傷病手当金
傷病手当金は、私傷病で労務不能となり、給与の支給がなくなった場合に
健康保険から給与の一部が現金で給付される制度です。傷病手当金は、退職
後も一定の条件を満たせば、在職中から引き続き給付を受けることが出来ます。
1.傷病手当金
【傷病手当金とは】
私傷病で欠勤し給料が支給されない場合、安心して療養に専念出来るように健康保険から賃金の一部に相当する現金が給付されます。これが傷病手当金です。
【傷病手当金の受給要件】
傷病手当金の支給を受けるには、次の4つの要件を全て満たすことが必要です。
1.療養のため労務に服することが出来ないこと。
※療養には、自費診療、自宅療養も含まれます。
※労務不能であるか否かは、その被保険者の従事する業務の種別を考え、その本来の業務に従事できるかどうかを標準として社会通念に基づいて判断します。
2.労務不能の日が継続して3日間あること。(これを待期期間と呼びます)
この3日間には、土曜日、日曜日、祝日を含みます。
従って、次のように傷病により継続して3日間労務不能の状態にあれば、この受給要件を満たします。
1月9日(金)、10日(土)、11日(日)
また、1月14日(水)、15日(木)、16日(金)が全て有給休暇であっても傷病により労務不能の状態にあれば、この受給要件を満たします。
傷病で労務不能となり就業時間内に早退した場合は、その日から期算して3日間で待期期間は完成します。また、就業時間後傷病で労務不能となった場合は、翌日から起算して3日間で待期期間は完成します。
傷病手当金は、待期期間の3日間は支給されませんので、この3日間以外に最低1日の傷病による労務不能の日が必要です。この日は、原則として報酬が支払われていないことが必要です。
なお、この傷病による労務不能の日は医師による証明が必要です。従って、傷病手当金の受給のためには、通院または入院が必要です。
3.上記2の連続する労務不能3日間の後、同一の傷病による労務不能により報酬の支払がない日があること。
原則として、労務不能により報酬の支払いがないと傷病手当金は受給できません。
しかし、報酬が支払われた場合で、支払われた報酬の1日当たりの額が傷病手当金の1日当たりの支給額より少なければ、その差額が支給されます
4.健康保険(協会けんぽ又は健康保険組合)の被保険者であること。
※健康保険の被扶養者には、傷病手当金は支給されません。
※国民健康保険の被保険者、任意継続被保険者(資格喪失後の継続給付受給中の方は除きます)にも傷病手当金は支給されません。
【傷病手当金の支給金額】
労務不能1日につき、標準報酬日額の3分の2(月給日額の約66%)の金額が支給されます。
【傷病手当金の支給額計算方法】
【事例】
うつ病のため、3月1日から30日の30日間、通院(自宅療養)のため、労務不能であった人の傷病手当金の支給額を計算してみましょう。
毎年7月1日現在で、4月〜6月の月給(基本給、諸手当、残業代、通勤交通費込み)の平均額を計算します。この人の場合、その平均月給額が、376,000円であったとします。そして、この平均月給額額を「健康保険料額表」に当てはめ、この人の場合、「標準報酬月額」は、380,000円と決定されます。これを「定時決定」と呼んでいます。
定時決定で決定された「標準報酬月額」は、原則として、その年の9月から翌年の8月まで適用されます。
この人の標準報酬日額は、標準報酬月額を30でわり、10円単位としますので、次の通り12,670円となります。
380,00円÷30=12,667円 → 12,670円
1日あたりの傷病手当金は、標準報酬日額に3分の2を乗じたものですから、次の通り8,447円となります。
12,670円×2/3=8,447円
この傷病手当金日額に労務不能日数27日(最初の連続する3日間の待期期間は傷病手当金が支給されませんので、30日ー3日=27日となります)をかけます。
8,447円×27日=228,069円
この人の場合、228,069円の傷病手当金が支給されます。
2.傷病手当金と月給・公的給付等との調整
傷病手当金と月給や障害年金等の公的給付がダブルで支給がされる場合には、傷病手当金が支給されないか、傷病手当金の一部が支給されます。
【傷病手当金と月給との調整】
傷病手当金は、月給の全部又は一部が支給される場合、この間は支給されません。但し、その受ける月給が、傷病手当金より少ない日については、その差額が支給されます。
この傷病手当金と月給との調整規定には誤解が多いようです。例えば、傷病手当金受給中にリハビリ出勤として1日出勤し、半日分の給与が支給されたします。するとこの調整規定により、傷病手当金日額と1日当たりの出勤手当の差額が支給されると考える人がいるよう様ですが、これは誤解です。
