合同労組への対応

最近の労使紛争は個別化してきており、合同労組に加入して、
事業主と団体交渉する従業員が増加してきています。
法令に則り、誠実に団体交渉に応じる義務があります。


(1)合同労組とは


我国において、従来、労働組合と言えば大企業を中心に「企業別組合」を意味することが多かったと思います。これは、会社に入社すれば、その会社の従業員が多く入っている組合に加入することが義務付けられており、、従業員がこの組合から除名されると、解雇されることになっています。これをユニオンショップ協定と呼んでいます。


近年においては、労働組合の組織率は20%を切ってきている状況ですが、中小企業においては、不況を反映し、「解雇」、「リストラ」、「労働条件の切り下げ」、「配置転換」等をきっかけとして、一人でも加入出来る「合同労組」に加入して、会社側と団体交渉を要求する事例が増加しています。


合同労組は、地域ごとに存在し、組合員の従事している産業も種々雑多です。上部団体としては、全国一般労働組合全国協議会があり、地域ごとの合同労組は、原則としてこの傘下にあります。合同労組も判例上は、原則として労働組合法上認めれた労働組合となっています。


(2)合同労組からの団体交渉の申入れに応じなければならないか。


上記の通り、合同労組も労働組合法上認められた労働組合ですから、自社の従業員が加入していることが明らかな合同労組から団体交渉の申込みがあった場合は、使用者はこれに応ずる義務があります。使用者側がこれに応じなければ、不当労働行為として、合同労組は地方労働委員会に団体交渉応諾の救済申立を行います。地方労働委員会は、使用者側に正当な理由がなければ、救済命令を出します。


さて、使用者側は団体交渉に応ずる義務はありますが、合同労組の要求を受け入れる義務はありません。誠実に交渉し、解決を模索し、結果的に話し合いが決裂することがあるかも知れません。しかし、それは話し合いの結果によるものであり、最終的な合意までは求められていません。



(3)解雇した労働者が加入する合同労組との団体交渉。


一般に解雇した労働者と使用者とは雇用関係が終了しているので、解雇した労働者が加入した合同労組との団体交渉はしなくても良いと考えられる経営者もいらっしゃることでしょう。


しかし、合同労組も労働組合法上の労働組合であることから、解雇などの労働契約関係の係属の有無に関して争いがある場合、合同労組から団体交渉の申し入れがあり、これを拒否すると不当労働行為とみなされる傾向にありますので、団体交渉には応ずるべきでしょう。上記の通り、使用者側は団体交渉に応ずる義務はありますが、合同労組の要求を受け入れる義務はありません。


(4)合同労組が就業規則の提出を求めてきたらどうするか。


合同労組が団体交渉の途中で就業規則の提出を求めてくる場合があります。この場合、使用者側は、合同労組に加入している従業員にだけは見せる(コピーをして外部にもち出しすることは出来ません)ことは出来ますが、合同労組の交渉担当者等に見せる義務はありませんので、もしそういう要求があれば拒否しても構いません。完璧な就業規則を備えている事業所は少ないでしょうから(例えば、時間外割増賃金の端数計算)、就業規則を合同労組の交渉担当者に見せることは交渉が不利になりますので、注意しましょう。


(5)合同労組との団体交渉のポイント


上記に述べた通り、合同労組は、日本では一般的な企業内組合とは異なります。多業種の企業の従業員が労働組合員となっていますので、企業内組合とは交渉の土台が異なります。そのことを踏まえて対応することが必要です。


団体交渉に当っては、誠実に対応し、経営側として主張すべき点は、徹底的に主張し、毅然とした態度で臨む必要があります。交渉の結果、合意可能な部分は合意し、合意出来なければ決裂となります。


合同労組側の真の解決策(ホンネ)を探り、それへの対応策を考えておく必要があります。


合同労組側は、団体交渉の席には、書記長が出席し発言するのが一般的ですが、彼らは、労働基準法、労働契約法、労働安全衛生法、労働組合法等労働法のプロです。従って、経営側もこうした労働諸法の基礎は身につけておくことはもちろん、社会保険労務士、弁護士等合同労組との交渉に通じた人物をアドバイザーとして意見を聞くことも大切です。


よくトラブルになるのは、解雇の有効性です。解雇された労働者が合同労組に加入し、解雇撤回を求めて団体交渉を要求してきます。


従業員の解雇は経営者が自由に行うことが出来ますが、、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効とする」(労働契約法第16条)という規定をご存知でしょうか?


労働契約法第16条の条文に基づき、裁判を行っても有効と判断される解雇でなければ、裁判になると経営者側は敗訴の可能性が高いので不利です。合同労組のとの団体交渉においても同じです。


それでは、有効と判断される解雇とはどのような要件を満たしていれば良いのでしょうか。経営者はここまで自信がなければ、解雇は避けた方が良いでしょう。専門家の意見を聞くことも大切です。労働者にとって解雇されるということは、安定した生活が破壊されるわけで、最も重要な問題です。


【団体交渉の時間帯】


合同労組との団体交渉は、通常勤務時間外に行います。勤務時間内に行う場合は、ノーワークノーペイの原則に基づき、出席する従業員に対しては、賃金を支給しないことの了解を得ておく必要があります。


【団体交渉の場所】


合同労組との団体交渉は、必ずしも事業所内で行う必要はありません。民間のの会議室等を借りて行うのが良いでしょう。この場合、会議室使用料の半額を合同労組に負担してもらいます。


【団体交渉の出席者】


団体交渉は、労使の代表が協議すれば良いので、大人数の出席は必要ありません。双方5名ずつ位出席すれば良いでしょう。


会社側代表者として、規模にもよりますが、必ずしも社長が出席する必要はありません。人事・労務の権限のある役員、人事課長、総務課長でも構いません。


合同労組側も支部組合員、上部団体の執行委員(書記長)1名の出席に限り、傍聴人の参加は認めないことです。


団体交渉の出席者に関しては、あらかじめルールを決め、それに基づき交渉を進めます。文書化(労働協約)しておくと良いでしょう。



【団体交渉の時間】


団体交渉の時間は、1回当たり原則として2時間で十分でしょう。これもルールとして定めます。


【団体交渉の開催手続き】


会社・合同労組いずれかが、団体交渉を開催する場合、あらかじめ、議題、日時・場所、出席者氏名、役職、人数を文書で通知するようにルール化します。


(6)合同労組の活動方針を調べる


団体交渉を開始する前に、支部が設けられた合同労組の活動方針等が分かれば、交渉も進めやすくなります。


支部が結成された合同労組名は、団体交渉申し入れ書等を見れば分かります。その合同労組についてインターネットで検索してみましょう。


主要な合同労組ならホームページを持っているはずです。そこでその合同労組の活動方針を把握することが出来ます。


さらに、その合同労組の上部団体がある場合は、リンクが貼ってあるはずなので、リンク先もたどってみましょう。


※弊事務所では、合同労組でお困りの経営者様のご相談に応じております。メール、電話、事務所のでの面接相談にて対応いたします。報酬は下記の通りです。


 メール相談   1回につき 5,000円+消費税 

  電話相談   30分以内 5,000円+消費税 30分超の場合 10分以内毎に1,500円+消費税加算

  面接相談   30分以内 5,000円+消費税 30分超の場合 10分以内毎に1,500円+消費税加算


※電話相談は即時、メール相談は48時間以内に回答いたします。相談料は、当日又は翌日、指定銀行口座にお振込をお願いします。振込先は相談後電話又はメールで連絡させて頂きます。

※メール相談、電話相談の際の振込手数料は、誠に恐れ入りますが、相談者様の方でご負担下さい。

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