これまでの経過 vol.1

中之島公園の猫たち

元「野良猫」タキシードが秘書たちとつづる中之島公園の猫たちのブログです。愛情のこもった文章と愛くるしい写真が満載。ぜひご覧ください。













1.猫を置き去りにした公園

大阪・中之島の東部に中之島公園はあります。正確には、島の東半分がほぼ公園地域で、その中に市役所や府立図書館、中央公会堂、東洋陶磁美術館などが建ち並び、さらに行くとバラの広場やバラの庭、剣先広場が続いています。

中之島公園はバラの名所ですが、同時に猫の名所でもありました。野良猫とは思えない人懐こい猫たちがたくさんいて、昼休みや仕事の合間に訪れる人々の癒しの場となっていました。その中之島公園の最東部である剣先地区が、平成19年11月1日に再整備工事のために閉鎖されることとなったのです。翌年、1月にはバラ園を含め、全体が閉鎖されるということでした。


中之島公園は、周囲を川で囲まれた公園です。
当初、猫の数は剣先地区だけで20匹以上、全体では猫の数は50匹を下らないと見込まれていました。実際にはもっと多くの猫がいたのですが、その猫たちは、人間から食べ物をもらって生きていました。工事で公園が閉鎖され、猫たちだけが取り残されたら、その猫たちは食べ物も水ももらえなくなります。猫たちは一体どうなるのでしょうか。

大阪市が、工事の発表をしてから、猫のことを心配するたくさんの問い合わせや抗議の声が電話やメールを通じて毎日のように大阪市に届けられていました。Tさんも大阪市に電話をかけ続けた人の一人です。
このままでは猫が餓死してしまう。せめて食べ物と水をあげるために工事エリア内に入れるようにしてもらいたい。それがだめなら、行政か工事関係者の人が食べ物と水を与えてほしい。
Tさんは、健康福祉局、ゆとりとみどり振興局、区役所、公園事務所・・・。ありとあらゆる大阪市の機関に電話をかけました。

しかし、行政の反応は鈍く、たらいまわしにされたり、一方的に電話を切られたり、のらりくらりとかわされてばかりでした。公園の管理を担当するゆとりとみどり振興局から得た答えは、「工事エリアに一般の人が立入ることは許可できない。しかし、動物愛護の観点から猫の処分はしない」というものでした。また、いくつかの動物愛護団体にも相談しましたが、どの団体もケージがいっぱいで保護はできないとのことでした。

そうしている間に11月1日を迎え、予定通り剣先部分が閉鎖されてしまいました。
猫の処分はしないが、食べ物を与えることも許可しない。それはつまり、猫たちが飢えて死ぬのを待つということではないのか。何が動物愛護の観点だ!
Tさんの怒りは頂点に達していました。そして、公園事務所への何度目かの電話をかけた時、担当者と名乗る男性職員が電話に対応しました。これまで、担当者と名乗る職員が直接に電話に出たことはありませんでしたが、その担当者の言葉は、衝撃的なものでした。

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