リハビリ出勤といえども出勤は出勤です。つまり労務不能の状態ではない訳です。従って、この日は、そもそも傷病手当金の支給対象日ではありません。
上記の傷病手当金と月給との調整規定は、欠勤した日に月給の全部又は一部が支給される場合の調整規定であることを理解する必要があります。
【傷病手当金と出産手当金との調整】
傷病手当金と出産手当金が両方支給される日にあっては、出産手当金が支給され、傷病手当金は支給されません。
傷病手当金が先に支給されたときは、出産手当金の内払とみなされます。
【傷病手当金と障害厚生年金・障害手当金との併給調整】
同一の傷病により障害厚生年金又は障害手当金が支給されるときは、1年6ヶ月未経過でも傷病手当金の支給が打ち切られます。
但し、1日当りの傷病手当金の額が障害厚生年金(同時に障害基礎年金が支給される場合は合算額)の1日当りの額より多い場合は、その差額が支給されます。
障害手当金の支給を受けたときは、障害手当金の額に達するまで傷病手当金は支給されません。
同一の傷病により障害基礎年金のみ支給される場合は、傷病手当金は同時に支給されます。
同一の傷病によらない障害厚生年金と傷病手当金は、同時に受給出来ます。
【傷病手当金と休業補償給付との併給調整】
労災保険の休業補償給付を受けている間は、傷病手当金を受給することは出来ません。
但し、1日当りの傷病手当金の額が休業補償給付の1日当りの額より多い場合は、その差額が支給されることがあります。
【傷病手当金と老齢退職年金給付との調整】
傷病手当金の支給を受けるべき者(資格喪失後の継続給付受給者(注)に限る)が、老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付(老齢退職年金給付)の支給を受けることが出来る時は、傷病手当金は支給されません。
但し、老齢退職年金給付の額を360で除して得た額と傷病手当金の日額を比較し、支給される老齢退職年金給付の額が傷病手当金の額より低い場合は、その差額が支給されます。
(注)資格喪失後の継続給付受給者とは、退職後引き続き傷病手当金を受給している者のことです。
【傷病手当金と傷病手当金との調整】
A疾病で労務不能となり傷病手当金受給中に、B負傷により労務不能となった場合、B負傷に関しても待期期間を経て、4日目から傷病手当金が支給されます。但し、支給金額はA疾病及びB負傷によるものと合算し、標準報酬日額の3分の2が限度額となります。また、B負傷による傷病手当金は、待期期間経過後4日目から最長1年6か月が支給期間の限度となります。
3.傷病手当金の支給期間
傷病手当金を受給できる期間には限度があります。
【傷病手当金の支給期間】
傷病手当金の支給は、同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病に関して、支給を始めた日から起算して1年6月が限度です。なお、労務不能となった最初の3日間は支給されません。1ヶ月に1度位の間隔で請求すれば良いでしょう。
ただし、ここでいう1年6か月とは傷病手当金支給の実日数ということではなく、暦の上での1年6か月ということですから支給開始日より1年6か月たてば同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病では傷病手当金は支給されません。この間に働いても、同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病が悪化して再び仕事ができなくなったときは、1年6か月までの間なら何度でも傷病手当金の支給を受けることが出来ます。待期期間(労務不能の日が継続して3日間あること)は不要です。
同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病の場合は、完治しない場合は、1年6ヶ月が限度ですので、それ以降傷病手当金は支給されません。支給を受けた病気と関連のない病気や負傷にかかった場合や以前の病気が完治(社会的治癒を含む)し、その後再発した場合は、支給されます。この場合、待期期間が必要となります。
【傷病手当金と社会的治癒】
社会的治癒とは、同じ病気であって一定期間薬を飲んでいないとか、病院に通院していない場合に病気が治癒したものと扱うことです。
厚生労働省の通達では、「社会的治癒とは、医療を行う必要がなくなり、社会的に復帰している状態をいう。薬治下又は療養所内にいるときは、一般社会における労働に従事している場合でも社会的治癒とは認められない」ことになっています。結核、糖尿病では「3年くらい」薬を飲んでいない、通院、入院していないことが必要です。
※傷病手当金は、支給開始後最大で1年6ヶ月間支給されます。しかし、その後も治療が必要な場合があり、経済的な不安があります。そんな時には、障害年金の受給を考えてみてはどうでしょう。障害年金についてはこちらをご覧下さい。
