401kの導入支援
日本版401kは個人にとっては、税制面、社会保険料負担面でメリットがあります。
企業にとっても一定の拠出金負担のみで、退職給付債務が貸借対照表にも出てきません。
日本版401kのデメリットが今後改善されれば、もっと普及すると考えられます。
(1)確定拠出年金・日本版401k導入の背景
@公的年金給付の削減
老齢厚生年金、老齢国民年金は、少子・高齢化の影響により、政府が年金改革の方向で発表しているように今後ますます給付が削減される方向にあり、今後は60歳以降の老後資金は自己責任で確保することが必要になり、401kはその有力な手段になっています。
A企業の年金給付債務負担の不要
401kは、確定拠出型の年金であるため、企業は一定の給付額を拠出すれば、積立不足の問題は発生しません。確定給付型のように運用環境が悪く、積立不足が発生した場合、積立不足を埋め合せる必要がありません。
B成果主義の進展と人材の流動化
企業年金や退職金制度は、年功序列から成果主義へと考え方がシフトし、人材流動化が進んでいく中、これまでの長期勤続者に手厚い仕組みから変質を迫られています。転職者や中途採用者でも不利のない制度が求められています。
(2)日本版401kとは
平成13年10月1日より施行された確定拠出年金法に基づく年金です。確定拠出年金とは、掛金の部分をあらかじめ決めておいて、運用収益次第で給付額が変動する年金制度です。運用がうまく行って運用収益が増加すれば受け取る年金の額が増加しますが、運用が思うように行かずに運用収益が伸びなければ受け取る年金の額が予定より少なくなるケースが発生します。
従来の企業年金の運用リスクは企業が負担していましたが、日本版401kでは従業員が負担することとなります。
日本版40kには、「企業型」と「個人型」の2つのタイプがあります。
(1)「企業型」と「個人型」
「企業型」は、厚生年金に加入している企業の従業員(国民年金第2号被保険者、60歳未満))が加入対象者です。掛金は全額企業負担です。掛金は全額損金算入出来ます。
「個人型」は、企業が企業年金の対象となっておらず、かつ、確定拠出型年金の企業年金の対象になっていない企業の60歳未満の従業員と、60歳未満の自営業者等(国民年金第1号被保険者)が加入対象者です。掛金は全額個人負担です。
イ.サラリーマンが加入する場合、次の様に他の企業年金制度(厚生年金基金等)があるか、ないかにより、「企業型」と「個人型」に分かれます。
| 日本版401k制度の有無 | あり | なし | ||
| 他の企業ネ金制度の有無 | あり | なし | あり | なし |
| 企業型、個人型の別 | 企業型 | 企業型 | 加入不可 | 個人型 |
| 掛金月額限度額 | 23,000円 | 46,000円 | ー | 18,000円 |
ロ.自営業者等の場合は次のようになります。
・公務員及び第3号被保険者は、加入出来ません。
・60歳未満の自営業者等は「個人型」に加入出来ます。加入限度額は、国民年金基金の掛金と合計して月額68,000円です。
ここでは、「企業型」を中心に話を進めていきます。
(2)運用商品
最低3種類のなかから選ぶことが出来ます。このうち最低1種類は、「元本確保型」の商品を選ぶ必要があります。
運用商品として、次の様な商品があります。
●保険商品(元本確保型) ●投資信託 ●預貯金(元本確保型)
運用商品を選ぶ基準は、年齢によって異なります。若いうちは、積極的にリスをとりにいくことが可能なので、ハイリスク・ハイリターンの投資信託のウエイトを高めることも出来ますが、、50代ともなると積極的にリスクはとれないので、元本確保型の商品の割合を高めることになります。運用商品の見直しは3カ月ごとに可能ですが、1年間位は選んだ商品の運用成績をみて変更すれば良いでしょう。
(3)日本版401kに係る各関係機関の主な役割
@加入企業
導入の労使の合意を取り付け、規約を作成し、資産管理機関に掛金を拠出します。従業員に対し、投資教育を行います。
A従業員
運用商品を選定し、運営管理機関に指図します。
B運営管理機関
