小規模企業の健康診断

従業員の健康管理の基本は、健康診断の実施ですが、
会社の規模が小さくなるにつれて実施率が下がる傾向があります。
しかし、「過労死」問題等を考えると、健康診断は必ず実施すべきと考えます。


会社の経営者にとって、従業員が心身ともに健康で、元気に働いてくれることは本当に大切なことです。病気で休む従業員がでれば、それを誰かがカバーしなければなりません。顧客に迷惑をかけ、会社の信用にも関わります。


また、近年、高血圧症、高脂血症などの基礎疾患を抱えた方が長時間の残業を続けた後に急死する、いわゆる「過労死」も社会問題化しています。もし、従業員がこのようなことになったりすると遺族から損害賠償請求の訴訟を起こされ、安全配慮義務違反で高額の損害賠償金を払わなければならないかもしれません。会社の存続に関わるような大事な問題です。


従業員の健康管理の基本は、健康診断の実施ですが、会社の規模が小さくなるにつれて実施率が下がる傾向があります。一方、健康診断の結果、何らかの異常な所見のあった従業員の割合は、会社の規模が小さいほど高くなっています。


「労働安全衛生法」では、経営者に対して、「1年に1回、定期に健康診断を実施」することを義務付けています。この一般定期健康診断をしない経営者は、処罰されることがあります。定期健康診断の費用は、労働安全衛生法上誰が負担するか明記されていませんが、事業者に定期健康診断の義務が課されていることより、通達で企業が負担すべきものされています。(昭和47.9.18基発602号)


しかし、小規模企業では、定期健康診断の費用が負担になるケースもあります。そこで「小規模事業場産業保健活動支援促進助成金」を活用しましょう。


小規模事業場産業保健活動支援促進助成金


小規模事業場産業保健活動支援促進助成金は、常時50人未満の労働者を使用する小規模事業場の事業者が産業医の要件を備えた医師を共同して選任し、当該医師から提供される産業保健サービスを受けて実施する産業保健活動により、労働者の健康管理等を促進することを奨励するために支給されます。


【支給対象となる事業者】

産業医の要件を備えた医師を共同して選任し、当該医師に労働者の健康管理等の全部又は一部を行わせる一定の要件を満たす小規模事業場の事業者。


【支給申請時期】

毎年4月から5月末までと10月末です。


【支給額】

常時使用する労働者‥30人以上50人未満   83,400円
      〃      ‥10人以上30人未満    67,400円
      〃      ‥10人未満          55,400円
 ただし、その医師を共同して選任するのに要した費用の額が上記金額を下回る場合は、当該医師を選任するのに要した費用の額が支給されます。



【助成金が支給される期間】

3ヶ年度を限度として支給されます。


小規模事業場産業保健活動支援促進助成金の詳細はこちらをご覧下さい。


★健康診断受診時の賃金


健康診断受診時の賃金の支給に関しては、法律上特に規定はありません。下記の通達によれば、一般定期健康診断実施時には、支給が望ましいとされています。一方、特殊健康診断に関しては業務の遂行上当然実施すべきものであることから、実施に要する時間は労働時間と解されるので、有給扱いとなります。


「健康診断の受診に要した時間についての賃金の支払いについては、労働者一般に対して行われるいわゆる一般健康診断は、一般的な健康の確保をはかることを目的として事業者にその実施義務を課したものであり、業務遂行との関連において行われるものではないので、その受診のために要した時間については、当然には事業者の負担すべきものではなく、労使協議して定めるべきものであるが、労働者の健康の確保は、事業の円滑な運営の不可欠な条件であることを考えると、その受診に要した時間の賃金を事業者が支払うことが望ましいこと。

特定の有害な業務に従事する労働者に行われる健康診断、いわゆる特殊健康診断は、事業の遂行にからんで当然実施されなければならない性格のものであり、それは所定労働時間内に行われるのを原則とすること。また、特殊健康診断の実施に要する時間は労働時間と解されるので当該健康診断が時間外に行われる場合には、当然割増賃金を支払わなければならないものであること。」(昭和47・9.18基発602号)



★疲労蓄積度自己診断チェックリスト


健康管理は関しては、企業にも責任がありますが、従業員本人にも健康に配慮する義務があります。中央労働災害防止協会のホームページに厚生労働省が開発した「疲労蓄積度自己診断チェックリスト」がありますので、オンラインで疲労蓄積度を自己診断することが出来ます。


この診断をもとに、従業員本人にも健康に注意させるともに、上司・産業医、自己の主治医と良く相談して対応策を考えさせることが大切です。企業の衛生担当者もこの自己診断テストを出来るだけ従業員に実施して、従業員の健康意識の向上に努めることが企業のリスク管理上大切です。オンラインであれば、本人しか結果は分かりません。


疲労蓄積度自己診断チェックテスト

@オンラインで実施する場合→中央労働災害防止協会

Aペーパーで実施する場合→厚生労働省





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