雇用契約・労働契約
【雇用契約とは】
当事者の一方が相手方に対し、労働を提供することを約束し、相手方がこれに対して報酬を与える約束をすることで効力を発生する契約です。(民法623条)
民法では当事者が対等の立場にあることを前提に雇用契約を規定しています。(民法623条〜民法631条)
例えば、有期雇用契約(期間の定めのある契約)の場合、当事者を期間終了まで拘束し、「やむを得ない事由」があるとき以外は契約期間の中途での解約を認めていません。また、「やむを得ない事由」があり、契約を解約する場合でも、その事由が当事者の一方に過失があって生じたときは、相手方に対し、損害賠償の責任を負うことなっています。(民法628条)
【労働契約とは】
労働者(職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者)が使用者(事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者)に労働を提供することを約束し、使用者は労働者に提供された労働に対し、賃金を支払う契約です。
雇用契約では、当事者が対等の立場であることを前提に規定されていますが、労働を提供する契約の場合、使用者より労働者の方が立場が弱いので、労働者の立場を引き上げるため、労働基準法で各種規制が行われています。
例えば、労働者を解雇する場合、民法の規定では、2週間前までに予告することが必要ですが、労動者は賃金のみで生活していることを考慮し、解雇予告は30日前にすることが労働基準法で規定されています。
また、労働者保護のため、労働基準法のほかに、労働組合法、労働関係調整法(いわゆる労働3法)、最低賃金法、労働安全衛生法等法律が適用されます。
従って、労働者と労務の提供に関する契約を締結する場合は、労働基準法以外にも民法、最低賃金法、労働安全衛生法等に注意しながら契約を締結することが重要です。
また、就業規則、労働協約、労使協定がある場合は、それらを考慮することも必要です。
さらに、労働契約法が施行されましたので、労働契約に関しては、労働契約法の規定にそった形で締結することが必要です。
【雇用契約と労働契約との違い】
一般的な労働提供契約は、労働契約でもあり、同時に雇用契約でもあります。
但し、労働基準法では、家事使用人、同居の親族のみが従業員となっている場合の従業員に関しては、適用除外となっています。
従って、家事使用人、同居の親族のみが従業員となっている場合の従業員との労働提供契約は雇用契約となり、労働契約ではありません。この場合は、民法の規定に従います。
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