パートタイマー等と社会保険の適用

パートタイマー(パート社員、アルバイト社員、契約社員、嘱託社員)
の社会保険の適用及び社会保険料の負担の取扱いをまとめました。

1.労災保険


業務災害、通勤災害に関しては、農林水産の一部事業を除き、パートタイマー等にも適用されます。保険料は全額事業主の負担です。


2.雇用保険


雇用保険に関しては、次の条件を全て満たす者はパートタイマー等であっても一般被保険者となります。保険料は、被保険者負担分を賃金から控除されます。(平成22年4月1日以降実施


  1.1週間の所定労働時間が20時間以上であること。

  2.31日以上雇用される見込みがあること。


なお、週40時間の労働時間で契約している場合は、31日以上雇用される見込がなくても雇用保険の被保険者となります。


3.健康保険・厚生年金保険


パートタイマーの人が健康保険・厚生年金保険の被保険者となるか否かは、常用的使用関係にあるかどうかを労働日数・労働時間・就労形態・職務内容等を総合的に勘案して判断されます。そのひとつの目安となるのが、就労している人の労働日数・労働時間です。


健康保険・厚生年金保険に関しては、次の条件をすべて満たす者はパートタイマー等であっても原則として、被保険者となります。保険料は「健康保険料額表」及び「厚生年金保険料額表」に基づき、被保険者負担分を賃金から控除されます。


  1.1日又は1週間の労働時間が正社員の概ね3/4以上であること。

  2.1ヶ月の労働日数が正社員の概ね3/4以上であること。


すなわち、パートタイマー等の健康保険・厚生年金保険の適用・未適用は次の通りとなります。

1日当りの労働時間 1ヶ月当りの労働日数 適用・未適用
正社員の概ね3/4以上 正社員の概ね3/4以上 適用
正社員の概ね3/4以上 正社員の概ね3/4未満 未適用
正社員の概ね3/4未満 正社員の概ね3/4以上 未適用
正社員の概ね3/4未満 正社員の概ね3/4未満 未適用


「2か月以内の雇用期間を定めて雇用される者は、上記1及び2の条件を満たしていても社会保険の適用除外者となります。従って、上記1及び2の条件を満たしているパートタイマー、アルバイト等であっても、契約期間が2か月以内に限定され更新がない場合は、社会保険の適用を除外されます。


※夫が社会保険に加入している場合、妻の年収が130万円未満だと夫の健康保険の被扶養者となることが出来ますが、パートの収入・労働時間により、妻の加入する健康保険・年金は次のように分類することが出来ます。

健康保険 年金関係
労働時間・労働日数
ともに3/4以上
妻自身が健康保険に加入 妻自身が厚生年金保険に加入
労働時間3/4未満
かつ年収130万円未満
夫の健康保険の被扶養者 国民年金の第3号被保険者
労働時間3/4未満
かつ年収130万円以上
妻自身が国民健康保険に加入 妻自身が国民年金の第1号被保険者
として加入


※「手取額が減る」「夫の配偶者手当がなくなる」というような理由で、社会保険の加入条件を満たしているにも関わらず、社会保険に加入しないことは出来ません。条件を満たせば、強制加入です。加入しない場合、事業主に罰則が課されます。


雇用保険       : 6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金  

健康保険法     : 6月以下の懲役又は30万円以下の罰金  

厚生年金保険法  : 6月以下の懲役又は20万円以下の罰金



4.介護保険

健康保険の被保険者に該当する40歳以上65歳未満の方は、介護保険第2号被保険者となるため、健康保険料と合わせて、介護保険料の被保険者負担分を賃金から控除されます。


※賃金より控除される社会保険料の額は、社会保険料の計算方法をご参照下さい。


【パート労働者に対する社会保険の適用拡大に関する政府案】(平成24年2月9日現在)


