労働契約法

労働契約法は、労働契約の締結や変更に関し、
労働者及び使用者が知っておくべき事項をまとめたものです。



(1)労働契約法の目的


労働契約法は、非正規雇用(派遣社員、契約社員、パート社員、アルバイト社員等)の増加を背景とし、就業形態が多様化し、労働者の労働条件が個別に決定・変更されるようになり、個別労働紛争が増加していることを背景とし、こうした紛争の防止と労働者の保護を図るため、平成20年3月より施行(平成24年8月10日改正)された法律です。


従来労働契約に関しては、民法、労働基準法により規制されていましたが、これを「労働契約法」という分かり易いルールにまとめることで、使用者・労働者の労働契約に関する理解を深める意義があります。


従って、労働契約法に違反したからといって罰則はありません。労働条件に関する行政的な規制は労働基準法が、民事上の損害賠償等は民法が規定していることは従来通りです。


労働者・使用者とも労働契約の締結・変更に当っては、この労働契約法をよく理解し、「合意の原則」のもとに労働契約の締結・変更が行われるよう注意が必要です。


【関連条文】 労働契約法第1条(目的)

この法律は、労働者及び使用者の自主的な交渉の下で、労働契約が合意により成立し、又は変更されるという合意の原則その他労働契約に関する基本的事項を定めることにより、合理的な労働条件の決定又は変更が円滑に行われるようにすることを通じて、労働者の保護を図りつつ、個別の労働関係の安定に資することを目的とする。


(2)労働契約法の用語の定義


労働契約」とは、労働者が使用者の指揮・命令のもと労務を提供し、使用者はこの労務の提供を受け、労働者に報酬を支払うことを約束する契約です。


ここでのポイントは、使用者の指揮・命令を受けた労働であるということです。労働者は、使用者が指揮・命令していない労働を提供しても報酬をえることは出来ません。


例えば、普段は東京で営業を行っている社員が、会社から大阪での会議出張を命ぜられたにも係らずいつもと同じ様に東京で営業活動を行ったとしても報酬をえることは出来ません。


労働契約法では、第2条で次のように「労働者」と「使用者」を定義しています。

(定義)
第2条  この法律において「労働者」とは、使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者をいう。

2  この法律において「使用者」とは、その使用する労働者に対して賃金を支払う者をいう。


一方、労働基準法では、「労働者」と「使用者」の定義を次のように規定しています。


第9条  この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。

第10条  この法律で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう。



「労働者」に関しては、家事使用人は労働基準法が適用されませんが、労働契約法は適用されます。すなわち、「労働者」の定義に関しては、労働契約法と労働基準法では、ほとんど差はありません。


一方、「使用者」に関しては、労働契約法の方が労働基準法より範囲が狭くなっています。これは。労働契約法では、使用者は労働契約を締結・変更する一方の当事者であることからくるものです。


なお、請負契約や委任契約を締結していても、実態が、使用者の指揮・命令のもとに労務を提供し、その報酬として賃金を受けている場合には、「労働契約法」が適用されますので、注意が必要です。


(3)労働契約の原則


労働契約法はその第3条で労働契約の原則を次のように定めています。


(労働契約の原則)
第3条  労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとする。

2  労働契約は、労働者及び使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする。

3  労働契約は、労働者及び使用者が仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする。

4  労働者及び使用者は、労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に、権利を行使し、及び義務を履行しなければならない。

