俊樹の部屋(?)

俊樹の部屋(第11回)


(97.5.22アップデイト)

1996年5月30日、歴史は始まりました。ついに布川俊樹のホームページがスタートしたのです。このページを立ち上げた4、5月はギターを弾くよりとにかくこのホームページ製作に追われる日々、日夜Macに向かっておりました。この「俊樹の部屋」は毎回僕がたわいもないことをエッセイ的に書き連ねたり、「徹子の部屋」みたいにゲストを呼んで対談をする、みたいなコーナーであります。

お久しぶりです。わたくし、5月に入って帯状疱疹という病気にかかり、ほとんど自宅で入院しているような生活を送っておりました。そんなわけで「俊樹の部屋」のアップデイトも大変遅れましたが、なにとぞご勘弁を。ようやく痛みも減り、ホームページ作りにも一層邁進する所存であります。さて、この「布川俊樹.ジャズ.ジャングル」も5月30日で何と創刊1周年を迎えます。我ながらよくネタが保ったものだと感心しております。これもひとえに皆様方のご愛顧の賜物です。そこで今回は1周年を記念して、我がホームページの目玉コーナー「俊樹の部屋」は2回連続特別企画、香取良彦氏、納浩一氏をゲストに迎えた三者対談をお送りいたします。このメンバーは知る人ぞ知る全国行脚水戸黄門トリオ、通称カトリオのメンバーでありますが、香取氏、納氏ともにこの度デビュー.アルバムをリリースします。第一部は香取氏、第二部は納氏のアルバムについて語って行く予定です。ではまず今回、題して鬼才香取良彦遂にその全貌を現す!オーケストラの初リーダー作「Riverside Music Garden」を語ろう!という企画であります。



