賞与計算の実務
賞与計算の一連の流れを説明しています。
社会保険料の料率が毎年のように変更されて
いますので、賞与計算の際には注意しましょう。
1.賞与支払届の提出
@賞与の支払いは必ずしなければならないものではありません。会社の業績により、支払いが出来ない期もあるでしょう。そういう場合にそなえて就業規則には「賞与は、原則として毎年○月○日及び○月○日に在籍する従業員に対し、会社の業績等を勘案して○月○日及び○月○日に支給する。ただし、会社の業績の著しい低下、その他やむを得ない事由がある場合には、支給時期を延期し、又は支給しないことがある。」と規定しておくことが大切です。
A賞与の支払い(3ヶ月を超える毎に1回支払いがあるもの)があった場合は、支払日から5日以内に(「健康保険厚生年金保険 被保険者賞与支払届」以下「賞与支払届」といいます)を社会保険事務所に提出しなければなりません。
B下記の2種類の届出が必要となりますが、賞与支払予定月の前々月の被保険者情報に基づき印字がなされた届出書、またはその情報が登録されたフロッピーディスクが送付されます。
・「賞与支払届」
届出用紙、またはフロッピーディスクにて届出します。
被保険者個人ごとの標準賞与額等の記入が必要です。
フロッピーディスクによる提出の場合は、「磁気媒体届書総括表」を添付する必要があります。
※70歳以上75歳未満の方は、「厚生年金保険70歳以上被用者 算定基礎・月額変更・賞与支払届」で届け出ることが必要です。
(注)標準賞与額は実際に支給された賞与額から1,000円未満を切り捨てた額のことをいいます。健康保険の上限額は1年間(4月から翌年3月まで)を通算して540万円、厚生年金保険と児童手当拠出金は1回当り150万円です。
・「賞与支払届総括表」
賞与の支払がない場合でも、この届出書により「不支給」の届出が必要です。
フロッピーディスクにより「賞与支払届」を提出する場合も、この総括表を必ず添付
することが必要です。
(注1)賞与支払月の登録がなければ届出用紙の送付はありませんが、賞与を支給したときは必ず届出をして下さい。
(注2)賞与の支払が、年4回以上の場合は、給与とみなし、標準報酬月額の対象となります。
2.賞与より控除されるもの
賞与よりは、下記の項目が控除されます。
@社会保険料(健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・雇用保険料)
A源泉徴収税額(所得税)
B上記以外の控除項目(但し、労使協定に基づくものに限る)
3.社会保険料の控除
社会保険料の控除の計算は、標準賞与額(各従業員の実際の賞与額から1,000円未満を切り捨てた額)に保険料率を乗じて算出します。
@健康保険料・介護保険料の控除額(保険料率については社会保険料の計算方法参照)
【事例】 賞与額725、400円、45歳の従業員の場合の控除額
725,000円×9.43/100×1/2=34,183.75円
小数点以下は50銭以下切捨て 51銭以上切り上げなので、34,184円
(注)健康保険の場合、標準賞与額は1年間(4月から翌年3月まで)通算して540万円が限度です。
A厚生年金保険料の控除額(保険料率については社会保険料の計算方法参照)
【事例】 賞与額725、400円、45歳の従業員の場合の控除額
725,000円×14.642/100×1/2=53,007円
小数点以下は50銭以下切捨て 51銭以上切り上げなので、53,007円
(注)厚生年金保険の場合、標準賞与額は1回につき、150万円が上限となっています。
4.雇用保険料の控除
雇用保険料は、賞与額に6/1000を乗じて算出します。
【事例】賞与額725,400円、45歳の従業員の場合の控除額
725,400円×6/1000=4,352、4円
小数点以下は50銭以下切捨て 51銭以上切り上げなので、4,352円
(注)雇用保険料は、標準賞与額ではなく、実際に支給された賞与額に対して保険料率を乗じて求めます。
5.所得税の控除
@原則として「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使用 します。
A「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使い、次の様にして源泉所得税を計算します。
B「賞与の支給総額から社会保険料を控除した後の金額」×「税率」
C税率は、「賞与に対する源泉徴収額の算出率の表」を使用して次のように求めます。
算出率の表の甲・乙欄使用(月額表と同じ)
扶養控除申告書等を提出している人・・・甲欄を適用
扶養控除申告書等を提出していない人・・・乙欄を適用
6.控除したものの納付
@健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料
社会保険事所は、翌月の保険料納入告知書で一般の保険料と一緒に通知を行うので、毎月の一般保険料及び事業主負担分と合算して、翌月末までに納付します。
A雇用保険料
毎年1回、5月20日までの年度更新にて給与と合算して精算、事業主負担分を加算し納付します。
B源泉所得税
原則として、賞与を支払った月の翌月10日までに、賞与を支払った月に支払った給与から源泉徴収した所得税を納付するのと同じ納付書を使い、一緒に納付します。
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