5  労働者及び使用者は、労働契約に基づく権利の行使に当たっては、それを濫用することがあってはならない。



(1)労働契約法では、労使対等の立場で労働契約は合意に基づき、締結又は変更すべきものとしています。


民法の契約自由の原則からみれば、契約の当事者は対等であることが原則ですが、労働者と使用者では、明らかに労働者の方が弱い立場に立っています。


労働者は自己の労働を売って生計をたてており、資産も使用者ほどないのが普通です。


使用者側と対等の立場になるには、組合を組織し、労働者が団結し交渉に当ることが必要でしょう。


現実は、労働組合の組織率は全国平均で20%未満であり、労使対等というのは難しいのが現実です。


この第3条のポイントは、労働契約の締結・変更には使用者と労働者の合意が必要であるということです。


合意は、口頭でも構いませんが、書面に残しておいた方が後のトラブルを防止することが出来ます。


(2)最近は、非正規雇用の割合が4割に近づき、正社員との待遇格差が広がっています。


仮に正社員と同じ職務内容、職務責任で、転勤が有り、長期にわたって勤務している非正規雇用の社員がいるなら同じ待遇にすべきでしょう。


現実には、非正規雇用という理由のみで低賃金で契約せざるを得ない人々が多く存在します。


このような格差をなくしていこういうのが、第3条第2項の趣旨です。改正されたパートタイム労働法もこの趣旨に沿っています。


(3)最近は、長時間労働による過労死が増加しています。長時間労働を減らし、家庭生活にも時間を割く、いわゆるワークライフバランスが重視されています。


それが、上記第3条第3項の趣旨です。


(4)最近は、労働者の権利ばかり主張し、労働者の義務をおろそかにするものや、相変わらず労働基準法や労働安全衛生法を無視している経営者が存在しています。


こうした傾向を無くす趣旨で、労働契約法第3条第4項は定められています。


(5)最後に解雇権の濫用をはじめとする権利の濫用をなくそうという趣旨で第3条第5項は定められています。


第3条第4項と第5項は、民法第1条第2項(信義誠実の原則)、同第3項(権利の濫用)を改めて述べたものといえます。


【関連条文】 民法第1条

2 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。

3 権利の濫用は、これを許さない。



(4)労働契約の内容と理解の促進


労働契約法はその第4条で労働契約の内容と理解の促進を次のように定めています。


第4条  使用者は、労働者に提示する労働条件及び労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにするものとする。

2  労働者及び使用者は、労働契約の内容(期間の定めのある労働契約に関する事項を含む。)について、できる限り書面により確認するものとする。



従来、労働契約の内容を労働者に詳しく説明することは広く行われていませんでした。


その結果、労働者の考えと使用者の考えが異なり、トラブルに発展することが増加してきています。


労働契約法では、こうしたトラブルを未然に避けるために使用者に、労働者に提示する労働条件 や労働契約内容を労働者が良く理解出来るようにすることを求めています。


また、労働契約の内容は口頭だけで説明されることも多く、言った言わないのトラブルに発展することも多くありました。


こうしたトラブルを避けるため、労働契約法では、労働契約の内容は「できる限り」書面で確認することを求めています。


しかし、トラブルを避けるのなら、1日限りの労働契約を除き、全ての労働契約は書面での作成が必要と思います。


なお、労働基準法は、労働契約の締結に際し、使用者に労働条件の一定事項の明示を義務付け(労働基準法第15条)、パートタイム労働法は、使用者に労働条件の一定事項の書面交付を義務付けています。(パートタイム労働法第6条)


(5)労働契約法による安全配慮義務


労働者は労働を提供することにより、賃金を得て生活しています。この労働者が提供する労働の場所を用意するのは使用者です。ですから、使用者は、労働者が安全にまた快適に仕事が出来る事務所・作業場・施設・器具を用意したり、仕事の管理等について、労働者の生命や健康を危険から守るようにきちんと配慮する義務があるのです。


労働契約は、労働者が使用者の指揮・命令下のもと労務を提供し、それに対する報酬を得る契約ですが、この労働契約より付随的義務として安全配慮義務が発生するというのが通説です。


使用者は、安全配慮義務違反があれば、労働基準法、労働安全衛生法等の罰則が適用されるだけでなく、労働者本人又はその遺族等から高額の損害賠償金を請求されます。過労死等では、億単位の賠償金の支払いを命ぜられた判決(電通事件の1審判決では1億2000万円の賠償額)もあり、企業のリスク管理上真剣に取り組まなければ企業存続に関わる問題であると言えます。


労働者災害補償保険(労災保険)に加入するだけでなく、高額の賠償金請求に備えて民間の労災上乗せ賠償責任保険に加入しておくのも一つのリスク管理対策となります。


もちろん、普段より労働基準法、労働安全衛生法等の諸法令を厳守し、安全で快適な職場環境作り・健康に配慮した労務管理は欠かせません。


使用者、管理者は、労働者が長時間労働(月間45時間を超える時間外労働)をしないように配慮したり、健康診断で異常が発見された労働者には特別の配慮をするようにしておかないと思わぬ賠償問題に発展する可能性がありますので、注意しましょう。


損害賠償が認められるためには、@損害の発生A安全配慮義務違反行為(結果発生の予見可能性・回避可能性があり、結果回避義務があるにもかかわらず、これを尽くさなかったこと)B損害と安全配慮義務違反行為との間に因果関係のあることが必要です。