4.傷病手当金の受給手続き
傷病手当金を受給するには、所定の手続きが必要です。
【傷病手当金の在職中の受給手続の流れ】
@会社の総務担当者又は保険者(協会けんぽの都道府県支部または健康保険組合)から、「健康保険傷病手当金支給申請書」(以下「申請書」と省略)の用紙を入手します。協会けんぽまたは健康保険組合でホームページを立ち上げている場合は、そのサイトからダウンロードすることも可能です。
A「申請期間」は、「平成○年○月○日(傷病により労務不能状態が開始した日)〜平成○年○月○日(通常は、申請期間の初日から1か月後の日を記入しますが、必ずしも1か月後の日である必要はありません)」とします。第2回目以降の申請期間の初日は、第1回目の申請期間の末日の翌日から1か月(必ずしも1か月である必要はありません)後の日とします。以下、同様です。
B医師に「療養担当者が意見を記入する欄」を記入してもらいます(費用は300円)。この医師への記入依頼は、「申請期間」の末日以降となります。
C「被保険者本人記入欄」を本人が記入します。
D会社に送付します。会社は、「事業主が証明する欄」を記入します。
E会社は、記入済みの「申請書」を保険者(会社を管轄する協会けんぽの都道府県支部又は健康保険組合)に必要添付書類(賃金台帳、出勤簿又はタイムカードの写し)を添えて提出(郵送)します。
F保険者で審査が行われ、傷病手当金の支給・不支給が決定されます。
G傷病手当金請求者に、支給決定の場合は、「支給決定通知書、振込金額」が通知されます。不支給決定の場合は、「不支給決定通知書」が送付されます。
H支給決定者の場合は、上記通知書と同時か、1〜2日後に指定口座に傷病手当金が振り込まれます。
【傷病手当金の退職後の受給手続の流れ】
次の2つの場合に分かれます。
1.「申請書」の「申請期間」に会社在籍期間が含まれている場合 → 上記「在職中の受給手続きの流れ」と全く同様です。
2.「申請書」の「申請期間」に会社在籍期間が含まれていない場合
この場合は、上記D及びEが不要です。すなわち、「申請書」用紙を入手し、医師に「療養担当者が意見を記入する欄」を記入してもらい、「被保険者本人記入欄」を本人が記入し、本人が直接、保険者(会社を管轄する協会けんぽの都道府県支部または健康保険組合)へ「申請書」を提出(郵送)します。
【傷病手当金の受給時期】
「健康保険傷病手当金支給申請書」を会社に提出後、会社が所定の証明を行い、1週間以内に保険者(協会けんぽ又は健康保険組合に提出すれば、3〜5週間以内に傷病手当金は指定の銀行口座に振込まれます。
【傷病手当金と税金】
傷病手当金は保険給付ですから非課税です。所得税も住民税もかかってきません(住民税は前年度の所得に対して課税されますので、翌年の住民税が傷病手当金分は非課税となります。
【傷病手当金と傷病手当】
傷病手当金は、健康保険法上の保険給付です。それに対し、傷病手当は、雇用保険法上の保険給付です。すなわちハローワークで基本手当(失業手当)を受給中の者が、傷病により15日以上求職活動出来ない場合に、基本手当に代わって支給されるのが、傷病手当です。
5.傷病手当金と時効
傷病手当金の時効は2年です。注意が必要なのは、この時効期間は、傷病手当金を受給出来る日ごとに2年と数えることです。
従って、傷病手当金は支給開始後最大1年6ヶ月間支給されることとなっていますが、受給開始可能状態にある日以降1日毎に時効が進行していきますので受給可能状態になっているにも係らず、その状態から2年6ヶ月後(1年6ヶ月の支給終了日から1年しか経過していない)に請求しても傷病手当金が受給出来ない日が出てきます。
このケースでは、最大1年分の傷病手当金しか受給出来ません。
傷病手当金は、請求可能状態になれば、1ヶ月単位で早めに請求されることとをお薦めします。
6.退職後の傷病手当金(資格喪失後の継続給付)
会社を退職し、健康保険の被保険者資格を喪失すると傷病手当金は、原則として受給出来ません。但し、被保険者の資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者であった者であって、その資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けているものは、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者(全国健康保険協会又は○○健康保険組合)からその給付を受けることが出来ます。これを資格喪失後の継続給付と言います。
【退職後の傷病手当金の受給要件】
退職後も傷病手当金の支給を受けるには、次の4つの要件を全て満たすことが必要です。
1.退職日に健康保険の被保険者期間(任意継続被保険者、共済組合、国民健康保険の被保険者期間は含みません)が継続して1年以上あること。
