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巻頭インタビュー



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大連中日文化交流協会芸術団団長

楊 涵茜さん  <2010年08月>



 古くから経済交流が活発な大連と日本。近年は文化、芸術分野の交流が脚光を浴び、友好関係の裾野が大きく広がりはじめている。そんな中で実質的な交流団体として活動を展開しているのが大連中日文化交流協会芸術団。発足から1年以上が経ち、中日交流の一翼を担い始めている。団長の楊涵茜さんに設立への思いなどについて聞いた。

高らかに歌い上げる中日友好


……大連中日文化交流協会芸術団は、文化・芸術を通した中日両国の交流に欠かせない存在となってきました。日ごろはどのような活動をされているのでしょうか。

「私たちのメンバーは、歌や踊り、二胡やギターの演奏、雑技、京劇面の早変わりなどの特技を持っています。総勢は20〜30人ほどでしょうか。こうした芸術を通した交流は互いの心を通わせ、深い友情を育むことができます。私たち芸術団は、日本から訪問団が来た時などは、それぞれ得意分野の芸術を披露して交流を深め合っています。7月上旬には愛知県日進市文化協会の一行が来連し、私たちは歌や二胡など、日進市も茶道を披露するなど実のある、楽しい芸術交流ができました」

……芸術団が誕生したきっかけはどのようなことだったのでしょうか。

「大連中日のど自慢大会が毎年開かれていますが、私は2007年から4年間続けて審査員をさせていただいています。そこで感じたのが、中国人の出場者は日本語の歌がとても上手だと言うことです。しかし、大会が終わったら出場者は何事もなかったように戻って行ってしまう。みんな日本語も上手です。このような人たちが集まれば、きっと芸術を通した交流活動ができるのではないか、と思って呼びかけたのです」

……楊さんは交流会などでは、司会とともに素晴らしい歌も披露していますね。

「歌は幼いころから大好きでした。幼稚園から小学校、中学校、高校まで、学内でベントがあると、必ずみんなの前で歌を歌っていました。親も学校の先生も『この娘は音楽学校へ行かせた方がいい』と言っていたくらいでいた。もちろん私も音楽の道へ進むことを希望していました。音楽学校では声楽専攻でしたが、ピアノも踊りも習いました。いまも芸術団の活動だけでなく、時間があると友人と一緒にカラオケに行って好きな歌を歌っています」

……日本の歌のレパートリーも多いですね。

「日本の歌がとても好きです。よくみなさんに披露するのが『大連の街から』や『昴』『川の流れのように』『時の流れに身を任せ』などで、テレサ・テンや山口百恵の歌もよく歌います。うれしいのは日本人のみなさんの反応です。ノリが良くて、『すごい!』とか『うまい!』とか言ってくれ、会場の雰囲気が盛り上がります。ですから私たちも気持ちよく発表できます」

……日本の歌も日本語も上手な楊さんですが、なぜ日本語を話せるようになったのですが。

「まだまだ十分ではありません。今も週に2、3回は日本語学校に通っています。日本語とかかわりあい始めたのは7、8年前からです。友人が経営する大連の貿易会社を手伝っていましたが、周囲のみんなは日本語が話せましたが、私はまったく話せずに、つまらない思いをしていました。そこで2004年から1年間、日本に語学留学して、名古屋の日本語学校で日本語を勉強してきました。大連は日本人と会えるチャンスがたくさんあるのに、日本語が話せなければ、せっかくのチャンスも生かせません。これからももっと勉強して、日本人とコミュニケーションを深めたいと思っています」

……楊さんにとって日本の魅力とはどんなところですか。

 「先ほども言いましたが、日本人は親切で、歌を聴いてくれる態度が素晴らしいと思います。これは友好を深める上でとても大切なことです。また、友人から日本のお土産やプレゼントをいただくことがありますが、日本の製品はよくできていて魅力的です」

……最後に芸術団の今後の目標をお聞かせください。

「現在は、日本から訪問団やお客様が来た時に、私たちが演技を披露しています。これからは私たち芸術団が日本を訪問して、日本の文化団体など各種団体と交流を深めたいと思っています。これは多くのメンバーの目標でもあり、大きな夢でもあるんです。早くその機会に恵まれることを願っています」

【経歴】
楊 涵茜さん 
 黒竜江省出身。黒竜江省芸術学校に入学し、声楽科で中国民俗音楽から流行までの歌を勉強。卒業後は地元の芸術団に所属する一方、音楽学校で学生に指導した。その後、大連に転居し、音楽学校時代の恩師が経営する百霞音楽学校の非常勤講師を務めている。昨年6月には大連中日文化交流協会芸術団を発足させた。

【取材を終えて】
  日中友好の歌姫
 すらっとした体形に素敵な笑顔。舞台に映える資質を備えている。その上、楊さんが歌う日本の曲が素晴らしい。それだけに楊さんがステージに上がると華やかになり、会場の雰囲気も一気に盛り上がる。先日の愛知県日進市文化協会との文化交流会がそんな場面を見せてくれた。「日本が大好き」という楊さんは日中友好の“歌姫”だ。(猪瀬和道)