民主党のパート労働者に対する社会保険の適用拡大に関する素案は、「税と社会保障との一体改革」に盛り込まれています。


民主党の医療・介護・年金両作業チームは、この度(平成24年2月9日)その詳細を検討し、パート労働者等への社会保険の適用拡大について「現行で労働時間が週30時間程度以上」となっている条件を「週20時間以上」に緩和することを柱とした下記の「厚生労働省案」の方針を大筋で了承しました。


段階的に対象者を増やす方針で、まず100万人を対象とし、将来は全ての事業所で働くパート労働者に約370万人に適用を拡大し、年収条件も撤廃する方針です。この方向で、厚生労働省は、改革案を盛り込んだ厚生年金保険法等の改正案を今国会に提出する予定です。


平成23年12月30日に、平成14年4月から8%、平成15年10月から10%に消費税を引き上げる民主党案が、激論の末ようやく決定しました。しかし、これから野党のとの調整等もあり、正式に国会で法案が成立するかどうか混沌としています。


従って、消費税を引き上げることを前提する「税と社会保障との一体改革」も前進する目途は立っていません。


民主党の社会保障の改革案における「
パート労働者等への社会保険の適用拡大」も、事業所の社会保険料負担が増加するため、反対が根強く実現するかどうかは予断を許しません。


【パート労働者に対する社会保険の適用拡大に関する厚生労働省案
(平成24年1月26日)

厚生
労働省では、パート労働者に対する社会保険の適用拡大に関する具体案を平成24年1月26日に発表しました。


それによりますと、適用条件を「
週20時間以上及び勤務期間6か月以上」勤務するパート労働者等とし、反対論を抑えるため、企業規模や年収条件を設け段階的に実施しようとする内容になっています


まず、第1段階として「
従業員300人超の企業で働く年収80万円以上の人」を対象として、当面100万人程度の加入を見込んでいます。


第2段階として、「従業員100人超の企業で働く年収80万円以上の人」を対象として、さらに50万人程度の加入を見込んでいます。


最終的には、従業員数や年収の条件をなくす予定です。


しかし、この厚生労働省案でも、流通・外食産業を中心に反対意見が強く実現するかどうかは現在のところ流動的です。


【パート労働者に対する社会保険の適用拡大に関する最新動向】(平成24年3月13日現在)


政府・民主党は、平成24年3月13日にパート労働者に対する社会保険の適用拡大に関する条件を以下の内容で合意しました。

・勤務時間は週20時間以上

・年収は94万円(月収約78,000円)以上

・雇用期間は1年以上

・従業員501人以上の企業に勤務している


・学生は除きます。

・実施時期は、平成28年4月以降(4年後です)


この条件を満たすパート労働者は、約45万人と見込まれています。民主党が当初掲げていた370万人に対象を拡大する案より大幅に後退しています。


政府はこの内容で法案にし、国会に提出する予定ですが、
野党が過半数を占める参議院でこの内容で成立するか不透明な部分もあります。


・適用拡大に伴うパート労働者の負担と給付は次のようになります。(年収120万円の46歳女性の場合を厚生労働省が試算したものです)


1.会社員の妻の場合

年金保険料が年額9.7万円増加します。健康保険料が6.5万円増加します。

2.自営業者の妻の場合

年金保険料が8.4万円減少します。健康保険料が1.1万円増加します。

3.単身者の場合

年金保険料が8.4万円減少します健康保険料が0.8万円減少します


 給付面でのメリット

・年金のメリット     加入1年ごとに年金が月額500円、生涯で17.3万円増加します。10年加入すれば、生涯で173万円増加します。

・健康保険のメリット  
傷病手当金、出産手当金が条件を満たせば支給されます


※パート労働者にも社会保険が適用されるようになると、健康保険より「傷病手当金」や「出産手当金」を受給出来るようになります。私傷病で働くことができなくなった(労務不能状態と言います)場合に、休業補償として現金給付されるのが傷病手当金です。国民健康保険にはない給付制度です。
  ↓    ↓    ↓

「傷病手当金を受給する方法」


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