労働契約法においても使用者に労働者の安全に対する配慮義務があること喚起するために第5条で次のような規定をおいています。


第5条  使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。


なお、使用者の安全配慮義務違反に伴う民事上の損害賠償請求権は、労働契約法第5条から発生するものではなく、債務不履行による損害賠償請求権(民法第415条)又は、不法行為による損害賠償請求権(民法第709条)より発生するものです。


(6)労働契約の成立


労働契約は、労働者と使用者が、「労働すること」「賃金を支払うこと」について「合意する」と成立します。


また、事業場に就業規則があり次の条件を満たしていれば、その就業規則で定められた労働条件が労働者の労働条件となります。


1.就業規則が合理的な内容であること。

2.就業規則を労働者に周知させていた(労働者がいつでも見られる状態にしていた)。


就業規則がない事業場や就業規則があっても上記条件を満たしていない事業場の場合の労働条件は労使の合意により決定されます。


労働者と使用者が就業規則とは違う内容の労働条件を個別に合意していた場合には、その合意していた内容が労働者の労働条件となります。


但し、この場合、就業規則で定めている労働条件を下回ることは出来ません。合意した労働条件が就業規則で定める労働条件を下回る場合は、就業規則の内容まで引き上がります。


また、法令や労働協約(労働組合がある場合)に反する就業規則は、労働者の労働条件とはなりません。


【参考】 労働契約法関連条文

第6条  労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。

第7条  労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分については、第12条に該当する場合を除き、この限りでない。

第12条  就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。この場合において、無効となった部分は、就業規則で定める基準による。

第13条  就業規則が法令又は労働協約に反する場合には、当該反する部分については、第7条、第10条及び前条の規定は、当該法令又は労働協約の適用を受ける労働者との間の労働契約については、適用しない。



(7)労働契約の変更


一旦締結された労働契約は、労働者と使用者が、労働条件を変更することで合意すれば、労働条件を変更することが出来ます。


事業場に就業規則がある場合の労働条件の変更は次のようになります。


使用者が一方的に就業規則を変更しても労働者の不利益となる労働条件は変更することは出来ません


使用者が就業規則の変更によって労働条件を変更する場合には、次のことが必要です。


1.その変更が以下の事情などに照らして合理的であること。

・労働者の受ける不利益の程度

・労働条件の変更の必要性

・変更後の就業規則の内容の相当性

・労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合、労働組合がない場合は事業上の労働者の過半数を代表する者などとの交渉の状況


2.労働者に変更後の就業規則を周知させること。


【参考】労働契約法関連条文

第8条  労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。

第9条  使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。ただし、次条の場合は、この限りでない。

第10条  使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していた部分については、第12条に該当する場合を除き、この限りでない。

第11条  就業規則の変更の手続に関しては、労働基準法 (昭和二十二年法律第四十九号)第89条 及び第90条 の定めるところによる。

第12条  就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。この場合において、無効となった部分は、就業規則で定める基準による。


(8)労働契約法で規制している出向、懲戒、解雇


(出向)
第14条  使用者が労働者に出向を命ずることができる場合において、当該出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、当該命令は、無効とする。


出向に関しては、就業規則に通常規定されており、従業員は従う義務があります。


但し、その出向命令が権利の濫用と認められる場合は、無効となります。


出向命令が権利の濫用に当たるかどうかは、その出向が必要であるか、対象労働者の選定が適切であるかなどの事情を総合的に考慮して判断されます。


(懲戒)
第15条  使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。


懲戒に関しては、通常、就業規則において規定されており、これに該当する事由があれば使用者は懲戒を行う権利があります。


懲戒に相当すると思われる事案があっても、その懲戒処分が権利の濫用と認められる場合は、無効となります。


懲戒が権利の濫用に当たるかどうかは、懲戒の原因となる労働者の行為の性質や態様などの事情を総合的に考慮して判断されます。


(解雇)
第16条  解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。


普通解雇、整理解雇、懲戒解雇は、就業規則に基づき行うことが出来ます。


但し、それらの解雇が権利の濫用と認められる場合は、無効となります。


解雇権の濫用に当たるかどうかは、過去の判例をもとに解雇の必要性、社会的な相当性、解雇理由や経営上の必要性などを総合的に考慮して判断されます。


(9)労働契約法と有期労働契約


労働契約法では、第17条で有期労働契約に関して規定しています。


第17条  使用者は、期間の定めのある労働契約(以下この章で有期労働契約という)について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。


