中小企業の賃金制度

中小企業では、本人の仕事の成果に対して賃金を払うという考え方が一般的です。
ここでは、仕事の成果をいかに評価するか体系的に考えていきます。
これをもとに中小企業の賃金、賞与、退職金の制度を構築します。

(1)戦後日本の賃金制度の変遷


我国は、戦後の焼野が原から高度成長・安定成長をへて現在の低成長の時代をむかえていますが、賃金制度も次のように時代の変遷を受け、変わってきました。


@1945年〜1960年頃

 生活保障が中心。
生活給的な賃金制度


A1960年頃〜1975年頃

 学歴・性別・勤続年数を加味した
年功的な賃金制度


B1975年頃〜1995年頃

 年功人事制度を加味した職能資格給制度



C1995年頃〜現在

 成果主義を中心とする新しい能力主義賃金制度


大企業においては職能資格給を中心に一部成果主義による年棒制を導入しているところが多くあります。一方、成果主義もチームワークを重視する我国の勤務体制に反するものがあり、現在、その見直しが行われています。
ここでは、中堅・中小企業で役に立つ賃金制度を説明したいと思います。



(2)中堅企業・中小企業の賃金制度


100人以下の中堅・中小企業においては、従来、大企業の職能資格給制度を手直しして、中堅・中小企業の実情に合わせて、賃金制度が実施されてきましたが、現在のような低成長の時代には、それもうまく機能しなくなりました。多くの中堅・中小企業の経営者は賃金制度を見直し、業績を向上させたいと考えています。


ここでは、そうした中堅・中小企業向けに開発された鎌本勝博氏の「ブレスト賃金制度」を中心に説明していきます。


(3)職能給から職務給(仕事給)へ


大企業では1,000人以上の従業員がいるため賃金制度も理論的に設計されており、そのため本人の能力を重視する職能給の採用が一般的です。また、経理職から営業職といった異動も頻繁に行われますが、職能資格給でないと対応出来ません。

一方、中堅・中小企業においては、本人の能力に対して賃金を支払うという考えではなく、本人の仕事の成果に対して、賃金を支払うという考え方が一般的です。

職能給は、属人給ですが、職務給(仕事給)は、仕事給と分類されます。従って、仕事給を払うためには、仕事に対する公平な評価が要求されてきます。

米国では、日本と異なり、個人で仕事をするため、仕事給が中心であり、仕事に対する評価がきちんと整備されています。

日本では、チームで仕事をすることが多いため、この仕事に対する客観的な評価が出来ず、仕事給の導入がすすんでいないのが現状です。

「プレスト賃金制度」では、この点をきちんと整理した賃金制度となっています。



(4)基本給・諸手当の設計


基本給の設計は次の流れで設計します。


@仕事給をベースに新賃金体系を構築することを前提にして、現行の賃金体系での諸手当を整理・検討します。


A新賃金体系での仮の基本給を求めます。


B仮の新基本給に基づいて各仕事グレードごとに該当する従業員サンプルを抽出します。


C各仕事グレードから抽出したサンプルの従業員の新基本給を基に、仕事グレード賃金表を作成します。


D設計した賃金表に全従業員の仮の新基本給をあてはめて、各従業員がどの仕事グレードになるかを確認します。


Eこの仕事グレード格付けをみて、社長様の従業員に対するグレード格付けのイメージがかけ離れている場合は、賃金設計表の初期値(下現値)や上限値等を変更して、手順Cの作業を再度実施します。


F賃金制度改定時には、従業員の賃金支給総額は変更しないことを前提にしていますので、差額が出る場合は、調整給として処理します。この調整給は、将来は基本給に統合されます。


(5)賞与の設計


賞与については、業績連動型の制度とします。事前の面接で、予算達成率と本人の評価で賞与が決定されることを予め本人に説明し、社員のやる気を引き出します。


また、基本給と賞与の連動を断ち、新賃金体系表による各グレードの初期値から一定の金額を引いたものを賞与算定基礎額として、実際の支給は、この算定基礎額の○ヶ月分支給という形をとります。


(6)退職金の設計


(1)退職金も多額にならないように、基本給との連動を断ち、原則としてポイント制退職金制度とします。



ポイント制退職金の詳細はこちらをご覧下さい。


ポイント制において、職能ポイントの部分は役割ポイントに置き換えて設計します。ポイント制の導入に関しましては、経営者様と良く打ち合わせ、制度の設計を提案いたします。


(2)ポイント制が制度的に導入困難な企業様に対しては、勤続年数と退職時の評価を加味して、勤続貢献度と企業貢献度を反映する簡易式の退職金制度を提案する場合もございます。



(3)退職金の準備方法も中退共特退共生命保険を利用する方法等いろいろございます。それぞれの制度には、メリット・デメリットがありますので、比較検討します。


(4)経営者様によりましては、最初から退職金制度を導入しない方針の方もおられます。その場合は、賃金制度の設計から退職金制度の設計を省略いたします。


                                            大阪労務管理事務所トップに戻る


業務案内社会保険料の節約適格年金の移行退職金制度の見直し401kの導入支援
就業規則の作成・見直し審査請求・再審査請求代理あっせん代理問題社員対応
コンピテンシー高齢者の賃金設計
小規模企業の健康診断最新ニュースセミナーの開催
職場のメンタルヘルス助成金の申請代行パート社員労務管理キャリアコンサルティング
賃金制度年金の実務
給与計算の実務Eメール顧問貴社のメリット報酬規定
賞与計算の実務解雇雇止め安全配慮義務労災発生時の対応労務管理無料無料相談
社会保険料の計算方法傷病手当金合同労組契約社員の労務管理派遣社員の労務管理