俊樹の部屋(?)

俊樹の部屋(第18回)


(98.8.7アップデイト)

1996年5月30日、歴史は始まりました。ついに布川俊樹のホームページがスタートしたのです。このページを立ち上げた4、5月はギターを弾くよりとにかくこのホームページ製作に追われる日々、日夜Macに向かっておりました。この「俊樹の部屋」は毎回僕がたわいもないことをエッセイ的に書き連ねたり、「徹子の部屋」みたいにゲストを呼んで対談をする、みたいなコーナーであります。

いやあやっと教則本を書き終えたぞ。もう3ヶ月くらいかかりきり、こんなに大変だとは思わなかった。自分の演奏のコピーとかが意外に大変で、もうやんなっちゃった。皆様にはお待たせいたしました。時間もできたので久々のアップデイトです。さて今回はニュー.アルバム、その名も「ザ.ニュー.テナー.シーン」をリリースしたばかりのコンテンポラリー.テナー.サックスの雄、佐藤達哉氏をゲストに迎えました。ちなみにこの対談は6月2日ライブハウス、サムデイでのギグ「サンペイ.セッション」を終えてから行われたものです。このセッションはチック.コリアの曲とかブレッカー関係とかいつも難曲の目白押し(サンペイさんが難曲ばかり持ってくる)。それを達哉さんは圧倒的テクニックでクリアするんだよなあ…。

布川:
いやあ、いかがでしたか今日の演奏は(笑)。
佐藤:
楽しかったですね。
布川:
固くならないでくださいね。大体テープ回るといきなり話が固くなっちゃうんですよ(笑)。達哉さんとは考えてみれば付き合いは長いですよね。
佐藤:
もう18年くらいかなあ。こんなに長い付き合いのミュージシャンも俊ちゃんくらいだよね。
布川:
そうですね。最初は大学2、3年の頃だから。達哉さんがダンモ(早稲田大学モダン.ジャズ研究会)でレギュラーやってた頃、アケタの店に見に行った記憶がありますよ。達哉さんが学年では1年先輩で…。それで僕の友人が早稲田のナレオ(ポップ系のサークル)にいて「ダンモにブレッカーがいる」って聞いてた(笑)。
佐藤:
そうなんだ。そりゃ知らなかった。わざわざ聞きに来てくれたなんて。その頃のメンバーって加藤みちあきってスタジオとかやってるブッ飛んだギター(笑)。それからベースは猪俣猛さんなんかのバンドに行った内山。あとニューヨーク行っちゃった宮北ってドラム。もう1人が神田っていうキーボード、彼は三井物産。1人真っ当な道を…(笑)。
布川:
我々の道は何なんでしょうねえ(笑)。
佐藤:
我々はもっと真っ当(笑)。
布川:
まっぽう(末法)だったりして。世も末ってことで(笑)。神田は僕の高校の後輩だったんですよ。あいつはQuizっていうベースの鳴瀬さんのバンドでレコーディングとか学生で参加して、それで商社マンだもんなあ…。うまいことやった(笑)。ところでニュー.アルバム.リリースおめでとうございます。その話をしましょうか。達哉さん、これ2日で録ったんですってね。
佐藤:
テナー.トリオは全部1テイク(1曲めのテナー.トリオでスタンダード「Namely You」を聴きながら)。もっともジャズってだいたい1テイクめが一番出来がいいじゃない?何回もやると内容に新鮮味がなくなってくるよね。だから録音時間も短くてすむんだよね。
布川:
そうですねえ。僕等の場合あんまり時間があり過ぎてもかえって困ったりして(笑)。聴いて思ったんですけど、何と言ってもサックスの音色が素晴らしい!
佐藤:
どうも有り難う。音色にはこだわりたかったからね。
布川:
テナー.トリオって言うと僕なんかロリンズとかすぐ思い出しちゃうけど、そういう意識ってあります?
佐藤:
実際やっている時には特に意識してないけど、聴きかえしてみるとどっか影響を受けてるのを感じるね。
布川:
なるほど。カルテットでやってるのはだいぶアレンジされてるものですね。達哉さんのオリジナルも何曲か。僕は5曲めの「Quantum Leap」っていうのが好きですねえ。サックスのテーマとピアノ、ベースのユニゾンが交互に出てくるところがかっこいい(聴かなきゃわかんないな…)。
佐藤:
イエーイ!Thank You Very Much ! ピアノとベースのユニゾンの部分はサックス吹いてて思い浮かんだんだけど、「難しい」って言われちゃって。サックスで出来ても他の楽器じゃやっかいなのもあるみたいね。納ちゃんにアレンジしてもらった3曲もずいぶん凝ってくれて、大変だったけど面白かったよね。
布川:
たしかに彼のアレンジって感じだ(笑)。演奏も一筋縄では行かないでしょうねえ。ところでピアノの米田(正義)さんという方はミュージシャン界隈では非常に評価の高い方なんですが、素晴らしいですねえ。
佐藤:
そうでしょう。本当に素晴らしい、天才的な演奏をする人だよね。もっともっと世の中に認められてもいい一人だよね。いつもスポンテイニアスで力が抜けてて、アイディア、ひらめきの宝庫だね。I Love 米田なんだよね。 あと話は全然変わるけどマスタリングって恐いね。俺なんかさあマスタリングってそんなに大したことじゃないって思ってたんだけど…。
布川:
うーん、わかる。
佐藤:
納ちゃんに「マスタリング気をつけた方がいいよ」って言われたから森本さん(佐藤氏のアルバムを録音したエンジニア。納氏や香取氏のCDも録音している)連れて行ったのよ。そうしたら全然最初サックスの音が変わっちゃっててさあ…。やっぱりマスタリング.エンジニアの癖って言うかイメージってあるじゃない。森本さんに何とか言ってもらって事なきを得たけど、彼がいなかったら僕の口からじゃ言いようがなかったよ。
布川:
マスタリングってほんとに大切って言いますよね。これはリーダー作出したりして立ち会わないとわかんない。やっぱり僕たちTD(トラック.ダウン)がすごく大切って思っちゃってマスタリングおろそかにしやすい。
佐藤:
とにかく、録音した人がついでにやるなんてもんじゃないよね。曲順決めちゃえばいいってもんじゃない。最後のマスタリングでどんでん返しが待ってるよね。ブルー.ノート.レーベルのルディ.バン.ゲルダーなんか録音もマスタリングもレコードのカッティングまで自分一人でやってたらしいよ。レコーディングとマスタリングは同じ人がやった方がいいみたいね。
布川:
ほんとに。驚くべきことにバランスも変わっちゃうから…。結局、どの帯域を出すかとかあるんでしょうね。でも音色の希望を口で言うのはほんとに難しい(笑)。

