Whenever DALIAN
巻頭インタビュー
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「大連天地」執行董事
陳 永明さん <2009年12月>
旅順南路で開発が進む大連ソフトウェアパーク第二期工事。その中でもビッグプロジェクトとして注目されるのが大連天地だ。上海新天地を成功させた瑞安集団と大連の億達集団が手を取り合って進める未来型のエコ新都市でもある。間もなくその一部が姿を見せ、2020年までには巨大な30万人都市が完成する。陣頭指揮をふるう執行董事の陳永明さんに計画について聞いた。
順次完成のエコ都市「大連天地」
……上海新天地を開発した瑞安集団が旅順南路の大連ソフトウェアパーク第二期で手掛けている「大連天地」が、いよいよその姿を見せ初めてきました。ものすごい規模のプロジェクトですね。
「これはまったく新しい概念から生まれた都市づくりです。現代人の“働く、住む、学ぶ、遊ぶ”といった基本的要素を満たすことのできるエコロジー新都市。海と山に恵まれた大連独特の自然環境を生かし、上海新天地をつくり上げたノウハウが随所に反映されているのです。12月中には黄泥川地区に2棟のBPO専門オフィス棟、建物面積4万2000平方メートルが完成します。これから相次いで施設がお目見えしますよ」
……楽しそうな新都市ですね。全体計画をお聞かせください。
「大連天地は東は河口湾から山谷地区を経て、山間部の黄泥川、さらには臨海地区の南海頭までの4地区、12.5キロを結ぶもので、総敷地面積は26.5万平方キロ、総建築面積は354万平方メートル、総投資額は300億元に達します。ここに先進的なライフスタイルとエコロジーをテーマにした新しい都市をつくり上げる計画で、クリーンなオフィス、高級住宅、各種レクリエーション施設、さらにはショッピングセンター、銀行、郵便局、病院、ホテルなども設けます。まさに地域内で仕事から生活、レジャーまで完結できる未来型都市と言っていいでしょう。完成年度の2020年には人口30万人となる見込みです」
……どんな経過からこの巨大プロジェクトが誕生したのですか。
「開発計画が持ち上がったのは2006年ごろで、当時の夏徳仁市長(現大連市委員会書記)がオフィスだけでないライフ施設も備えたワンストップの“スーパーITパーク”の建設に意欲を見せていました。大連ソフトウェアパークがオフィスだけの単一産業区だけに、ライフスタイルも取り入れた先進的な街をつくりたかったのです。この考え方は、私どもの瑞安とも意向が完全に一致して、2007年に大連市と正式に契約、2008年に着工したのです」
……このプロジェクトの責任者である陳さんは成功への自信はあったのでしょうか。
「もちろんです。瑞安集団は上海をはじめ、中国各地で巨大開発を手掛けてきましたので、その経験とノウハウを持っています。それに大連は市政府の協力、支援体制がしっかりしています。また、大連は東北地方の中でも自然環境に恵まれた美しい都市で、IT産業が盛んな国際都市でもあります。さらには日本、韓国との交流も活発ですし、この都市ならば必ずプロジェクトは成功するものと確信しています」
……大連天地のセールスポイントはどんなところでしょうか。
「先ほどもふれましたが、環境に優しいエコロジー新都市です。低炭素の街づくりを目指し、発電は風力とソーラを導入します。交通機関も地下鉄が河口まで整備され、河口から旅順までは路面電車が延長されるので、二酸化炭素の排出を抑制することができます。園区内は自転車で回れるようにするなど、健康的な生活を満喫することができます」
……日本企業への期待も大きいようですね。
「このプロジェクトには日本との合作が欠かせません。日本のIT、BPO企業に来ていただき、この素晴らしい環境の中で事業展開をしていただきたいと思っています。また、入居されるだけでなく、タウンづくりを日本の企業と一緒に進めようと、アウトレットやショッピングセンターなどと話し合っているところです。日本企業との協力関係をさらに推進させるため、東京に事務所を開設しました」
……陳さんは日本にも行かれていますが、日本に対してどのような印象をお持ちですか。
「今年2月の大連市政府代表訪日団など、これまで3回にわたって日本を訪れました。日本は技術的にも最先端の素晴らしい国だと、改めて実感しました。この技術力を生かして大連で展開すれば、発展は間違いありません。大連には優秀な人材が豊富ですし、技術力も高く、住環境も優れています。
これから日本と韓国、中国の3か国が連携すれば、他国の協力は必要ないほど力強いものになるでしょう」
……最後に日本企業へのメッセージをお願いします。
「大連には欧米系の大手IT企業がたくさん進出して成果を上げています。その業務の内容はほとんど日本向けサービスです。これは日本のIT企業にとって、大変もったいないことです。日本の友人たちにも言っていることですが、日本の業務は日系企業でやった方がビジネスの範囲は大きく広がります。ですからこの大連天地で新たな発展のチャンスをつかんでいただきたいと思ってます」
【経歴】
陳 永明さん
オーストラリアのシドニー大学経済学部卒。現在は香港会計士会とオーストラリア特許会計師会の会員。瑞安集団の瑞安房地産発展有限公司の業務発展総監で、瑞安集団と億発集団が共同出資した大連軟件園瑞安発展有限公司の執行董事として「大連新天地」プロジェクトの指揮を執る。瑞安入社前は上海証券取引所に上場している威新集団有限公司(現星獅地産中国有限公司)の副董事長兼総経理、営業運営総裁を務めていただけに、業務管理、財務会計、人事管理、法務などに不動産業務全般に精通している。
【取材を終えて】
気配りもトップの資質
「今日は形式張ったインタビューと言うより、猪瀬さんと楽しく語り合いましょう」。冒頭に笑顔でこう話しかけてくれた陳永明さん。両者側のスタッフ6人も同席してやや緊張した空気の中でスタートしたインタビューは、この陳さんのひと言でぐっと和らいだ。経済の専門知識と事業経験も豊かな陳さんだが、こうした気配りは組織を引っ張るリーダーには欠かせない資質だろう。この後のインタビューは時間を忘れるほど盛り上がり、内容も充実したものになったことは言うまでもない。(猪瀬和道)