布川:
こんにちは、カトリアン(香取氏のあだ名)、納ちゃん、今日はわざわざ僕のお見舞いありがとう。今回は田原総一郎じゃないけどさ、僕は司会進行役、聞き役にまわりますよ。二人とも思う存分自分のアルバムをほめたたえてくださいな(笑)。まずカトリアンから行こうか。ようやっと5月21日に「Riverside Music Garden」が発売されましたね。こうやって改めて盤ができてみるとさあ、やっぱり長いことこのオーケストラやってるから僕なんかでも感慨深いよ。本人としてはどうすかね。
香取:
そうですねえ、感慨を感じるよりもまず、忙しくて疲れちゃったって感じですかねぇ。もっとも、思い入れというのはさすがにあって、こうしてできてみるとどの曲も作り込んでいるというか、やっぱり一朝一夕にはできんもんができたと……。
納:
いや、でも思ったよりはるかにいいできで、ひと事ながら嬉しいです。今時こんな苦労して音楽を作っている人ってそうざらにはいないんじゃないんですか? いやほんとによく頑張ったんじゃないんですか。
布川:
そうだよねぇ、カトリアンの場合音楽だけじゃなくてレコーディングのケータリングとかマネージメントもやってるもんね(笑)。
香取:
今日のお昼はハムサンドじゃなくて、おにぎりにしようなんて連れ合いと相談したりして(笑)。それにしても初っぱなのメンバーのスケジュールあわせは大変だったし。
布川:
ところでレコーディングはどうやって録っていったの?
香取:
布川さん、知ってるじゃないすか。
布川:
まあ一応、司会だからさ。
香取:
初めの計画では、全員スタンバってて、まず「せーの」で一つ録ったあと、順繰りに直していこうと。一日3曲のペースで3日の録りのつもりでしたね。
納:
でも大曲が多くて、ミュージシャンサイドでは相当きびしいタイム・スケジュールになるんじゃないかと言われてたけどね。
香取:
そう、一日目が終わった後、リズム・セクションの直しが異常に長くかかったりしたから、結局後の2日はホーン・セクションが後からかぶせる形に急遽変更になっちゃって。
納:
そもそもビッグバンドとは名ばかりで、超絶技巧を要求されるフュージョン・バンドのオーケストラ版みたいなもんで、いつも大坂君とアタマを悩ましているんです。僕もたいがいいろんなビッグバンドをやってますが、こんなにリズム隊にとって大変なバンドは経験がありません。リズム隊のアレンジが複雑怪奇で、直しが異常に長くなるのも当たり前だということを気付いていなかった香取さんにはここで、はっきりそのことを申しておきましょう。でも村田(陽一)君もまったく同じようなことをいってましたよ。こんな大変なホーンセクションのアレンジを書く奴は絶対いない!ってね。
香取:
すばらしいお褒めの言葉! まあ、確かに計画の一部は変更せざるを得なくなりましたが、最終的にはベーシックを3日で終えられたことは、計画通りだったというか、奇跡的だったというか、皆さんが異常に上手すぎたというか……。
布川:
うーん、素晴らしいサウンドの陰には人知れぬ苦労があったわけですね。じゃあここで何曲か解説してもらいましょうか。まず1曲目の「Invitation」、これがとんでもないアレンジなんだ。
納:
初めてこの曲のアレンジのベースパートを見せられたとき、我が目を疑ったのを未だに覚えております。その次に出た言葉が「ねぇ、香取さん、まさかこれをそのまま弾けというんじゃないでしょうね」です。まあ、CD聴いてもらえればわかるけど、普通こんなの書いてきたら大ひんしゅくだよ、わかってんの?
布川:
いや、納君のベースパターンを弾いてみたら、僕は2小節ぐらいしか弾けなかった(笑)。
香取:
納氏のベースは布川さんのギターよりも手が早く動くって噂でしたから……アハハ、それは冗談として。
布川:
冗談じゃなくて、あのラインを引き続ける耐久力はジャコなみだよな。
納:
褒めて頂いてありがたいのですが、それよりも、そういうラインを書くことを私は問うているのです。しかも、ベースラインにもまして、なんなんですか、あのサックス・ソリは。彼等はニコニコしてやってくれたけど、心の中じゃきっと「なめとんのかお前は! サックスをなんやと思とるんじゃ」と、叫んでいるのが音から聴こえてくるはずです。
香取:
確かに一曲目としてはなかなか緊張感が出ていていいでしょ。普段ライブでは最後にやる曲ですからね。で、ライブでやるっていえば、「A View of the Picture」はメンバー紹介の曲なんですが、これが結構変わった曲として受けがいいんですよ。
布川:
全員のソロが絶妙なアレンジの中に盛り込まれているよね。
香取:
ええ、黒人ボーカリストのネイサン・イングラムさんの声を自宅録音して、スタジオに持ち込んだんですね。
納:
ところでタイトル曲の「Riverside Music Garden」って一体何のことなの?
香取:
これは都会の非人間的な潮流の傍らに存在する、オアシスの甘い響き……なんちゃって、うちは江戸川のすぐ近くなもんで(笑)! でも音楽は本当に都会とその中の幻想的オアシスを感じるものがあるでしょ。布川さんのギターサウンドなんか、残酷なぐらい奥行きの深い音が全体を覆っているし。私、あのソロとバックグラウンド、両方とも大好きなんです。
布川:
ありがとう。ちょっとビル・フリしちゃったんだよね。でも、本当に美しい曲だよ。
納:
まさか、ガーデンっちゅうのは香取さんのアパートじゃないでしょうね。あの横の公園のことをいうんでしょ。
香取:
いやいや、それは実は僕のホームページがGardenなわけで(ホームページのタイトルが同名のRiverside Music Garden)、となりの公園は篠崎公園です。
布川:
話がローカルになってきたところで、そろそろまとめましょうか。
納:
最初にも言ったように、実に完成度の高いアルバムができたと思います。各曲のアンサンブルといい、ソロといい、素晴らしいのではないでしょうか。あんなアレンジをここまで的確にこなせた我々ミュージシャンを高く評価したいと思います。でしょ、香取さん?
香取:
それはもちろん。でも書いた人も忘れないでね。 。
布川:
まったく。香取さんの思いが詰まっている力作だよね。長いけど。


今回の対談もなかなか充実しました。左の画像が5月21日発売、香取良彦オーケストラの「Riverside Music Garden」です。詳しい情報は香取氏のホームページでチェックしてみてください。次回は引き続き三者対談、納浩一のデビュー作「三色の虹」を語る!という企画をお送りいたします。お楽しみに。





「俊樹の部屋」のバックナンバーを用意しています。見てない方はチェックしてね。




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