■環境省の統計によれば、2008年度の日本国内における犬猫の殺処分数は、犬100,239頭、猫209,532頭です。年間、30万頭もの犬や猫の命が全国の動物管理センターで殺処分により失われています。安楽死ではなく、炭酸ガスによる窒息死です。「飼えなくなった」などの勝手な理由で多くの犬や猫が飼い主に「殺されて」いるのです。また、動物管理センターに引き取られた幼齢期の猫は151,677頭で、適切な不妊去勢を行うことなく不用意に繁殖させた結果、動物管理センターに引き取られる子猫が非常に多いのです。「殺されるために飼われた」「殺されるために生まれてきた」かのような不幸な犬や猫を生み出してはなりません。
■2009年12月には、兵庫県尼崎市で、狂犬病予防法による登録やワクチン接種をしないまま犬の繁殖を手掛ける業者から、市が過去5年間、違法状態と知りながら、飼育できなくなった犬を年間50匹以上引き取り、殺処分していたことが明らかとなりました。悪質なブリーダーの行為とはいえ、その背景には昨今のペットブームがあります。ペットブームに乗じてブリーダーたちは犬や猫を繁殖させます。そこには人間の金儲けのためだけに繁殖を強いられる犬や猫たちがいます。そして、売れ残った犬や猫は多かれ少なかれ、なんらかの「処分」をされることになるのです。ペットブームはまた、ペットショップを通じての安易な生体売買を促し、「飼えなくなった」という無責任な飼い主を生み出すことになります。
■犬や猫を飼えば、自分の生活を犬や猫に合わせて変える必要もあります。犬も猫も20年近く生きます。病気になることもあれば、年をとって介護が必要になることもあります。お金も掛かります。だからといって、飼育を放棄することは出来ません。犬や猫の飼い主に対する信頼を裏切ることはできません。飼い主にはその犬や猫が生を全とうするまで面倒を見なければならない、命を養う者としての責任があります。その責任を負う覚悟があるならば、ペットショップではなく、ぜひとも、動物管理センターや里親探しをしているボランティア、団体から、犬や猫を引き取ってあげてください。
■動物の遺棄・虐待・殺処分など、目を覆い、耳を塞ぎたくなるような出来事が、絶えません。いつの日か、虐待も遺棄も殺処分もゼロとなる日の来ることを願わずにはおれません。
命あるものである動物に対 してやさしい眼差しを向けることができるような態度なくして、社会における 生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養を図ることは困難である。
(「動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための 基本的な指針」平成18年度環境省告示第140号より)
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