日本のどこかの、またどこかの異空間の中。

青空に浮かぶ太陽は常に東南75度の位置をキープし、

綿飴並に軽そうな雲が定位置で漂っている。

他にこの空間にあるのは立方体の芝生と、

その上に建つ白い立方体の箱と、

箱に乗せただけのようなピラミッド型の赤い屋根。

箱には長方形の窓があり、中の様子が伺える。

カントリーを基調とした調度品に囲まれ、二人の女の子が椅子に腰掛けて寛いでいた。

二人の前のホットココアからは湯気が立ち上っていた。

「何だかあっという間だね」

ぼんやりと天井を眺めていた水遊(みゆう)が溜息と共に呟くと、

本を読んでいたまこなが顔を上げる。

「何が?」

「一年経つの」

「あー、そうねぇ」

返って来た答えにまこなは思い出したように相槌を返す。

「毎日仕事あるよね」

「仕事というか、定めというか」

二人同時にココアを口に入れる。

「あちっ!」

水遊は慌ててコップを置き、赤くなった舌を出す。

正面のまこなは平然と口に含み、また本に視線を戻す。

「あふわひね、ひほのゆえほはふのこふぁい」

「舌引っ込めてから言って」

再び顔を上げ舌を出したまま話す水遊を見て苦笑を漏らす。

水遊は暫く口から息を吐いて舌を冷まして、もう一度同じ台詞を言う。

「私ね、人の夢貰うの怖い」

まこなは黙って目を細める。

その目に映る水遊は心から不安な表情を浮かべる。

「貰わなければ動力なくなるでしょ」

あっさりとまこなは言い切る。

「そうだけどさ」

水遊はちらりと部屋の角に目を向ける。

テレビ局で使うようなカメラとマイクが備え付けられている。

「夢が無くなれば生きられないじゃない?」

機械を見たまま頬を膨らませる。

まこなは本を閉じてテーブルの上に置き、水遊を見据える。

「いつも言ってるでしょ?夢は全部取っていないって。ホンの一部でも充分なんだし、

それに夢が無くなって一番困るのは私達だよ」

「うん…」

諭すように言われてもなお納得いかないのか心許ない返事を返す。

「早く記憶戻そう?」

少し、悲しそうな顔のまこな。

水遊はその訳を知っていた。

二人は何時から此処にいるのか判らない。

気がつけばこの異空間に存在していた。

二人以外に人はいない。

記憶もなにもない。

ただ、解っていたのは互いの名前。

それと、記憶の替わりに備えられたような、人の感情を読み、夢を貰う能力。

その能力を使う時にたまに見えるビジョンが無くした記憶の一部だと気付いたのは最近になってから。

それ以来、記憶を探して毎日欠かさずテレビ放送を流す。

電波は俗に言う、丑三つ時に公共の電波の間に混ざり、悩みを持つ者のみ見ることが出来る。

中から一人を選別し、夢の一部と引き換えに悩みを解決する。

ときには生命の危険に曝されたり、頭を悩まされたりすることもあった。

それでも、二人は互いを助けて解決してきた。

水遊は冷めたココアを一口飲む。

口の中で甘いとろりとした感触が広がる。

心地よい香りを堪能して、まこなを見ると未だに心配そうに見つめ返す。

「今日も始めようか」

そう言って水遊がニッコリと微笑むと、安堵した顔でまこなは立ち上がる。

二人は机の引き出しからインカムマイクとリモコンを取り出す。

マイクを装着し、カメラの前に立つ。

まこなはリモコンをカメラに向けて水遊をもう一度見る。

「いくよ?」

「うん!」

力いっぱいの返事を貰ってまこなはリモコンのスイッチを入れた。

どこかの誰かが言っていた。

悩みを持つ者が深夜にテレビを着けていると、あるチャンネルに繋がるという。



そのチャンネルの名は、

「水遊」

「まこなの」

『Mmch(エムツーチャンネル)!』



***

後書き

遅くなった上に本人達の承諾無し(汗)

名前以外はフィクションです。(当たり前)

とにかく、一周年おめでとうございます!







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素敵な作品をありがとうございました!!

いや〜、自分らの名前が出た時は

正直こっぱずかしかったです……

サイト名からこんならぶりーわーるどな世界を

創り出してくれるなんてすごいなぁvv

幸せです♪

ほんと、ありがとうございました!!

次の機会も、期待してますvv(←おいっ)