※ 間に空白期間が1日もなく組合管掌健康保険と協会けんぽを合算して1年以上被保険者期間があれば条件を満たします。なお、共済組合加入期間・任意継続被保険者期間・国民健康保険加入期間との合算は出来ません。
※ この要件を満たされていない方は、健康保険がある会社に入社して健康保険の被保険者となり、1年以上勤務することが必要です。
※ 以前勤務した会社で健康保険被保険者であった場合は、退職日の翌日から健康保険がある会社に入社して健康保険の被保険者となり、その会社の退職時に健康保険の被保険者期間が継続して1年以上あることが必要です。
2.退職時に傷病手当金を受給しているか受給要件を満たしていること。
※ 「退職時に傷病手当金の受給要件を満たしていること」とは、在職中に私傷病による療養のため労務不能期間が連続して3日あり、傷病手当金受給可能日(私傷病による労務不能日)が1日以上あったが、在職中は、傷病手当金を受給しなかった場合や在職中に傷病手当金の申請をしなかった場合などをいいます。
※ 上記の通り、「退職時に傷病手当金の受給要件を満たしていること」でこの要件を満たすこととなりますので、在職中に必ず受給していることや在職中に受給申請していることまでを要件としているものではありません。
3.退職日以前および退職日以後も継続して傷病により労務不能状態が継続していること。
※ 在職中から退職日をはさんで退職後も引続き私傷病により労務不能の状態にあることです。(医師の意見が必要)
※ 退職日に挨拶廻り、私物の引き取り、引き継ぎ等で出社し、出勤扱いされると、傷病手当金の継続給付の要件が途絶え、退職後の傷病手当金は不支給となる可能性があります。
4.退職時に傷病手当金の支給が開始されてから1年6ヶ月未満であること。
※ 傷病手当金の給付は、同一の傷病及びそれに関連する私傷病につき1回当たり最長歴日で1年6ヶ月間支給されるためです。
これは、退職後の傷病手当金の受給期間においても同じです。
すなわち、退職後の傷病手当金は、原則として在職中に傷病手当金の支給が開始され、退職日をはさんで最長1年6ヶ月間支給されます。
【保険料を支払わずに受給出来る保険給付】
退職後の傷病手当金(資格喪失後の継続給付)は、会社を退職し健康保険の資格を喪失し、保険料を支払う必要がなくなったあとも引き続き保険給付として受給出来る制度です。
最低限1年間の保険料を支払えば、退職後は保険料を支払わなくても、在職中の健康保険の保険者(協会けんぽ、健康保険組合、共済組合等)から、退職後も支給開始から最長1年6か月も受給出来る大変お得な制度と言えます。この退職後の傷病手当金に関しては、よく誤解があります。
退職後は、新しい病気等に備えて任意継続保険や国民健康保険に加入しなければならない訳ですが、傷病手当金はこうした保険制度から支給されていると思っている人が多いのが実情です。しかし、これは誤解です。上記の通り、在職中の健康保険の保険者から支給されます。
退職後に傷病手当金を受給するためには、退職後「任意継続保険」に加入しなければならないと記入してあるサイトもあれば、退職後に「任意継続保険」に加入しても傷病手当金は受給出来ないと書いてあるサイトがあります。
この情報は、正しいとも言えますし、正しくないともいえます。インターネットの世界では、古い情報も訂正されることなく掲載されていますので、その情報が、いつの情報なのか確認しないと正しい情報を身につけることは出来ません。実は、健康保険法が平成19年4月1日に改正され、傷病手当金に関しても改正されたのです。
【平成19年3月31日以前】
この時期は、退職後に傷病手当金を受給出来る方法が二つありました。ひとつは、退職後も任意継続保険に加入する方法。もう一つは「資格喪失後の継続給付」として傷病手当金を受給する方法です。
この時代の問題点は、任意継続する場合、例えば協会けんぽの場合は、標準報酬月額が28万円に固定され、これに基づき保険料も傷病手当金日額も決定されることとなります。標準報酬月額が50万円の人も28万円に強制的に引き下げられ、それに従い傷病手当金日額も低下しますので、これを避けるために国民健康保険に加入し、「資格喪失後の継続給付」として傷病手当金を受給する人もいました。
この時代に書かれたサイトでは、退職後も傷病手当金を受給するには、任意継続保険に加入する必要があると書かれていることが多いでしょう。
【平成19年4月1日以降】
現在では、退職後に傷病手当金を受給する方法は一つしかありません。「資格喪失後の継続給付」として退職後も傷病手当金を受給する方法です。
従って、例えば、退職後、協会けんぽの任意継続保険に加入しても、退職時に標準報酬月額が50万円の方は、任意継続保険の保険料計算の基礎となる標準報酬月額である28万円に減額されることはありません。
