キャリアコンサルティング
キャリアコンサルティングとは、専門のカウンセラー(キャリアコンサルタント)
が、相談者の希望に基づき、今後のキャリア形成の援助・支援を行うことです。
(1)キャリアコンサルティング必要の背景
近年、産業構造の変化、労働力の流動化、多様化に伴い、労働者・求職者にとってエンプロイアビリティ(外部労働市場で通用する労働能力)が広く求められようになりました。従来の、終身雇用、年功序列の社会ではなくなり、能力の高い労働者は、条件が良ければ転職することも当たり前の時代となってきた訳です。
労働者個人にとっては、一つの企業で終身雇用される保障がなくなったため、エンプロイアビリティを身に付けておくことが勤務している企業にそのまま定年まで勤めるにしても、リストラで転職せざるを得ない場合も、あるいは自らの能力を他の企業で発揮するため積極的にすすんで転職する場合にも必要となってきたのです。
さて、エンプロイアビリティを身に付けるためには、自己啓発も重要ではありますが、もっと根本に立ち返り自らのキャリア形成をどうするかという点が重要になってきます。このキャリア形成は、個人が実行するものですが、自ら情報を集めたり、適性テストを探したり、計画的を立てたりすることは困難が伴います。
そこで、国は平成13年度から始まる第7次職業能力開発基本計画において、キャリアコンサルタントの育成を図ることになりました。企業内の人事担当者、公共あるいは民間の職業あっせん機関、紹介機関で職業相談を行うもの、学校・大学で就職指導に当たるものを対象として、組織的・計画的にキャリアコンサルタントを養成することになりました。
(2)キャリアコンサルティングとは
キャリアコンサルティングとは、第7次職業能力開発基本計画のなかで次のように定義されています。
「労働者が、その適性や職業経験等に応じて自ら職業生活設計を行い、これに即した職業選択や職業訓練の受講等の職業能力開発を効果的に行うことができるよう、労働者の希望に応じて実施される相談および援助」
すなわち、キャリアコンサルティングとは、専門のカウンセラー(以下キャリアコンサルタントという)が、相談者の希望に基づき今後のキャリア形成の援助・支援を行うことです。
※用語の統一
キャリアコンサルティングは、キャリアカウンセリングと呼ばれたり、キャリアコンサルタントは、キャリアカウンセラーと呼ばれたりしますが、当サイトでは、それぞれキャリアコンサルティング、キャリアコンサルタントに統一して説明しています。
(3)キャリアコンサルティングの企業内での位置付け
企業内の従業員に対するインセンティブとしては次のようなものがあります。
| 短期指向 | 中長期指向 | 超長期指向 | |
| ノンキャッシュ | 表彰制度 表彰旅行 |
研修制度 FA制度 福利厚生制度 キャリアコンサルティング |
終身雇用 |
| キャッシュ | 歩合給 業績賞与 業績年棒制 |
ストックオプション 社員持株会制度 株価連動賞与 |
退職一時金 退職企業年金 |
この表から分かる通り、キャリアコンサルティングは従業員に対する中長期の福利厚生制度です。
従業員に対するキャリアコンサルティングの実施は、通常10年に一度位の割合で実施します。企業にとっては、従業員の自己のキャリア形成の希望を聞き、企業が求める人材像とのマッチングを図れることや優秀な従業員の定着を図る効果が期待されます。一方、従業員にとっても自己のキャリア形成を図ることやビジョンを持って仕事に打ち込むことが出来、生産性向上が期待できます。
(4)企業内でのキャリアコンサルティングの担当者
通常は、キャリアコンサルタント養成講座を終了したか、キャリアコンサルタント試験、初級産業カウンセラー試験に合格した人事担当者等が担当します。
中小企業等で人員に余裕がない場合は外部の専門家にアウトソーシングする場合もあります。当事務所もキャリアコンサルタント養成講座修了者がいますので、ご希望があればご相談ください。
(5)キャリアコンサルティングの手法
個人のキャリア形成は、(1)自己理解、(2)仕事理解、(3)啓発的経験(意思決定を行う前の体験)、(4)キャリア選択に係る意思決定、(5)方策の実行(意思決定したことの実行)、(6)仕事への適応の6ステップから構成されており、キャリア・コンサルティングは、これらステップにおける個人の活動を援助します。
このように、キャリアコンサルティングにおいては、キャリアコンサルタントが相談者に対して、指導という形をとるのではなく、あくまで本人の気づき、理解、希望に基づき、相談者本人に実行させることが前提になっています。
キャリア形成の6ステップ
| (1) 自己理解 | 進路や職業・職務、キャリア形成に関して「自分自身」を理解します。 |
| (2) 仕事理解 | 進路や職業・職務、キャリア・ルートの種類と内容を理解します。 |
| (3) 啓発的経験 | 選択や意思決定の前に、体験してみます。 |
| (4) キャリア選択に係る意思決定 | 相談の過程を経て、選択肢の中から選択します。 |
| (5) 方策の実行 | 仕事、就職、進学、キャリア・ルートの選択、能力開発の方向など、意思決定したことを実行します。 |
| (6) 仕事への適応 | それまでの相談を評価し、新しい職務等への適応を行います。 |
自己理解や仕事理解のための情報提供、適性テスト、職業興味テスト等各種テストの実施を行います。
自己の職歴の棚卸や自己理解のため、「キャリアシート」を作成する場合もあります。
キャリアコンサルティングの目的自体はキャリア形成の支援にあるのですが、相談者の中には、職業上の問題はもとより職場における人間関係など様々の問題を抱えている者もいます。
このため、キャリアコンサルタントはキャリア即ち職業に係る相談の専門家であるばかりでなく、カウンセリングについての基本的知識・技術を持っていることが必要です。また、相談の展開に応じて、従業員を他の専門機関(医療機関等)に紹介することが必要となる場合もあることから、それら相談機関のサービスの内容について知識を持っていることも必要です。
(7)若年者向けのキャリアコンサルティング
上記は企業内での、キャリアコンサルティングの説明でした。キャリアコンサルタントはこの他に、若年未就職者向けのカウンセリングも実施出来ます。
中学校・高校・専門学校・短期大学・大学での専門的な職業指導、カウンセリングにご利用下さい。当事務所担当者は、専門学校での3年間の就職指導経験があり、効果的な履歴書・職務経歴書の書き方、面接試験の上手な受け方等の助言・支援が出来ます。また、人事採用担当課長も2年間の経験がありますので、採用側がどの点を重視しているかも合わせて助言・支援が可能です。
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