてもっと重要なのは、決して止まることなく変化し続ける世界で学び、仕事をし、生活する中で身につけてきた物ごとだ。

1.質問すること。

学習者としての子どもたちに私がいちばん求めたいのは、自分で学べるようになることだ。どんなことも自分で身につけられることだ。それができれば、私たちは何も教える必要がなくなる——将来何かを学ぶ必要が生じれば、自分で学べるのだから。自分で何でも学べるようになるための最初のステップは、質問するようにすることだ。幸いなことに、子どもたちはこれを自然に行う——私たちの望みは、単にそれを助けることだ。そのための最高の方法は、お手本を示すことだ。一緒にいて何か新しいことに出会ったら、子どもと一緒になって質問し、どんな答えがあり得るのか一緒に考えよう。子どもが何かたずねたら、叱るのではなく褒めよう(どれだけの大人が子どもの質問の芽を潰している知ったら、あなたは驚くかもしれない)。

2.問題を解決すること。

問題を解決できれば、その子はどんな仕事でもできる。初めての仕事は誰にとっても怖いものかもしれないが、実際には解決されるべき新たな問題にすぎない。新しいスキル、新しい環境、新しいニーズ……そうしたものは全て、解決されるべき問題にすぎないのだ。問題を自分で解決できるようにするには、まずお手本としてシンプルな問題を解決して見せてから、容易なものを自分でやらせてみよう。子どもが抱える問題の全てを、すぐに解決してしまってはいけない。その子自身で問題をあれこれ考えさせ、可能な解決策をいろいろと試させよう。そうした努力にはご褒美をあげよう。やがて自分の問題解決能力に対する自信が芽生えてくる。そうなれば、その子にできないことはなくなる。

3.プロジェクトに取り組むこと。

私はオンライン起業家として、自分の仕事はプロジェクトの連続であり、時には互いに関連し、時には小さく時には大きい(それは多くの場合、より小さなプロジェクトがまとまったものだ)ことを理解している。また、自分が手をつけられないプロジェクトなど存在しないということもわかっている。なぜなら私は非常にたくさんのプロジェクトを達成してきたからだ。この記事を書くこともプロジェクトだ。本を書くこともプロジェクトだ。本を売ることもプロジェクトだ。子どもと一緒に何かプロジェクトに取り組もう。一緒にやることを通じて、どんなふうに進めればいいのかを示すのだ。次にその子自身が担当する部分をだんだんと増やしていく。子どもが自信をつけるにつれて、自分ひとりで取り組むものを増やしていく。やがて、夢中になれるプロジェクトに次々と取り組むことが、その子にとっての勉強そのものになる。

4.情熱を見つけること。

私を動かしているのは目標でも規範でも外部からの動機付けでも報酬でもない……私を動かしているのは情熱だ。何かに夢中になるあまり頭から離れなくなってしまえば、必然的に100%そのことにコミットすることになる。そしてほとんどの場合、私はそのプロジェクトを楽しみ、達成する。子どもが情熱を持てる何かを見つけられるよう手助けしよう。それはつまり様々なことにトライし、夢中になれることを見つけ、それを本当に楽しめるようにするということだ。子どもの興味関心を邪魔してはいけない——奨励し励ますのだ。楽しむことを邪魔してもいけない。むしろ褒めるようにしよう。

5.自立すること。

子どもたちには、次第に自立していくよう教えるべきだ。もちろん少しずつ。ゆっくりと、自分だけで何かをするようにしていこう。やり方を教え、お手本を示し、手助けする。手助けを減らし、自分で失敗をさせる。数多くの成功を体験し、自分で失敗を克服することで、自信を持たせる。いったん自立したら、やるべきことを教えてくれる教師も両親も上司も必要ないことを子どもたちは学ぶだろう。子どもたちは自分自身でなんとかできるし、自由に行動できる。そして、自分で進むべき方向を見つけることができる。

6.ひとりで幸せになること。

私たち親のあまりに多くが、子どもたちを甘やかし、束縛し、親の存在抜きに幸せを感じられないようにしてしまう。大きくなった子どもたちは、どうやって幸福になればいいのかわからない。すぐにガールフレンドや友だちに執着するようになる。それがうまくいかないと、今度は他の外的な何かに幸福を見いだそうとする——買い物、食べること、ビデオゲーム、インターネットなどだ。自分で幸福になることを小さい頃から学んでいれば、その子は最も価値あるスキルのひとつを身につけたことになる。小さいうちから子どもをひとりにさせよう。プライバシーを与え、両親も子どももひとりになれる時間(例えば夜の時間)を作ろう。

7.思いやること。

これまでの中で最も必要なスキルのひとつ。他人と一緒に何かをするためにはこれが必要だ。自分だけでなく他人にも気遣いをするためにも、人を幸せにすることを通じて自分が幸せ感じるためにも必要だ。鍵は、思いやりのお手本を示すことだ。子どもに対しても他人に対しても、常に思いやりを持とう。人はどんな風に感じると思うか子どもに質問する。あなた自身は人がどう感じると思うか、口に出して考えること。そうすることを通じて、人に共感することを教えよう。可能なときには苦しんでいる人を助けること、小さな親切を通じて人を幸せにすること、そうすることが自分の幸福として返ってくるということを、あらゆる機会を捉えて示そう。

8.寛容であること。

私たちは、誰もが(少なくとも見た目には)ほとんど同じに見える場所に隔離されて育つことがあまりにも多い。そして違って見える人に触れると居心地悪く感じ、ショックを受け、怖れを感じることになる。様々な種類の人々に子どもたちを触れさせよう。異なる人種、異なるセクシュアリティ、異なる精神状態まで。違っていてもOKだということだけでなく、むしろ祝福されるべきことだということ、人生を素晴らしいものにしているのは、この多様性なのだということを示そう。

9.変化に対応すること。

これが、子どもたちの成長のための最重要スキルの一つになると信じている。世界は常に変わり続けている中で、変化を受け入れ、変化に対応し、変化の流れの中を航海していけるということは、競争上のアドバンテージになるからだ。このスキルについては私自身も学び続けているところだが、大きな力になると感じている。私が変化する状況に対応している間も、変化を怖れて抵抗し、設定した目標と計画に頑固に執着する人と比較すると特にそうだ。変化する環境の中では、厳格性は柔軟性と流動性ほど助けにならない。ここでもまた、あらゆる機会を通じてお手本を示すことが重要になる。変化は良いことであり、変化に対応できること、これまでになかった新しい機会を受け入れられることを示すのは特に重要だ。人生は冒険だ。物ごとはうまくいかず、期待とは違う結果になり、あらゆる計画は破綻する——それは人生の面白さの一部なのだ。未来が何をもたらすかわからない中で、これさえ学んでおけばいいという知識を子どもたちに与えることはできないし、目指すべきキャリアを示すこともできない。しかし、どんなことにも対応し、どんなことも学び、どんなことも解決できるよう準備させることはできる。そして20年後くらいに、私たちに感謝してくれるように。

この記事は、Leo Babauta(レオ・バボータ) さんがUncopyrighted(コピーライトなし)として公開されている記事の日本語訳です。原文同様、この日本語訳もUncopyrighted(コピーライトなし)とします。当サイトの翻訳文書に関するその他の注意事項については、翻訳文書についてをごらんください。