退職後に任意継続保険に加入しても傷病手当金という給付がなくなりましたので、退職後任意継続保険に加入し、新しく傷病に罹り労務不能状態になっても傷病手当金は支給されません。(「資格喪失後の継続給付」受給者を除きます)
従って、平成19年4月1日以降書かれたサイトでは、退職後、任意継続保険に加入しても傷病手当金は支給されませんと書かれているサイトが多い訳です。
7.退職後の健康保険
退職後の傷病手当金は「資格喪失後の継続給付」から受給出来るとはいえ、傷病の治療費は自己負担3割で治療を受けることが出来るように、退職後は、任意継続保険、国民健康保険のいずれかに加入する必要があります。
退職後の健康保険の詳細は、こちらをご覧下さい。
8.傷病手当金と役員
健康保険では、法人が使用者となり、社長や役員は75歳未満までは被保険者となることが出来ます。なお、社長や役員は労働基準法上の労働者ではありませんので、失業保険(雇用保険)や労災保険の被保険者となることは、原則として、出来ません。
社長や役員の場合でも下記の条件をすべて満たせば、傷病手当金を受給することが出来ます。
@ 療養のため労務に服することが出来ないこと。(医師の意見が必要)
A 労務不能の日が連続して3日間あること。
B 上記A以降で労務不能のため報酬の支払いがない日があること
C 健康保険の被保険者であること。
社長や役員は役員報酬が定められており、私傷病での欠勤があっても通常役員報酬が支払われますので、Bとの関係が問題となります。
そのため、「私傷病による欠勤がある場合は役員報酬を支給しない」旨を取締役会で決議し、傷病手当金支給申請書を保険者(協会けんぽの都道府県支部又は健康保険組合」に提出する際に、その取締役会の議事録をの写しを提出する必要があります。
役員の4月〜6月の平均役員報酬がが117万5千円なら、標準報酬月額は121万円、標準報酬日額は40,330円、傷病手当金日額は、26,887円となります。
この役員が30日間欠勤すれば、806,610円受給することが出来、最長1年6か月受給すると14,707,189円受給することが出来ます。役員ともなると受給出来る金額がすごいですね。もちろん、月額保険料の負担も大きいですが。
9.傷病手当金とアルバイト
傷病手当金の受給要件の一つに「労務不能により報酬の支払がないこと。」というのがあります。従って、傷病手当金受給中にアルバイトをすることは原則として禁止されています。但し、次のような通達があります。
「被保険者がその本来の職場における労務に就くことが不可能な場合であっても、現に職場転換その他の措置により就労可能な程度の他の比較的軽微な労務に服し、これによって相当額の報酬を得ているような場合は、労務不能には該当しないものであるが、本来の職場における労務に対する代替的性格をもたない副業ないし内職等の労務に従事したり、あるいは傷病手当金の支給があるまでの間、一時的に軽微な他の労務に服することにより、賃金を得るような場合その他これらに準ずる場合には、通常なお労務不能に該当するものであること。」(平成15年2月25日
保保発第0225007号)
傷病手当金受給中に出来るアルバイトの範囲については、保険者(協会けんぽの各都道府県支部または健康保険組合)に確認した方が良いでしょう。
10、傷病手当金と「日常生活・療養状況申立書」
傷病手当金の申請には、通常、「健康保険傷病手当金支給申請書」の提出のみで済みますが、時々、保険者(協会けんぽ又は健康保険組合から「日常生活・療養状況申立書」 の提出を求められることがあります。
これは、1か月の実診療日数が少ない場合や医師と本人の申請期間(労務不能期間)が異なっていた場合に労務不能状態を確認するために提出を求められるものです。
11、傷病手当金不支給決定通知書に対する対応
傷病手当金の申請に対して、「不支給決定通知書」が来る場合があります。この処分に不服がある場合は、処分を知った日から60日以内に各都道府県に配置されている社会保険審査官に対し、不服の申し立て(「審査請求」と言います)を行います。
「審査請求」でも原処分(不支給処分)が取り消されず、不服がある場合は、東京に設置されている社会保険審査会に不服の申し立て(「再審査請求」と言います)を行います。
再審査請求でも原処分が取り消されず、この社会保険審査会の裁決に不服がある場合は、地方裁判所に行政訴訟を起こし、原処分の取り消しを求めることとなります。
「審査請求」、「再審査請求」に関してはこちらをご覧下さい。
12、傷病手当金の今後の改正動向
少子・高齢化を背景にして、健康保険財政は非常に厳しい状態です。傷病手当金の支給条件・支給金額・支給期間の見直しが必至です。
実際、協会けんぽでは、下記の様な傷病手当金の見直しが検討されています。 雇用保険の支給条件や支給額水準を意識した改正案を検討しているようです。(平成21年11月現在)