運用指図の取りまとめと記録管理業務等を行います。
C資産管理機関(信託銀行等)
掛金を預り、運用指図に従い、商品提供機関と運用商品を契約します。
D商品提供機関(銀行、証券会社、生命保険会社、損害保険会社等)
資産管理機関と運用商品(預金、生命保険、投資信託)の契約を締結します。
(4)401kのメリット・デメリット
@企業にとってのメリット
・拠出後の債務が発生せず、事業計画がたてやすい。
・掛金は全額損金扱いとなる。
・ポータビリティがあるため、優秀な人材の中途採用が可能。
・退職給与引当金制度が廃止され、従来の引当金を益金として取り崩す必要があるが、401kの導入により節税を図ることが出来る。
A従業員にとってのメリット
・拠出時・運用時・給付時それぞれに税制優遇措置がある。
・常に自分の資産残高が分かる。
・社外積立であり、企業が倒産しても保全される。
・ポータビリティがあるので、中途退職者も不利にならない。
・運用商品の自己選択が可能となる。
B企業にとってのデメリット
・運用管理コストが発生する。
・投資教育を行うためのコストが発生する。
・運用先の見直しと従業員への提示を3ヶ月ごとに行うため事務負担が増える。
・資産運用状況が良好であっても掛金は軽減されない。
・他制度からの移換には積立不足を解消しなければならない。
・懲戒規定が適用されない。
C従業員にとってのデメリット
・将来の給付額が保障されないので、老後の生活設計が立てにくい。
・運用リスクを自分が負わなければならない。
・原則60歳まで一時金の払出しが出来ない。
・企業拠出限度額が設定されており、比較的低い額になっている。
・結婚して第3号被保険者になった場合は個人型にも加入出来ない。
(5)401kはどのような企業に向いているか。
@はじめて401kを導入する企業
福利厚生制度として401k(確定拠出企業年金)を導入することにより、企業の魅力が増し、優秀な人材を確保することができます。
A従来の退職金制度を廃止し、401kを導入する企業
雇用の流動化を背景とし、従来の退職金制度を廃止し、前払い制度を採用する企業が増加しています。また、従来の退職金制度の資産運用の不振で退職給付債務が増加したため、退職金制度の廃止を考えている企業が増加しています。こうした企業では、401kを導入すれば、拠出金は非課税で社会保険料の対象になりませんので、労使とも、現金で給与や賞与の上乗せとして支給する(前払い退職金制度)より有利です。
B既に退職金制度を有している黒字企業
既に退職金制度を有している企業で、黒字で税金を節約したい場合は、退職金制度の上乗せ給付として401kを導入し、福利厚生制度を充実させ優秀な人材の確保を狙うことが出来ます。
C従業員数100人以上の企業
401kの導入コスト、運用管理コストを考えますと従業員数が100人以上の規模の企業が適当と考えます。
◆401kは、原則60歳以降しか給付を受けることが出来ませんので、退職金制度というよりは、税制優遇措置を受けることの出来る老後資金の積立制度と言えます。
(6)401k導入の手順
@現状の分析
現行の退職金制度によるモデル年金を計算してみます。
A新制度でのモデル年金の試算
・401kでモデル年金を試算してみます。
・拠出額の水準を決定します。
B既存従業員への対応
現行制度と401kとの差額について労使で検討します。旧退職金制度の既得権は保護します。
C新制度の説明
人事担当者より、従業員に新制度を説明します。
D運営管理機関・資産管理機関の決定
運営コスト・管理コストが最も低い機関を決定。
E規約申請手続
総合型規約、就業規則、退職金規程の改訂・届出。
F従業員投資教育
事業主に代わり、外部の資産運用担当者より、従業員に投資教育を実施。
G401k制度開始
※当事務所では、中堅企業でもコスト負担が少なく導入も容易な総合型401kの導入をお勧めしています。また、投資教育に関してもご相談に応じております。
(料金:お見積りを提出させて頂きます。)
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