79日間の訓練 (2000.5.21)

駒ヶ根の訓練所の近所から南アルプスを望む。

とてもに美しい山々を眺めることができます。さすがは信州。

 ついに始まったというより,もう始まって半分が過ぎてしまったところだ。青年海外協力隊に合格すると,任国に派遣されるまでに79日間の訓練が待っている。実際これは訓練の合間を見て書いている。
 訓練所は国内に3ヶ所あり,東京の広尾,福島県の二本松,そして私が訓練を受けている長野県駒ケ根市である。ここ駒ヶ根の訓練所には30以上の国に派遣される予定の訓練生が集まる。ここで予定と書いたのは,あくまでも予定であっていろいろな要因で行けない(行かない)場合があるからである。だから,「○○候補生」,「(国名)へ派遣予定の○○さん」という言い方で呼ばれる。今回の12年度1次隊候補生は総勢205名。マレイシア,バングラデシュ,ブータンなどのアジア諸国,ドミニカ共和国,チリ,パナマ,ジャマイカなどの中南米諸国,ミクロネシア,パラオ,ヴァヌアツなどの大洋州諸国そして,私が派遣される予定のニジェール,セネガル,コートジボアールなどのアフリカ諸国など任国は様々だ。集まっている人達も実にバラエティーに富んでいて,全国津々浦々から来ていることに加えて,20代前半から30代後半まで歳層も広い。職種もこれまた様々で,私のような小学校教諭から幼稚園教諭,理数科教師のような教育職から,村落開発普及員,看護婦,助産婦,野菜,養殖,自動車整備,板金,木工,ソーシャルワーカー,家政,システムエンジニアなど多様である。みんなが個性の塊というか個性的な人が多いことは間違いない。私などはその個性の集団の中に埋もれていってしまいそうである。
 さて,ここではなんといっても語学の習得が重要なポイントである。国際関係や国際理解,病気の予防などの講座もあるが,やっぱり語学が一番重要課題となる。なにしろ1日だいたい5時間も語学の学習があるのだ。私の派遣予定国ニジェールはフランス語圏である。フランス語なんてそれまで,バレエを習っていたときに先生が「アン,ドゥ,トゥロア」と言っていたのを聞いて知っているくらいである。あとせいぜい「ボンジュール」くらいだろうか。それをしゃべれるようになって向こうの小学生にその言葉で授業をしなければならないのである。
 フランス語という言葉はものすごく動詞の変化が激しい言語である。一つの動詞が主語が変わればみんな変化してしまうのだ。つまり,私,君,彼(彼女),私たち,あなた方(あなた),彼ら(彼女ら)という主語の変化に伴って動詞も変化する(ときに激しく,ときに少しだけ)。けっこう基本的な変化の法則があるが,それも当てにならないことも多い。法則にしたがって,できたと思うのは禁物である。できたと思っていると,それをあざ笑うかのように思わぬ落とし穴がしかけてあるのだ。もう一つ私を苦しませているのは名詞や形容詞に,男性形と女性形があることだ。男性形と女性形でそれぞれにくっつく形容詞なども違ってくるから大変である。コーヒーと牛乳は男性形でクリームとビールは女性形!鼻とあごと背中は男性形で,頭と口と手は女性形!!なぜだ〜!?・・・・・・・・・・・30を前にして新しいことがなかなか入ってこない自分の脳ミソを恨めしく思いながら今日も勉強に勤しむのである。
 訓練が終了するのは6月28日。それまでに少しはまともに話せるようになるのだろうか・・・。

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