外国人の労務管理


(1)外国人労働者の採用


外国人と日本人の労務管理で一番大きな違いは、日本人なら職種が限定されることはありませんが、外国人の場合は、職種が限定されるということです。


外国人を採用するに当たっては、まず、その外国人にどのような職種を担当させるのか決定することです。


そして、その職種を担当させることが出来る在留資格を持っているか、また、今後取得出来るかを確認します。


その際、
パスパート、外国人登録証明書、資格外活動許可書等が必要です。


【外国人を採用する際の3つのポイント】


1.外国人が現在所持している在留資格は何か。

2.就労可能な在留資格かどうか。

3.所持する在留資格の期限はいつまでか。


■ 日本で就労できる外国人は以下の在留資格を所持している外国人です。


1.「永住者」、「日本人の配偶者」、「永住者の配偶者」、「永住者」


これらの在留資格を所持している外国人は、職種、業種を問わず就労可能です。


2.「教授」、「芸術」、「宗教」、「報道」、「投資・経営」、「法律・会計業務」、「医療」、「研究」、「教育」、「技術」、「人文知識・国際業務」、「企業内転勤」、「興行」、「技能」


これらの在留資格を所持している外国人は、一定の範囲内の職種、業種、勤務内容に限って就労が可能です。


在留資格で認められた職種以外で就労させると
不法就労となりますので、ご注意下さい。


■ 以下の在留資格の所持者は、原則として就労不可能ですが、資格外活動の許可を得れば、就労可能です。


1.
「文化活動」、「留学」、「就学」、「家族滞在」


資格外活動は、本来の在留資格に属する活動を阻害しない範囲内で、相当と認められる場合にのみ許可されます。


留学生・就学生のアルバイト可能時間

留学生(大学等の正規の学生)や専門学校の学生‥1週28時間以内

留学生(大学等の聴講生、研究生)‥1週14時間以内

就学生‥1日4時間以内


(2)外国人労働者の届出(平成19年10月1日以降)


平成19年10月1日以降、外国人労働者を雇入れたり、外国人労働者が離職する際に公共職業安定所への届出が義務化されました。違反すると30万円の罰金に処せられますので、ご注意下さい。


1.対象となる外国人労働者


 日本国籍を有しない(特別永住者並びに在留資格が「外交」及び「公用」の者を除く)労働者


2.雇用保険被保険者資格を有する外国人労働者


■届出方法


 雇用保険の被保険者資格の取得届または喪失届の備考欄に、在留資格、在留期限、国籍等を記載


■届出期限


 雇入れの場合は翌月10日までに、離職の場合は翌日から起算して10日以内


3.雇用保険被保険者資格を有しない外国人労働者


■届出方法


 別途定める届出様式に、氏名、在留資格、在留期限、生年月日、性別、国籍等を記載


■届出期限


 雇入れ、離職の場合ともに翌月末日まで


4.平成19年10月1日現在、雇入れている労働者


■届出方法


 別途定める届出様式に、氏名、在留資格、在留期限、生年月日、性別、国籍等を記載


■届出期限


 平成20年10月1日


(3)外国人労働者への法令の適用


労働基準法をはじめとする労働者保護法が原則として適用されます。労働保険法令、社会保険法令も原則として適用されます。


労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法、職業安定法は、外国人労働者にも適用されます。


労働者災害補償保険法(労災保険法)は、不法就労であっても、適法に就労している労働者と同様適用されます。


雇用保険法は、外国公務員や本国で雇用保険の適用を受けている者を除き、適用労働者となります。但し、不法就労の労働者には適用されません。


健康保険も厚生年金保険も国籍に係わらず加入対象者であれば加入しなければなりません。但し、厚生年金保険は、日本と年金協定を結んでいる国の労働者は除きます。


(4)労働契約書(雇用契約書)の締結


労働条件をめぐるトラブルを防止するため、労働条件及び服務規律等を明記した労働契約書を必ず交わします。この場合、日本語を良く理解していない外国人労働者向けに、日本語の労働契約書だけでなく、英語又は当該外国人労働者の母国語で翻訳した労働契約書も交わしておく必要があります。


(5)就業規則の周知


就業規則は、労働契約書に記載されていない労働条件や服務規律が明記されています。労務管理上も労働契約書及び就業規則に従い、労働に従事させる必要があるので、外国人労働者にも就業規則の内容を周知させます。この際、労働契約書の場合と同様、日本語を良く理解していない外国人労働者向けに英語又は当該外国人労働者の母国語で翻訳した就業規則を整備しておく必要があります。


(6)外国人労働者の就労の現状


平成元年の入国管理法の改正以降、政府の積極的な外国人労働者の受け入れ方 針により外国人労働者は増加しています。 就労形態としては、専門的、技術的な能力を持ち、事業所に直接雇用される者 と、単純労働に主として従事し、労働者派遣、請負の形態で間接雇用される者 に大きく分かれます。 特に、就労に制限のない在留資格で入国する者、なかでも日系人については、 労働者派遣・請負などの間接雇用の形態で就労する者が増加しています。


(7)外国人労働者の雇用管理の現状


(1)で説明しましたように外国人労働者には、在留資格により労働が制限されて います。 また、外国人労働者も日本人労働者と同様、労働基準法をはじめとする労働者 保護法が適用されます。 事業主によってはこのことを知らずに、また知っていても悪意で不法就労させ たり、労働者保護法を遵守しない事業主がいらっしゃるようですが、悪質な場 合は、入管法や労働関係法令によって処罰される可能性があるので、注意が必 要です。


(8)偽装請負


(6)で述べたように日系人の場合、請負で間接雇用されるケースが増加していま す。 これは、日本経済が低迷し、正社員を雇用する余裕がなくなってきたこと、き つい、汚い、危険といったいわゆる3Kの仕事に従事することを日本人労働者 が避けていることも一因です。


問題は、請負ですから請負業者のリーダーが現場で外国人労働者に指示・命令 を出すべきなのですが、景気低迷による経費削減のため、全ての現場に請負業 者のリーダーがいないことが多いのです。 そのため、発注者のリーダーが外国人労働者に直接指示・命令を出すことにな りますが、これでは請負ではなく労働者派遣にあたります。いわゆる偽装請負 です。 一般労働者派遣事業を行うには、厚生労働大臣の許可が必要です。無許可で労 働者派遣事業を行うと処罰されますので、ご注意下さい。


外国人労働者労務管理指針





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