1.傷病手当金の上限・下限の設定
上限は、標準報酬月額約32万円(傷病手当金は約21万円)、下限は約5万円にする方向で検討されています。
2.傷病手当金の受給に必要な期間の設定
現在は、在職中の場合、傷病手当金受給要件として健康保険の加入期間が設定されていませんが、これを6か月以上とする方向で検討されています。
激変緩和措置として、加入期間6か月未満の場合は、支給額を半減する(標準報酬日額の2/3→1/3)、支給期間の半減(1年6か月→9か月)が検討されています。
3、傷病手当金支給額の減額
現行の標準報酬日額の2/3を6割に引き下げる方向で検討されています。
傷病手当金改正動向の詳細はこちらを参照して下さい。
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お陰様で平成18年4月の相談開始以来1,500件以上の相談が寄せられています。(平成23年7月20日現在)
退職後は失業手当を90日分(最大でも総額50万円〜60万円)受給することしかご存じない方も少なくなくありません。最近のような厳しい雇用情勢では、希望する条件の仕事になかなか就くことがことが出来ず、失業手当全額受給後の生活費の確保に苦労されている方がほとんどです。
退職後も傷病手当金を受給することが出来れば、月給30万円の方なら最大364万円、月給50万円の方なら最大607万円、月収100万円の方なら最大1,191万円も得することが出来ます。退職後も傷病手当金を受給できることを知っている人と知らない人では退職後の収入に大きな差が出ます。
退職後に傷病手当金受給するためのご相談は、遅くとも退職予定日より10日位前までにお願いします。退職後では手遅れとなりますので、ご注意下さい。なぜなら、在職中から一定の手続きをとり、在職中の要件を満たしておかないと退職後に傷病手当金を受給することが出来ないからです。
下記の表をご覧下さい。「うつ状態」、「自律神経失調症」、「うつ病」等の精神疾患等で退職する(解雇される)場合は、退職後の傷病手当を受給することが出来れば、失業手当を受給するよりはるかに有利であることをご理解頂けると思います。
| 傷病手当金(資格喪失後の継続給付) | 失業手当(基本手当) | |
| 根拠法 | 健康保険法 | 雇用保険法 |
| 受給条件 | 健康保険の被保険者期間が継続して1年以上あり、退職時に傷病手当金の受給要件を満たしていること | 退職日以前2年間に被保険者期間(賃金支払基礎日数が11日以上ある月)が通算して12ヶ月以上あること |
| 退職時の労働能力 | 退職前より引続き傷病のため労務不能の状態にあること | 労働可能な状態にあること |
| 支給額(28日分、注1) | 224,000円 | 164,500円 |
| 支給期間 | 支給開始後最長547日 | 支給開始後90日〜150日(注2) |
| 第1回目の支給時期 | 申請日から約6〜8週間後 | 申請日から約4ヵ月後(注3) |
| 申請書提出先 | 退職した会社を管轄する協会けんぽの都道府県支部又は健康保険組合 | 住所地を管轄するハローワーク |
(注1)月給352,500円(交通費を含む。標準報酬月額36万円)、60歳未満の方の場合。
(注2)被保険者であった期間が10年未満で、特定受給資格者以外の場合は90日。被保険者であった期間が10年以上20年未満の場合は、120日、20年以上の場合は、150日。
(注3)自己都合退職の場合。自己都合退職以外の場合は、申請から約1ヶ月後。
私(三嶋道明)は、傷病手当金に関する疑問や悩みに即座にお答えします。
あなたは、傷病手当金に関する全ての悩みを即座に解決することが出来ます。
なぜなら、私は、今まで1500件以上有料相談に答えてきた実績があるからです。
退職後も傷病手当金を受給するために、退職日前までに「これだけはしておかなければならないこと」とは?
待期期間の3日間及び退職日を含め休業期間の全てが有給の場合、退職後に傷病手当金を受給することが出来るかどうか?
法人の役員は、在職中は私傷病による欠勤があっても通常役員報酬が支払われるが、この場合、退職後に傷病手当金を受給することが出来るかどうか?
これを知っていないと退職日の翌日以降の傷病手当金が不支給となります。退職時におちいる落とし穴とは?
退職後も傷病手当金を受給中の方は要注意。これを知っていないと退職後の傷病手当金が不支給となります。不支給とならないようにするにはどうすれば良いか?
退職後も傷病手当金を受給するためには、「健康保険の被保険者期間が1年以上継続していることが必要です」が1年にあと1〜2ヶ月足りないで退職せざるを得ない(又は解雇される)。何か良い方法は無いか?