最近の景気後退で、有期労働契約を契約期間が残っている場合でも途中で打ち切るケースがあります。


有期労働契約は、原則として、労働者、使用者を労働契約期間の終了日まで拘束します。すなわち、途中で解約(解雇)することが出来ません。


止む得ない事由で、労働契約を期の途中で打ち切る場合で、打ち切ることで相手方に損害が発生した場合は、その損害賠償を行わなければなりませんので、注意が必要です。


【民法参考条文】

第628条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。



労働契約法に話を戻します。


第17条の2  使用者は、有期労働契約について、その有期労働契約により労働者を使用する目的に照らして、必要以上に短い期間を定めることにより、その有期労働契約を反復して更新することのないよう配慮しなければならない。


有期労働契約は、一時的、臨時的に締結するのが普通ですから、長期にわたり、例えば2ヶ月を期間とする反復更新することは、法の趣旨に反します。


ハローワークでは、短期の有期雇用契約を繰り返し、トータルでその期間が3年を超えると「期間の定めのない契約」とみなされます。従って、3年を超えて雇止めを行うと解雇と見做されますので、ご注意下さい。


(10)有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換


有期の労働契約期間が、反復更新により通算5年を超える場合、労働者の申し込みにより、無期の労働契約に自動的に転換されます。

無期への転換は、本人の申し込み時点で、会社は承諾したものとみなされます。

通算期間には「クーリング期間」が定められています。2つの有期労働契約の間に「6ヵ月以上」の空白期間がある場合、その空白期間より前の有期労働契約は通算されません。

通算5年のカウントは、施行日(平成25年4月1日)以後に開始される有期労働契約が対象となります。

転換を希望する労働者は、通算期間が5年となる有期労働契約の、初日から満了日までの間に申し込みをする必要があります。

上記の申し込みをしなかった場合でも、有期労働契約が5年を超えて、さらに更新される場合には、更新された労働契約の都度、労働者に申し込みをする権利が発生します。

無期労働契約への転換は、「期間の定め」のみを変更するものであり、賃金等、他の労働条件を変更する義務までは生じません。


労働契約法の条文は次の通りです。


(有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換)

第18条  同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約(契約期間の始期の到来前のものを除く。以下この条において同じ。)の契約期間を通算した期間(次項において「通算契約期間」という。)が五年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、当該満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなす。この場合において、当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件は、現に締結している有期労働契約の内容である労働条件(契約期間を除く。)と同一の労働条件(当該労働条件(契約期間を除く。)について別段の定めがある部分を除く。)とする。

2  当該使用者との間で締結された一の有期労働契約の契約期間が満了した日と当該使用者との間で締結されたその次の有期労働契約の契約期間の初日との間にこれらの契約期間のいずれにも含まれない期間(これらの契約期間が連続すると認められるものとして厚生労働省令で定める基準に該当する場合の当該いずれにも含まれない期間を除く。以下この項において「空白期間」という。)があり、当該空白期間が六月(当該空白期間の直前に満了した一の有期労働契約の契約期間(当該一の有期労働契約を含む二以上の有期労働契約の契約期間の間に空白期間がないときは、当該二以上の有期労働契約の契約期間を通算した期間。以下この項において同じ。)が一年に満たない場合にあっては、当該一の有期労働契約の契約期間に二分の一を乗じて得た期間を基礎として厚生労働省令で定める期間)以上であるときは、当該空白期間前に満了した有期労働契約の契約期間は、通算契約期間に算入しない。


(11)雇止め法理の法定化


これまでの最高裁判所の判決で確立していた「雇止め」に関する判例法理を労働契約法条文で規定したものです。

 
次の事由に該当する雇止めが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないとき、その雇止めは無効となります。

 (1)有期契約が反復更新されてきたことにより、会社が雇止めをすることが、解雇と社会通念上同視できる場合

 (2)労働者が、その有期契約が更新されるものと期待することについて、合理的な理由が認められる場合


労働契約法の条文は次の通りです。


(有期労働契約の更新等)

第19条 有期労働契約であって次の各号のいずれかに該当するものの契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって、使用者が当該申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす。

1  当該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって、その契約期間の満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了させることが、期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できると認められること。

2  当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められること。


(12)有期労働契約における不利益な労働条件の禁止



「期間の定めがあること」を理由に、無期契約労働者と有期契約労働者の労働条件に不合理な相違を設けることを禁じています。

すべての労働条件に適用されます。

職務の内容、職務の責任程度、配置変更の範囲等を考慮して、不合理か否かは判断されます。

通勤手当、食堂の利用、安全管理について労働条件を相違させることは、特段の理由がない限り、合理的とは認められません。


労働契約法の条文は次の通りです。


(期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)

第20条  有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下この条において「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。





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