ここでドラムのサンペイさん乱入。

サンペイ:
例えばね、サックスとかだったら、結局生の音をマイクで拾って録るわけじゃない。それでエンジニアの人によって聴こえ方が違うってのは、何が違うのかなあ。
布川:
僕、色々思うんですけどけど、録音するときってさあ、聴き手がどこで聴くことを想定するかだと思うんですよ。例えばギターだったら絶対に聴き手はアンプに耳をつけて聴くことはないでしょ。ということはアンプにビタっとマイクをオンにして録るのは少なくとも現実のライブ環境、あるいはギターを弾く身としてはあり得ないサウンドだと思うわけ。アンビエントがない。まあ、そういうサウンドならではのサウンドはあるんだけどさあ…。サックスだってさあ、吹いてる人と聴いている人って絶対物理的にも違う音を聴いてると思うわけですよ。聴いている人は体の振動では音は伝わってこないでしょ。そこらへんってどうですかね。
佐藤:
よくびっくりするよね、録音された自分の音は(笑)。自分の声を録音してびっくりするのと同じだよ。たしかに昔は自分の音が全然わかんなかった。でもいまはこういう感じに自分で聴こえてるんなら外にはこういう風に鳴っているって想定できるようになってきたけどね。大人になったから…(笑)。そういうことはできないといけないよね。アメリカのスタジオ.ミュージシャンやレコーディングをたくさんこなしているジャズ.ミュージシャンはそのへんをばっちりコントロールしてるよね。
布川:
そうですね。我々もがんばりましょう。やっぱり自分が客で聴いてると想定したときにいい音が出ているようになりたいですよね。
佐藤:
その通り。我々のこれからの課題かな。そのへんがバッチリになったら、何か別の世界がひらけてきそうだよね。
布川:
最後に近況でも聞かせてください。
佐藤:
8月28日(金)に岩本町のタックでCD発売記念ライブをやります。9月15(火)には青森市のりんご倉庫の中で4テナー.サックス.バトル。そうそう、あと9月6日(日)2:00PMから高田馬場のコットンクラブ(イントロの姉妹店)で、CD発売記念のパーティーを盛大にやります。3,000円で飲み放題、そして当ホームページのオーナー、布川俊樹さんをゲストに迎えております。
布川:
あ、そうでございましたねえ。本日はありがとうございました。


いやあ、さすがに先輩、楽しいお話を伺うことができました。佐藤達哉氏は大変な飲んべえ、この後も高田馬場のジャズ喫茶「イントロ」に場を移して飲みとバカ話は続き、マスター交えて酔っ払いセッション、楽しい夜でした。また達哉さんとはサムデイでサンペイ.セッションを一緒にやる(8月26日)ので聴きに来てくださいね。ちなみに「俊樹の部屋」のバックナンバーを用意しています。見てない方はチェックしてね。








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