有給休暇の取得時期を誤ると受給途中で、傷病手当金の支給額が減額されます。それを防ぐ方法とは?
傷病による欠勤開始日を誤ると受給途中で、傷病手当金の支給額が減額されます。それを防ぐ方法とは?
4月からの給与が減額されると受給途中で傷病手当金の支給額が減額されることがあります。それを防ぐ方法とは?
傷病手当金と賞与(3ヶ月を超える期間毎に支給されるもの)は同時に受給可能かどうか?
育児休業中に傷病により労務不能状態となった場合、傷病手当金と育児休業基本給付金とは同時に受給可能かどうか?
介護休業中に傷病により労務不能状態となった場合、傷病手当金と介護休業給付金とは同時に受給可能かどうか?
傷病手当金支給申請書「発病または負傷の原因」欄の書き方に注意。不支給と決定されてしまう書き方とは?
雇用保険の基本手当(失業手当)を病気が治った後に受給するには?(雇用保険の失業手当受けることが出来るのは、原則として、退職日の翌日から1年間です)
雇用保険で自己都合退職の場合、基本手当(失業手当)は最大90日(勤続10年未満)しか給付されませんが、これを最大300日(45歳未満、勤続1年以上)にする方法とは?
退職後でも、在職中に一定の要件を満たして退職した場合は、退職後の傷病手当金を受給できる可能性があります。その一定の要件とは?
「傷病手当金支給申請書」の「医師の意見書」欄に記入された労務不能開始日以降からしか傷病手当金は受給出来ないのか?それ以前の欠勤期間でも傷病手当金を受給できるケースがあります。その条件とは?
「傷病手当金支給申請書」には「事業主の証明」欄があるが、事業主が行方不明になったため、証明してもらえなくなった。傷病手当金の申請はどのようにすればいいのか?
病院で治療を受け、医師にその期間の労務不能の意見の記入を再三にわたり求めたが、医師から記入を拒否された。この場合でも、傷病手当金を受給できるケースがあります。その条件とは?
傷病手当金を受給しながら「労災申請」することは可能か?
うつ病等の精神疾患の場合に認められる「社会的治癒の特例」(傷病手当金支給開始後1年6ヶ月を経過し、薬物療法を受けながら、精神疾患で再度労務不能となっても傷病手当金が受給出来る場合があります)とは?
傷病手当金の申請書を会社に送付したが、会社が手続きを進めてくれない。この場合、どのようにして、傷病手当金の申請をすれば良いのか?
その他、傷病手当金受給に関すること、傷病手当金受給手続き方法、傷病手当金支給申請書の書き方、傷病手当金を活用した有利な退職方法等、お気軽にお問合わせ下さい。
★これらの内容に関し、メール・電話・弊社事務所での面接相談に応じております。傷病手当金に関する有料相談を1,500件以上こなしてきた傷病手当金に関する専門家である私、三嶋道明が直接回答させて頂きます。料金は下記の通りです。(個人の場合、税込み)
メール相談 1回につき 3,150円 (質問は1回につき最大5問まで可能です。私が回答したメールに関する質問につきましては、1回まで無料でお答えします。2回目の回答は、入金確認後となります。つまり、3,150円で最大2往復の質問が可能です)
電話相談 30分以内 3,150円 30分超の場合 10分超過毎に1,050円加算
面接相談 30分以内 3,150円 30分超の場合 10分超過毎に1,050円加算
※ご相談の際には、氏名、電話番号をお申出下さい。メール相談の場合も、氏名、電話番号をご記入下さい。
※電話相談は即時、メール相談は着信に気付いてから2時間以内に回答いたします。相談料は、当日又は翌日、指定銀行口座にお振込をお願いします。振込先は相談後電話又はメールで連絡させて頂きます。
※メール相談、電話相談の際の振込手数料は、誠に恐れ入りますが、相談者様の方でご負担下さい。
※電話相談、メール相談、面接相談は、祝日、土曜日、日曜日(午前10時から午後6時まで、但し、面接相談は第2日曜日は受け付けておりません。)も受付ておりますので、お気軽にご利用下さい。
※面接相談ご希望の方は、事前にお電話下さい。相談日時を打ち合わせさせて頂きます。面接相談は、事務所所在地(地図はこちら)で行います。面接相談料は面談日にお支払願います。
※電話相談、面接相談ご希望の場合は、電話番号06−6852−4382までお電話下さい。
※メール相談ご希望の方は下記のメールアイコンをクリックしてお申込み下さい。(氏名・電話番号を必ずご記入下さい)
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★メール相談者のU.T.様、面接相談者のM.N.様より感謝の声を頂戴いたしましたので、ご紹介させて頂きます。この他にも多数の感謝の声を頂いておりますが、スペースの都合で省略させて頂きます。相談者の皆様、本当にありがとうございます。
