烈士山
(lie shi shan=180m)
(2004年3月27日)
▽ ガイド 大連市のど真ん中の人民広場から手軽に登山。
▽ 交通 バス停「人民広場」で下車。
▽ ルート 人民広場からでも、反対側の烈士山英雄記念公園からでも入山可能。
■25分で広がる一級展望
昨年秋から休眠状態だった「大連山の会」の活動が、来週の土曜日(4月3日)から始まることになった。大連もようやく山登りシーズンの到来だ。身も心も弾んでくる。
その前に足慣らしをしようと、春らしい暖かな陽気となったきょう3月27日、今季初のハイキングへと一人で出かけた。目指すは人民広場の南側に連なる稜線のなかで、2つの通信タワーが目立つ烈士山。昨年6月に上って以来、2度目のチャレンジである。
観光客や凧上げに興じる市民でにぎわう人民広場南側のバス停に着いたのは午前9時20分。ここから南へ延びる記念街は、緩やかな登りになっている。正面には、ツインタワーの山頂がそびえ、お手軽登山コースなのに貫禄は十分だ。
高爾基路、勝利路を横切ると、記念街の道路は山麓を巻くように大きく右に曲がり、5、60メートル行ったところでアパート街へと入った。前回と違う道だが、山頂直下にある登り口の場所に見当をつけて、住宅内の階段をひたすら登る。ピアノの練習音、飼育鳥の鳴き声、ゴミ回収の呼びかけ声も聞こえ、生活感があふれる。
登山口の小公園に着いたのは午前9時半。ずいぶんと歩いたような気がするが、わずか10分とは驚き。半年間のなまった足には、坂道がけっこうこたえる。
昨年来た時は、工事中で何を造っているのかわからなかったが、擬木の階段や橋、手すりをつくり、ベンチや遊具も配したしゃれた小公園になっていた。ここまで高度を上げると、街並が眼前に広がり、実に気持ちがいい。子供たちやお年寄りが憩う場所としては絶好だ。大連市もなかなかやる!
公園最上部の右手から地道の散策路へと入った。アカシアの木々はまだ芽吹いていないが、この陽気だと間もなく瑞々しい新緑に彩られるだろう。登山道は何本も頂上に向かっているが、山腹を巻いて西へと続く、踏み跡が最も目立つ道を選んで進む。途中で岩肌がむき出したところに出た。ここから一気に頂上へ向かうこともできるが、巻き道をさらに南へと登った。
ここからヒノキの植林帯に入った。樹高は7、8メートルだが、手入れをしていないためか、枝が伸び放題で“株立ち”状態になってしまっている。登山口のちょうど反対側あたりで山頂へと真っすぐ続く道に入った。汗ばんできたので、歩きながらウインドブレーカーをぬごうとしていたら山頂に着いてしまった。午前9時45分。あっけないほどの征服である。
軽いハイキング程度だが、展望は一級品。大連の山に共通することは、簡単に登れて景色が素晴らしいところにある。烈士山の山頂からも大連市の中心部が目の前に広がる。サッカー場として知られる体育場、市政府がある人民広場、テレビ塔、高層ビル街、大連港……。セルフタイマーで記念写真を撮り、山頂の東側に建つ電話局の電信タワーへと向かった。
ヒノキ林では、4、5羽のシジュウカラが鳴きながら移動している。空を見上げると、小型のタカがホバーリングしていた。あまり動かないので、「山頂付近でだれかが凧を揚げているのかな」と思ったほど。尾はやや長めで、大きさはオオタカぐらい。双眼鏡を持っていないのが残念だ。
第二鉄塔に着いたのは午前9時56分。ここから道は、幅5メートルほどの舗装路。散歩のお年寄りたちが結構いる。道の脇では男女5人のお年寄りがテーブルを囲んで立ったままトランプ遊びをしていた。こんな気持ちのよい戸外でトランプをしなくてもいいのに、と思うけど、山頂付近で見たのは、台山、迎客山に次いで3回目。よほど面白いのだろう。
道ばたではレンギョソウが黄色の花を咲かせていた。中国語で春迎花。春の日差しに黄色が鮮やかだ。日本ならば、花を切って持ち帰る人がいるだろうが、中国では野花を生ける習慣がないのか、だれも切ろうとはしない。日本は植物の乱獲が激しいが、この点は中国に見倣いたいものである。
道は右に回り、烈士英雄記念公園へと入って来た。ここは墓地になっていて、真ん中には大きなオブジェが置かれている。何を表現しているのか、説明看板はなく不明。さらに石段を下りると公園に出て来た。
大理石の広場では、お年寄りや子供がローラースケートで遊んでいた。遊具や芝生もあり、観光客がめったに訪れることのない、市民の憩いの場所になっているのだ。記念公園を山側から逆行して、入り口に着いたのは午前10時25分。右手には登って来たばかりの烈士山が墓地と公園を見守るように、その山容を見せていた。
写真は上から
記念街からツインタワーの山頂がよく見える
登山口となっているアパート街最上部の小公園
山頂への道は雑木林の中に幾本ものびている
山頂からの展望。美しい大連の街並が一望できる
烈士山英雄記念公園側からの山頂付近。貫禄十分だ