| 私は、大手学習塾の専任講師で正社員として勤務してきました。業務は多忙を極め、一人あたりの正社員に与えられる仕事の量はとても多く、毎日残業もしくは早出出勤という日々を過ごしてきました。 そんな中、去年の4月くらいから起床すると吐き気をもよおしたり、仕事中ふらついたり、肉体的に疲れているにも関わらず夜が眠れない日々が続いていました。そして上司からのパワーハラスメントもあり精神的にも肉体的にも限界でした。 そして去年の7月頃に知人に相談したら、一度病院に行った方が良いと勧められ、とある精神科・心療内科に診察に行きました。そして診断の結果、「抑うつ状態、自律神経失調症」と言われ会社を休業することを余儀なくされました。 会社を休業することになった私は、会社の総務担当責任者から郵送で「健康保険傷病手当金支給申請書」の用紙が送られてきました。私は、この傷病手当金についてインターネットで調べました。 三嶋先生のサイトは、傷病手当金とは?からはじまり、その受給資格、支給金額、支給期間、受給手続き、税金との兼ね合い、時効、そして退職後の傷病手当金受給と他のどのサイトよりも詳しくわかりやすく書かれていたので、この機会に先生に相談しようと思いメールをしたのがきっかけでした。 私が何故、三嶋先生にメールをしようと思ったのか?それは傷病手当金について浅学菲才だった私がそれについて知識を得たいという思いもありましたが、それ以上に上記で述べたように会社を退職した後でも傷病手当金がもらえるという点に心がひかれたからです。 そんなことがあるのかと思い、最初のメールをしたのを今でも鮮明に覚えています。その最初のメールをしたころは、会社に入社して8〜9ヶ月目くらいでした。休業中だった私はその会社をすぐにでも退職したい気持ちでいっぱいでした。 それでも先生から、会社を退職したあとの傷病手当金(資格喪失後の継続給付)には、最低1年は健康保険組合に入っていることが条件と言われ、私の今すぐ退職したいという気持ちが一変しました。 1年まであと約3ヶ月だから何とかしたい!という気持ちでいっぱいで休業することにとどまりました。会社側にも、復帰したい気持ちはあるという意思表示をして、毎月担当医に診断書を書いてもらって会社に提出しました。 確かに先生に相談するには費用がかかります。私の場合、先生にメール相談したのが、合計12回でしたので、1回のメール相談料\3,150×12で\37,800プラス振込手数料を支払いました。 受給資格があるにも関わらず、傷病手当金の種々の制度を知らず受給額0円で終わってしまうのか、それとも私のように先生にどんな小さなことでも良いから相談することによって、上記の金額を傷病手当金として受給できるか。 傷病手当金で公的給付を受けると同時に、私は先生から健康保険法、雇用保険法、そして労働基準法の一部の知識を得ることが出来ました。また、私は先生とお会いしたこともないし、直接電話ですらお話ししたことがありませんが、充分信頼出来る社会保険労務士の先生だと思っています。 私と同じような境遇で苦しんでいたり悩んでいたりする方々がいて「私もそうかも!」という方がいらしゃれば、まずは先生に相談することをお薦め致します。 |
| 三嶋先生、ご無沙汰しております。 先日東京の方に戻ってまいりました。大阪在住中は大変お世話になりました。 発病時は精神的に不安定で、もしかしたら短気をおこして何の補償も無いまま会社を辞めていたかもしれません。 しかし先生と出会えたことにより、辞めないで治療に専念する方法を知ったし、更に復職も可能となりました。 これもひとえに先生のアドバイスのお陰でございまして本当に感謝しております。 今後疑問点などが発生した際には、電話やメールなどにて引き続き相談させてください。 どうもありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。 (M.N.様:30代) |
※最近、うつ病で休職・退職され、傷病手当金を受給しようと考えておられる方が増加しています。協会けんぽや健康保険組合は、申請書用紙の交付や記入の仕方は教えてくれますが、傷病手当金が不支給になったり、受給途中で減額になる「落とし穴」があることは教えてくれません。傷病手当金のプロである社会保険労務士が、こうした「落とし穴」について説明し、それを回避し、傷病手当金を確実に受給できるよう解説。さらに、無料メール相談や無料電話相談の特典を活用することで、傷病手当金の受給に関するあらゆる疑問を解決いたします。
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